天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-12)

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150309886

感想・レビュー・書評

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  •  書き下ろしSF全10巻の2巻目。
     植民星における反乱を描いた1巻目からガラっと舞台が変わり、現代の地球に起きたリアルなパンデミックをまるまる描いている。この話から1巻目の世界にどうつながるのか、だいぶ距離感があるが、逆に壮大なストーリーを予感させてくれる。
     本書単独でもパンデミックものとしては、よく書けている。感染者に対する心情や公共の感染対策などリアルだ。が、ストーリーにのめり込みそうになったところで、突然、地球外生命体の存在が匂わされ、このストーリー全体が大きな伏線の一つであることを実感させられた。

  • 作家さんすごい。元々わたしのすきな災厄ネタ絡んでいるっぽくて気になるなあと1を読んだら、思っていたよりSFっぽいけどそれはそれでとりあえずおもしろいな〜と2に入ったら、待ってましたーーーの災厄ネタいきなり振り切って、それがまためちゃくちゃ濃くておもしろいって。いやあ、すごい。どうなってどうまとまるのか。読み進めます

  • ぐいぐい引き込まれて一気読みした。どうしても今の実際の日本と比べてしまう。物語では有能な人間が活躍しているのに、現実の日本ときたら…という感じで。
    圭伍と千茅の今後の関係が気になる。いや、全員が気になる!

  • パンデミックに圧倒される。しかも1巻とうって変って、こんなにかけ離れた話を完璧に独立した話として成り立たせるとは。とても自然で違和感のない話。それでいて、謎は深まるばかり。

  • 2巻は一転して現代でのアウトブレイク。1巻で書かれていた単語がちらちら出てきて面白い。特にフェオドールはびっくりした。800年も前のここからつながるんだ。

  • 64:1巻の数百年前、始まりにあたる物語。「冥王斑」のパンデミックに立ち向かう医師の児玉、矢来、そして日本人初の回復者である千茅の物語。シビアで容赦ない展開ながらも、緻密なドキュメンタリーのようでめちゃくちゃ面白かったです。縄張り争い、回復者への差別、感染の拡大、どれもリアリティがあって、ページをめくる手が止まりません。回復者差別は特に重厚で、でもフィクションだと言い切れない薄ら寒さがつきまといます。1巻との関連や、フェオドールの行く末などが明かされるのを楽しみに、3巻に進みます。
    単独でも読めるので、SFが苦手な方にも医療ものフィクションとしてお勧めしたいなあ。

  • 今回はSFではなかったがこれはこれで面白かった。伝染病やロボットなど1巻に登場したキーワードが出てきたが、今後どうなっていくのか。第3巻も読みたい。

  • 篠田節子の「夏の災厄」を彷彿とさせる内容。そして出発点。

  • 宇宙SFであった1巻からガラリと変わり、現在の地球を舞台としている。未知のウイルスにより引き起こされるパンデミックを見事な筆致で描き出しでいる。登場人物もそれぞれ魅力的であり、リーダビリティは高い。読んで損はない本だ。

  • 1巻(メニー・メニー・シープ)から読み続けると、?
    「あれ、現代?」、しかも内容がコロナ禍と似ている。かなり前に書かれた小説なのに。
    お話しは読みやすく、1のある登場人物に繋がるんだろうなと想像できるが、2010年代の地球と2803年のメニーメニーシープまで800年がどう繋がっていくのか、これは楽しみ、次巻を早く読みたくなります。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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