- Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150115586
感想・レビュー・書評
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実にSF短編集らしいSF短編集。こてんこてんしたものとは違う不思議な雰囲気はあるんだけど、SFを読んだなって気がする。
時間を縫ってぽつんぽつんと拾い読みをしたのは、この本に対して不公平だった。特殊な世界での出来事を、すごく当たり前の出来事のように(つまりその世界にいる人の視点で)書いているので、結果的にその世界の約束事に気づきなじむのに時間がたってしまった。読み終わってしばらくしてから、「なるほど」とか思ったりして、ちょっともったいなかった。
これから読む人には、じっくり読める環境を整えてからこの作品の世界に浸り混むことをおすすめする。かなり、「メクルメク」はず。
2006/8/26詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
恥ずかしながら、これまでマイクル・スワンウィックというSF作家を知りませんでした(ギブスンとの共著「ドッグファイト」を読んだぐらい)。いくつかの作品でヒューゴー賞を受賞しているようですが、日本では翻訳作品が少なく、あまり有名ではないのかな。
古本屋でたまたま見つけたのがきっかけ。こういう発見は古本屋でないとできないもので、うれしい発見です。
さて、その内容ですが、予想に反しておもしろい。
取り扱うテーマ・ネタに特段の新鮮さは感じなかったのですが、メッセージと起承転結がハッキリとしているので、短篇作品としてはとてもスマート。表題作のメッセージとオチはちょっと唐突感があったので、うーん、、という感じでしたが。。。
おもしろかった作品は以下のとおり。
・ギヌンガガップ
・クロウ
・犬はワンワンと言った
・世界の縁にて
・スロー・ライフ
・ティラノサウルスのスケルツォ
・死者の声
見返してみると、「スロー・ライフ」や「死者の声」、「ギヌンガガップ」のような異星人とのファーストコンタクトものが印象に残っているのかな。「世界の縁にて」や「ティラノサウルスのスケルツォ」も魅力的な作品でしたが。 -
名品もあるが読みにくい作品もある
表紙 6点瀬戸 羽方 小山 隆他訳
展開 7点2006年著作
文章 6点
内容 525点
合計 544点 -
2015年4月14日読了。ヒューゴー賞・ネビュラ賞など各賞に輝く短編を多数収めた日本独自編集の短編集。前半の短編は読みづらく感じたが、『ギヌンガカップ』の「転送された自分は、転送前と同じ自分か?」という問題提起や、「自分の願いが望み通りかなうならば、それは幸せなのか?」と問う『世界の縁』、時間をコントロールできる能力を持ちながら自分の選択の正しさに逡巡する『ティラノザウルスのスケルツォ』など、慣れてくるとなかなか楽しく読めた。作者の抱く疑問や矛盾、問題意識を寓話のような形で物語に現せるのがSFの良さで、問題意識を問題意識のまま投げっぱなせるのが短編の良さ、だな。
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タイムパラドクスや管理社会などありきたりな設定でも、切り口を変えればまだこんな斬新な物語が可能なのだ、という驚き。新しい科学情報も取り入れているがスケール感が矮小しないところがいい。SFをあまり読まない人には舞台背景の描写などはかなりわかりづらいかも。
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スタージョン記念賞受賞に惹かれて読んでみました。
最近にしてはめずらしく一気に読んだのですが、
ちょっと期待したほどでは無かった…カナ。
けど短編集としてはバラエティに富んでて十分面白かったです。
時間ものから終末もの、ファーストコンタクトから別次元と
一人の人が書いたとは思えないくらい(笑)
もしかして原文を読むと期待通りに面白いのかもしれない。
…英語が全然だめなので、無理なのですが。
いつもそんな事は思わないのですが、今回に限りそう思いました。
なんで物足りない気がするのかがよく分からないくらい内容はけっこう面白かったです。
2006/05/08