愛はさだめ、さだめは死 (ハヤカワ文庫 SF テ 3-1)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150107307

感想・レビュー・書評

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  • 何十年かぶりに読み返した。
    理解できる部分があるかと思ったが、「断層」「男たちの知らない女」以外は、チョット。

    ほとんどが読ませる文章ではなく、感じさせるテキスト。今思うと頭に閃いた事柄や情景をそのままテキストに落とした感じ。

  • もう1年ほど前になるが、SFに明るくないのにSF図鑑の翻訳にたずさわる機会を得た。私が担当したのは、1960年代後半の作品(映画、小説)とその時期にデビューした作家。SFにいだいていたイメージがいい意味で覆され、SFとは疎外された者による疎外された者のための娯楽なんだなあとしみじみ感じた。思索的なもの、風刺的なもの、読んでみたい本、観てみたい映画が増えて、世界が広がったように思う。
    で、約1年を経て、ようやく読みたい本の1冊を手に取った。あのような波乱の人生を送った作家は、なるほど、こんな作品を書いていたのか、と納得しながら読み進める。私にはちょっと難解な作品も多かったけれど、どれも圧倒的なイメージの喚起力をもち、ありえない光景が脳内にありありと浮かびあがり、懐かしさすらこみあげる。
    私が一番好きなのは、たぶん一番わかりやすい『エイン博士の最後の飛行』。最後に並ぶ『断層』『愛はさだめ、さだめは死』『最後の午後に』は、いずれも圧巻。うねりに飲み込まれるように一気に読んでしまった。
    各短編の邦題がとてつもなくいかしているのも、すばらしい。
    たいへん満足です。
    次は、いつになるかはわからないけど、ムアコックの『この人を見よ』を読みたいと思っている。

  • 難しくて記憶に残らない
    表紙   4点上原 徹
    展開   6点1975年著作
    文章   4点
    内容 600点
    合計 614点

  • ティプトリーの短編集。「男たちの知らない女」「愛はさだめ、さだめは死」「最後の午後に」が面白かった。

  • 全然知らない道を夜に歩くような、不安な気持ちになる。歩いても歩いても、よそよそしい。夢の中で歩くように、なかなか前へ進めない感じ。そして、抽象的な現代アートを眺めてる感じ。

  • SFが苦手だった私が初めて「ニューロマンサー」を読んだ時と同じ位読みにくかった。なんだろう……すごく独特。読んでいてなかなかシーンが思い描けなくて自分の想像力の限界を思い知らされる。
    「全ての種類のイエス」、表題作の「愛はさだめ、さだめは死」がとても良く、またそれ以上に「接続された女」が凄かった。同情だか怒りだか、何だかよく分からない感情に駆られて本を放り投げたくなり放心した。

    そしてあとがきの、作者についての解説でまた呆然となる。

  • 個人的には、『そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした』とか『断層』とか好き。
    もちろん表題作もいいし、『接続された女』は不覚にも泣きかけた。

  • 自然と本能のまえにとまどう異星生物のライフサイクルを、斬新なスタイルで描き、1973年度ネビュラ賞に輝く表題作ほか、コンピュータによって他人の肉体とつながれた女の悲劇を通して、熾烈な未来社会をかいま見せ、1974年度ヒューゴー賞を獲得したサイバーパンクSFの先駆的作品「接続された女」、ユカタン半島に不時着した飛行機の乗客が体験した意外な事件を軸に、男女の性の落差を鋭くえぐった問題作「男たちの知らない女」など、つねにアメリカSF界の話題を独占し、注目をあつめつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた華麗なる傑作中短篇全12篇を結集!

  •  J・ティプトリー・ジュニア二冊目。「たったひとつの冴えたやりかた」と違って一話完結で読みにくい話と読みやすい話があった。面白かったのは「接続された女」と「断層」。「接続された女」の設定は今でも使われていて作者の発想の先見性に驚かされる。
     そしてもっとも有名なのは「愛はさだめ、さだめは死」。読んでみると意外と現実的だった。子孫を残すためオスがメスに食べられる生物はけっこういるし。ただその本能に逆らおうとする理性、愛を持たせることでドラマチックになっている。planをさだめと訳しているのは意訳なのだろうか?

  • やっぱりSFは難しいな、と再認識させられた本。短編集なので、それほど大変な思いもせずに各話を読んでいくことはできるんですが、世界観を理解して頭の中に絵を浮かべるのが大変。あまり小難しいことは考えずに、書かれている通りのビジュアルイメージを作り出せばいいのかと思いますが、その辺の体力がまだ自分には足りませんね。

    もしかしたら、もうちょい若いうちに読んでおいたほうが、作品世界を創造するにあたっては有利だったのかも。
    とにかく、まだこの作品群の良さがイマイチわかってないので、時間をおいて再読してみようかな、と思います。

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