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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150123925

作品紹介・あらすじ

〔ヒューゴー賞受賞〕アンディ・ウィアーやN・K・ジェミシンなど、6人の人気作家が未来を描く珠玉のアンソロジー。全篇初邦訳

感想・レビュー・書評

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  • 現代作家によるSFアンソロジー
    最後の乱数ジェネレーターは付いてけなかった

  • 「すべてを平等に愛することはできない」「そんなことは無理よーーできるとしたら、それは何も愛さないのと同じ。だから、ほんのひとつかふたつでいいから大切なものを持たなければならない、それが愛というものだから。特別で。かけがいのないもの」


    「残りの五十年が賢くあるためなら、ろくでなしの三十年ぐらい、わたしならなんでもありませんよ」

  • 「夏の霜」ブレイク・クラウチ
    人工知能モノ。最初は世界観が飲み込めなかったが、ゲームだとわかり、そこからは新しい人工知能の誕生にワクワクした。主人公が女性でレズビアンなのがイマドキ。でも子育てや夫婦?仲がうまくいかないところは普遍的。
    主人公と一緒になってマックスに騙された。ブライアンを殺すところはゲームと一緒だったな。
    “喉の奥に金属の味がする。”の絶望感が良かった。
    AIに愛された人類はAIのようにされてしまうのか。

    「エマージェンシー・スキン」N・K・ジェミシン
    宇宙人モノ。はるか昔に分化した地球人類だが。
    温度差がシュールで笑ってしまう。一大隠密プロジェクトのはずが、地球の人には筒抜けで、任務に気負っていた主人公がだんだん馬鹿らしくなっていく気持ちに同調できた。
    与えられた環境と支配の声に疑問を持たずに言いなりになるなということなんだろうな。

    「方舟」ベロニカ・ロス
    終末モノとして、最後に残った人間の動向が面白い。植物学者。新種のランの発見。それまでの会話と父と母の記憶で、残るのではなく旅立とうと決心したのが良かったな。希望が生まれた瞬間。

    「目的地に到着しました」エイモア・トールズ
    デザイナーズベイビーモノ。
    家族単位での個人のモノとして考えてたら国家が軍事的に介入していたというオチというか、設定。
    自分が子供に望むように国家が国民に望んでいる。
    IFを3つ見られたのが面白かったし、成長段階を分けていたのも面白かった。奥さんはこれから過渡期で変化前、自分は変化後。変化によってどうなるかわからない不安定さも良かった。

    「最後の会話」ポール・トレンブイ
    クローン人間像モノ。アンが、アンのホームビデオは何回も見たが最後は数回しか見てないということは、そこまで成長出来たものも数が少ないのかな、と考えた。記憶を引き継いでも、彼は彼であるが自分自身ではないという感覚が面白いな。
    でもアンが必死になってクローンを作り出すのはわかってしまう。

    「乱数ジェネレーター」アンディ・ウィアー
    量子コンピューターモノ。
    面白かった。カジノに限定しての攻防と最後の駆け引き。短いながらも緩急あって面白かった。さすが。

  • 2023-05-26
    未来、という緩い括りなので、収録作はバラエティ豊か。あまり楽しい話はない。唯一ウィアーだけがある意味お気楽なゲームを描いていて、この中では浮いた感じすらある。
    好きなのはクラウチ「夏の霜」かな。あくまで好みの話。

  • 「夏の霜」の結末が恐ろしい。「エマージェンシー・スキン」は個人的に合わなかった『第五の季節』と同じ作者の作品なので不安だったが、こちらは面白かった(短編は合うのかも?)。「方舟」は全編に満ちた静謐さと結末の温かさが良い。「目的地に到着しました」は近い将来に実際に起こりそうと思わせるリアリティがある。「最後の会話」は状況が見えてくるにつれて面白くなる。「乱数ジェネレーター」は危機的状況をどう切り抜けるか見えなくてドキドキした。

  • アメリカが誇る実力派SF作家の中編集。
    仮想空間内のキャラクターが人格を持ち始める編者クラウチの「夏の霜」から始まり、今や泣く子も黙る、飛ぶ鳥を落とす勢いのアンディ・ウィアーの量子コンピュータでカジノをハックする「乱数ジェネレータ」で締める。どれもモダンでキャッチー。イマドキのSF。退屈な小片などひとつもなかった。
    SF的素養はいらない。ほんの少しの想像力で豊かな読書体験ができる。よかったなー。

  • SFアンソロジー
    1作読むと、少し余韻に浸りたいので次の作品に取り掛かるまで少しインターバルが必要で読了に時間がかかりました。
    未来とか技術発展というテーマでのアンソロジーみたいです。

    ブレイク・クラウチ
    初めて読んだ作家さんかも。ゲーム内のNPC?でしたっけ?の話。それにしてもAIとか人工知能に対する人類の潜在的な恐怖心、というのは面白いテーマだな、と思いました。掃除機やドライヤーは怖くないけれども、AIは怖いんだな~とか。そして、人類が他の生物や無機物に対して良かれと行っている改良を、人類以外の存在が人類に施すのも恐怖なんだな、とか。そういう視点で読むと面白かったです。お話自体は、まぁ、うん。

    N・K・ジェミシン
    第五季節でしたっけ?の人。面白かった。視点が外に逃げて戻ってきた尊大な存在視点なのが。これを現代社会をモデルにしているとしたら随分露悪的だ、と言うような事があとがきにありましたが、女性の進出に関して先進国に後れを取っている日本はあまり言えたことじゃないよな~と思いました。

    ベロニカ・ロス
    ノアの箱舟未来版、と言うような話。全体的に暗い。まぁ地球の終わりだから仕方ないけど。未来の発展で出てくるテーマが明るい未来が想像できないってのは何というか、読んでいてつらいものがありますねぇ。

    エイモア・トールズ
    ポール・トレンブレイ
    デザイナーズチャイルドみたいな話と、閉鎖環境みたいな話。デザイナーズチャイルドは前に読んだ中国の作家さんで、無理に出生枠に高額払ってねじ込んで生まれた子供が特別枠扱いで障害児だった、という話の方がインパクト強かったな。途中からのバーの話が挟まって正直あまりよくわからなかった。もう一つの閉鎖環境の話も途中でちょっと停滞しちゃいました。

    アンディ・ウィアー
    カジノやギャンブルってお話の題材になりやすいな~と思いました。ハッカーと会社のITセキュリティは紙一重、と言うような事を聞いたことがありますが、ギャンブルの乱数も同じようなものなのかもしれない。最後までどうなる?という感じですが、ラストのオチが良いですね。最後まで賭けにのるかそるか、というせめぎ合いが実にドラマチック。面白かった。

  • いやぁ、SFはやはり楽しいな

    抜歯で口内に血の味が止まらない中での楽しい読書。冒頭の人工知能もの「夏の霜」といい、ラス前のクローンの物語「最後の会話」といい、とにかく楽しいね。

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