ディファレンス・エンジン (上) (ハヤカワ文庫 SF キ 5-1)
- 早川書房 (2008年9月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150116774
作品紹介・あらすじ
時は産業革命、英国の数学家チャールズ・バベッジによって発明された「差分機関」の完成で、蒸気機関が著しく発達した1855年のロンドン。蒸気が支配する異形の世界で、革命家の娘シビル・ジェラードは謎の紳士との出会いをきっかけに遥かな冒険を夢想し、古生物学者エドワード・マロリーは暴漢に絡まれる女性エイダ・バイロンを救い、国際的陰謀へと巻き込まれる!サイバーパンクの中心的な作家2人が紡ぐ記念碑的名作。
感想・レビュー・書評
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SF
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後半に期待
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スチームパンクが好きなら読んどけって言われた本。
合作本で、主人公が男女二人っぽい。
正直、映像で見たい、蒸気機関のコンピューターとかすごい見たい。
歯車とかいっぱい見たいんだよなぁ、っ思いながら読んだ。色んな作品の元ネタとしての本かな。 -
鮮やかに書き連ねられていく描写が相当に素晴らしい。
優雅さと乱雑さの融合が織りなす、近代ヨーロッパの街の風景。
濃厚な機械油の匂いと、息詰まるような熱気に包まれて、轟音を響かせて動く歯車の群れ。
闇の中で蠢く数々の陰謀に翻弄される高名な学者。
モノクロとセピアの中間の色彩で彩られた世界。
紡がれていく言葉の波が、圧倒的な存在感で読者をこの世界へと引き摺り込んでいく。
ここからどうなるんだろう。
それにしても「ディファレンス・エンジン」という言葉の格好良さ!
重厚な無機質さと透き通るような優雅さだなあ。 -
SFの造詣が全く深くないのになぜか円城氏と伊藤氏の作品に結構な勢いでヒットするのでこれは読まねば、と思って読み始めたのだけれども読みにくいことこの上なし。これSF好きな人にはたまらないのかと思ったら、結構レビューでも苦戦してる人がいるみたいでちょっとホッとした。下巻に期待。
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ウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングというSF小説の巨匠二人による共著。スチーム・パンク、サイバー・パンク、歴史改変SFの古典的名作として名前をよく聞くので読んでみた。けど、とにかく読みにくい。『ニューロマンサー』もかなりキツかったけど、歴史的な背景知識がないからか尚の事。
でもこの手の古典はなんとか理解したいという思いもあるので、いつかまたチャレンジしてみようかな。
1855年ロンドン。蒸気機関が発達し、現代で言うコンピューターのような位置づけになっている世界。 -
大型書店のフェアで見つけた。とてもいいフェアだったなぁ。なにかのゲームか小説かの元ネタフェアで、読みたいけど持ってないSFが集まってて興奮と共に様々買ったのだ。
憧れと実際のギャップってあるよね。読むのにとんでもなく時間がかかってしまった。きっと円城さんや伊藤さんや、他にもいろんな人達に影響を与えたであろう名作なのだろう。自分にはこれを楽しむためのバックグラウンドが足りなかった。世界史の知識やイギリスの風俗や地理地名。辞書をひきひき読むのがよかったのかしらん。
それ故か、全体的に唐突な印象が拭えず、節でも分かれてないからズルズルと読んだりなんとなく止めてしまったり。乗りきれない。下巻は勢いよく読みたい。 -
面白いところと、情景が読み取りにくいところとあります…。なかなか読み進まず…。後半、ひとつひとつ話が繋がってきて、盛り上がってきた感じがあるので、下巻も読めば面白くなるかな…?
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未読了。
もし産業革命時に蒸気で動作するコンピュータが発明されていたら超監視社会になってどうたらこうたらという話。名作らしい。
具体的な説明もないまま物語は淡々と進んでいき、その端々で異質な世界の情景を感じられる、という文章構成。小説を読み慣れていない僕にとってはなかなか難解だった。
読解力が育ったらまたいずれ挑戦したい。 -
※このレビューでは上下巻を纏めて扱っています。
※暴力及び流血、性描写の含まれる作品です。
【印象】
顕現する"差分としての19世紀半"。
英国の異常発達した蒸気駆動機器が生む、もうひとつの世界。
【類別】
小説。
歴史改変、SF、サイバーパンク、スチームパンク。
【構成等】
流れの分かりやすさよりも、作品としての主張や叙述を優先しているように感じました。したがって、なにはともあれ一度通読してみるのをお奨めします。
理解を助けるものとして下巻末尾に事典が付属しています。
【表現】
地の文は三人称的視点。
表現は平易であり、物語を把握することにおいて専門知識は不要です。ルビ。
【備考】
当該時期の世界史、特に英国の状況について多少の知識を持っている方が楽しめるはずです。
様々な読み方、例えば実際の歴史上の人物との違いに着目して読んだり蒸気機関関連を調べながら読んだり等、のできる懐の深い作品です。