- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150123925
作品紹介・あらすじ
〔ヒューゴー賞受賞〕アンディ・ウィアーやN・K・ジェミシンなど、6人の人気作家が未来を描く珠玉のアンソロジー。全篇初邦訳
感想・レビュー・書評
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現代作家によるSFアンソロジー
最後の乱数ジェネレーターは付いてけなかった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「すべてを平等に愛することはできない」「そんなことは無理よーーできるとしたら、それは何も愛さないのと同じ。だから、ほんのひとつかふたつでいいから大切なものを持たなければならない、それが愛というものだから。特別で。かけがいのないもの」
「残りの五十年が賢くあるためなら、ろくでなしの三十年ぐらい、わたしならなんでもありませんよ」 -
2023-05-26
未来、という緩い括りなので、収録作はバラエティ豊か。あまり楽しい話はない。唯一ウィアーだけがある意味お気楽なゲームを描いていて、この中では浮いた感じすらある。
好きなのはクラウチ「夏の霜」かな。あくまで好みの話。 -
アメリカが誇る実力派SF作家の中編集。
仮想空間内のキャラクターが人格を持ち始める編者クラウチの「夏の霜」から始まり、今や泣く子も黙る、飛ぶ鳥を落とす勢いのアンディ・ウィアーの量子コンピュータでカジノをハックする「乱数ジェネレータ」で締める。どれもモダンでキャッチー。イマドキのSF。退屈な小片などひとつもなかった。
SF的素養はいらない。ほんの少しの想像力で豊かな読書体験ができる。よかったなー。 -
SFアンソロジー
1作読むと、少し余韻に浸りたいので次の作品に取り掛かるまで少しインターバルが必要で読了に時間がかかりました。
未来とか技術発展というテーマでのアンソロジーみたいです。
ブレイク・クラウチ
初めて読んだ作家さんかも。ゲーム内のNPC?でしたっけ?の話。それにしてもAIとか人工知能に対する人類の潜在的な恐怖心、というのは面白いテーマだな、と思いました。掃除機やドライヤーは怖くないけれども、AIは怖いんだな~とか。そして、人類が他の生物や無機物に対して良かれと行っている改良を、人類以外の存在が人類に施すのも恐怖なんだな、とか。そういう視点で読むと面白かったです。お話自体は、まぁ、うん。
N・K・ジェミシン
第五季節でしたっけ?の人。面白かった。視点が外に逃げて戻ってきた尊大な存在視点なのが。これを現代社会をモデルにしているとしたら随分露悪的だ、と言うような事があとがきにありましたが、女性の進出に関して先進国に後れを取っている日本はあまり言えたことじゃないよな~と思いました。
ベロニカ・ロス
ノアの箱舟未来版、と言うような話。全体的に暗い。まぁ地球の終わりだから仕方ないけど。未来の発展で出てくるテーマが明るい未来が想像できないってのは何というか、読んでいてつらいものがありますねぇ。
エイモア・トールズ
ポール・トレンブレイ
デザイナーズチャイルドみたいな話と、閉鎖環境みたいな話。デザイナーズチャイルドは前に読んだ中国の作家さんで、無理に出生枠に高額払ってねじ込んで生まれた子供が特別枠扱いで障害児だった、という話の方がインパクト強かったな。途中からのバーの話が挟まって正直あまりよくわからなかった。もう一つの閉鎖環境の話も途中でちょっと停滞しちゃいました。
アンディ・ウィアー
カジノやギャンブルってお話の題材になりやすいな~と思いました。ハッカーと会社のITセキュリティは紙一重、と言うような事を聞いたことがありますが、ギャンブルの乱数も同じようなものなのかもしれない。最後までどうなる?という感じですが、ラストのオチが良いですね。最後まで賭けにのるかそるか、というせめぎ合いが実にドラマチック。面白かった。 -
いやぁ、SFはやはり楽しいな
抜歯で口内に血の味が止まらない中での楽しい読書。冒頭の人工知能もの「夏の霜」といい、ラス前のクローンの物語「最後の会話」といい、とにかく楽しいね。