拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫 SF ウ 6-5 新しい太陽の書 1)
- 早川書房 (2008年4月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150116606
作品紹介・あらすじ
遥か遠未来、老いた惑星ウールスでの徒弟として働くセヴェリアンは、反逆者に荷担した疑いで捕らえられた貴婦人セクラに恋をする。組合の厳格な掟を破り、セクラに速やかな死を許したセヴェリアンは、を追われ、死にゆく世界を彷徨することとなる…。巨匠ウルフが持てる技巧の限りを尽くし構築した華麗なる異世界で展開される、SF/ファンタジイ史上最高のシリーズ。新装版でついに開幕。
感想・レビュー・書評
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出だしの魅力的な場面、成り行きから墓地でヴォダルスをたすける所、だけどそれに続く断章が本筋と直接は関係なく思え、進み方が遅いと前半は思った。だけど植物園のあたりから、その世界描写や次々現れる謎の多い登場人物たちがとても素敵に思えてきて、読み進めるのが楽しくなってきた。饒舌な文章もはじめは、読みにくいなと思ったけれど、読み終わる頃にはいつまでも浸かっていたいと思えるほどになった。拷問者セヴェリアンの旅は何処に連れてってくれるのだろうか?楽しみ。
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ウルフの濃密で精妙な世界を四部作で楽しめるとはなんという贅沢、とゴールデンウィークまで取っておいた。しばらくはセヴェリアンの世界を説明する描写が続き、ストーリーが始まらない。けれどその断片が引き込んでくれる異世界の上質なリアリティにうっとりしているうちに、歯車が回りだす。
現代の地球人らしき人物が唐突に登場したりして、どう回収されるのかまったく想像がつかない。通常のファンタジーよりふた周りくらい大きな物語の予感。 -
だって表紙絵が小畑健さんなんだもの。
ファンとしては手に取らない訳にはいかないじゃない!
という訳で。
長らく積んであった<新しい太陽の書>シリーズ、
この度挑戦してみる事にしました。
むむぅ…これは。なかなか難解。
以前読んだ「デス博士~」よりさらにハードルが高いかもしれない。
主人公セヴェリアンが「拷問者」という設定や、
囚人のセクラに心を奪われ、自殺の幇助をしてしまう所は面白い。
(助けるのではなく、速やかな死を与えるというのがまた…笑)
ただ、中盤あたりから
夢の中を漂っているかのような幻想的な描写が続き、
「あれ、セヴェリアン君今どこにいて何してるんだっけ…??」と、
幾度となく意識が飛ぶ事もしばしば^^;
淡々と罪人に死を与え、
しかもその仕事に誇りを持っているのだから凄い。
表紙との相乗効果で、何故かセヴェリアンがキラに見えてくる。。。 -
あまりにも分からなくて何度も読みかえすスルメ本
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世界的SF作家ジーン・ウルフさん逝去
日本でも高い人気を誇る作家が、4月14日逝去。ご冥福をお祈りします。 -
物語に入り込むまでがきつかった。後半に行くに連れのめりこんだ。続刊も買います。
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古書購入
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原書名:The Shadow Of The Torturer
世界幻想文学大賞、イギリスSF協会賞
著者:ジーン・ウルフ(Wolfe, Gene, 1931-、アメリカ・ニューヨーク、作家)
訳者:岡部宏之(1931-、翻訳家) -
『新しい太陽の書』第1巻。
20年ほど前に一度刊行されていたらしく、こちらはカバーを変更した新装版。
難解さで知られるジーン・ウルフだが、本作はどちらかというと『解りやすい』部類に入るのではないだろうか。国書刊行会から出ている『ピース』辺りと比べると、一見すると普通のファンタジーじゃないの? と思いたくなる……そんなことはないのだろうがw
各巻巻末に掲載の解説では、ごく自然にネタバレがあるので、ネタバレは断固として許せん! という場合、全5巻すべてを読み終えるまで解説には目を通さない方が吉。多少のネタバレは許容するから理解の一助が欲しい、そもそもネタバレ自体そこまで気にしない場合は、解説から読んでも大丈夫。