- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150124045
作品紹介・あらすじ
ポールが星間帝国の玉座について12年。ベネ・ゲセリットや航宙ギルドらが陰謀をたくらむが……。壮大な未来叙事詩第二部を新訳で
感想・レビュー・書評
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フランク・ハーバートによるSF大河、『デューン 砂の惑星』の続編。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画化作品の前編が公開され、後編が待ち遠しい今、「もしかしたら続編の新訳(or旧訳重版)が出るかも?」と期待していたら、やってくれました我らがハヤカワさん。ということで、読んでみることに。
前作で、精強な砂漠の民<フレメン>を率いてハルコンネン軍と皇帝直属の親衛軍<サーダカー>を打ち破り、皇帝の娘(プリンセス・イルーラン)を妃にして皇位の座に就いたポール・ムアッディブ。彼を伝承にある救世主<リサーン・アル=ガイブ>と妄信するフレメンは、聖職省から教導団を宇宙各地に派遣して聖戦を敢行、ポール帝の下に人類を一つにした。
そんな圧倒的支配の中、ポール帝によってその権力を奪われた旧勢力(ベネ・ゲセリット、航宙ギルド、ベネ・トレイラクス)と、皇位の座に就くための道具としか扱われず、忸怩たる日々を過ごすポールの正妃イルーランは、ポール帝に対する陰謀を企てていた―――。
前作で<クウィサッツ・ハデラック>の力で「アトレイデス家を旗印に、狂信的で戦火と流血に塗れた宇宙規模の"聖戦"が繰り広げられる未来」を"視た"ポール。その未来予知のとおり行われる、フレメンによる聖戦。ポールには、まだ血に塗れた未来しか"視えない"。
そんな中、航宙ギルドから偶人<ゴウラ(=本人の死体から復活させられた存在)>が献上される。その姿形と言動は、先の戦いで命を落としたアトレイデス家の家臣で、ポールの剣術指南役であったダンカン・アイダホそのものであった。何かの策謀だと理解しつつも、ポールはこの"旧友"の姿をした<ゴウラ>を受け入れる。揺れ動くポール、そして妹のアリア。この選択がどのような結末を辿ることになるのか―――(後編へ)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レビューは下巻にて。
・・・これは、狭義のSFには該当しないですね。政治劇で台詞劇、まるでギリシャ悲劇のようです。陰鬱な雰囲気のまま、下巻に突入。 -
新皇帝の栄華や民衆の熱狂なんかが描かれると思っていた自分の想定は全く甘かった。
苦手なSF、超絶独特の世界観・心理表現、私的には前作Duneよりも更に難解なセリフ回しや精神戦描写で全くサクサク読み進められないが、内容としてはとっても面白い。
前作を読み終わって今作を購入するまでの数日間、
あんなに『早く続きが読みたい』と思って待った自分にもビックリした。
来春、映画『DUNE: PART TWO』が公開されたら、また映画の画像使用ver. の表紙で発売されるのかな?そしたらまた買っちゃうな。監督はこの続編がベースのパート3やりたいと言ってたけど、是非それで!あの世界観・あの俳優たちでのトリロジー完結観てみたい。 -
「デューン」シリーズの2作目。数年前に1作目を読んで忘れかけていたところ、2作目が新訳版で出版されたので読んでみた。しかし、独特の世界観、独特の心理戦描写など、すぐに思い出すことができた。
フランク・ハーバートの政治哲学が見事に描かれている。誰からも尊敬される統治者、弁舌巧みに民衆を惑わす統治者、こういった連中のために我が国も深い傷を負うことになったのだが、そのことが上手く描かれている。「XXをぶっ壊す」とかそういう威勢のいいことを言うやつのために我々がどれだけ深い苦しみ悲しみを背負うことになったのか、そのことが上手く描かれている。こういう連中にのせられるのはたいがい本を読まないバカか女と相場が決まっている。ヒトラーを崇拝していた者の大半は女だったそうだ。その意味でバカと女も有害である。殺害された元首相よりもこういった連中の方が罪深い。こういう口の上手い連中はtwitterでも幅を利かせているのだが、本当に有害である。こういう連中もたいがいバカか女である。重要なのは人の話をよく聞く謙虚さであろう。 -
半分読むのに1年かかってしまった…
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DUNE映画化した時に新訳版出ないかなぁと思っていたらいつの間にか出ていた。相変わらず面白い!
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好きなシリーズの続編。
これ読む前に、前作を読むべき。はっきりいうと、話の内容がわからないと思う。
今回新たに出てくるのはフェイスダンサー。このグループがもくろむ陰謀と、その標的にされる主人公。陰謀を企んでいる側の視点も描かれているので、少し主人公に感情移入することが難しくなったか。 -
前作より同時代感があり、ベトナム戦争時代の米文学という印象を受けた。アラビアのロレンスやオイディプス王にも似た構造をしている。前作よりむしろ面白いのでは。