日本SF短篇50 IV 1993-2002―日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー (ハヤカワ文庫 JA)
- 早川書房 (2013年8月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150311261
作品紹介・あらすじ
宮部みゆき、菅浩江、北野勇作ら90年代の作品を中心に精選。オールスター傑作選第4弾
感想・レビュー・書評
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日本SF短篇50 IV 1993-2002―日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー (ハヤカワ文庫 JA)
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SF。短編集。アンソロジー。
良い作品が多い。
「くるぐる使い」「海を見る人」は既読。「操作手」も読んだかも。
個人的には「海を見る人」を楽しめただけでも十分に価値のある一冊でした。
大槻ケンヂ「くるぐる使い」
再読。何で読んだんだ…?不明。超能力もの。個人的にSFというよりもホラーだと思う。どちらにせよ素晴らしい作品。
藤田雅矢「計算の季節」
植物SF。園芸関連の本を何冊か読んだことのある作家さん。小説は初。優しい雰囲気。
小林泰三「海を見る人」
再読。時間SF。ボーイ・ミーツ・ガール。初読時は好きではなかったが、良さが分かった。2度目で世界観を理解できたからか。傑作ですね。
藤崎慎吾「星に願いを ピノキオ二〇七六」
SFサスペンス。人工知性。ウエットウェア。設定がなかなか面白い。もう少し読みたかったな。
北野勇作「かめさん」
夫婦の平和な日常と亀。なんでコレで立派なSFになるのか…。やっぱり不思議な作家だな〜。
他5作品。 -
大槻ケンヂの「ぐるぐる使い」は読んでいて恐ろしくも悲しくなる物語。「マニュピュレーター」や「星に願いを」はいかにも近未来としてありえそうなホラー的な作品。特に「星に願いを」は表題からは想像し得ないが、今後もあっても不思議はない不気味な作品だった。ウエットウェアの考え方は面白いが、そら恐ろしい。
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書店
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本書は、日本SF作家クラブ創立50周年を彩る記念アンソロジーの第4弾です。1993年から2002年に発表された10篇を収録。この頃は、SFというか小説そのものに興味がなかったので、そういった時間を過ごしていた裏側でどんな作品がSFのなかで話題になっていたのか、興味を持ちながら読んでいました。
ハードSFな世界観が魅力たっぷりで、短編のボーイ・ミーツ・ガールものとしても秀逸な小林泰三「海を見る人」。これは既読でしたが、改めて読んでもおもしろい。
いわゆる昭和的な日常風景にありながら、物語の底流は、壮大かつ退廃的な未来社会がなしている北野勇作「かめさん」や菅浩江「永遠の森」など、これまで読んだ作品に決して見劣りしない作品に楽しめました。
が、残念ながら、これまで読んだ第1弾~第3弾に比べると、どうしてもインパクトが感じられませんでした。なんでかなぁと考えていたら、SFが生活に溶け込んだ作品が目立つんですね。SFらしさの上に生活が成り立つのではなく、生活の延長線上にSFらしさを取り入れるというか、そこでは、SFは主であるように見えて、主ではない。あくまでアクセントです。
特にこの時代から、といったわけではないでしょうが、SFが普遍的な要素として世の中に広く浸透していることがよく解るラインナップだと思いました。
▼以下、収録作品
1993年:くるぐる使い 大槻ケンヂ
1994年:朽ちてゆくまで 宮部みゆき
1995年:操作手(マニピュレーター) 篠田節子
1996年:計算の季節 藤田雅矢
1997年:永遠の森 菅浩江
1998年:海を見る人 小林泰三
1999年:螺旋文書 牧野修
2000年:嘔吐した宇宙飛行士 田中啓文
2001年:星に願いを ピノキオ二〇七六 藤崎慎吾
2002年:かめさん 北野勇作 -
ざっくりと。
大槻ケンヂ「くるぐる使い」退廃的な美しさを感じずにいられない流石の世界観。篠田節子「操作手」いつもならこういう女っぽい作品が苦手ですが面白かった!ドロッとした「女」「性」が少女に帰っていくような描写が美しい。
藤田雅矢「計算の季節」牧歌的。井上陽水の少年時代のようです。田中啓文「嘔吐した宇宙飛行士」面白いよ!!こんちくしょう!!ピザ食えなくなるよ!(笑)藤崎慎吾「星に願いを ピノキオ2076」初読の作家さん。今回これが一番好みだったかな。他の作品も読もうという気持ちになりました。北野勇作「かめさん」かわいいそして全体的に漂う不安と切なさ。 -
90年代日本SF短編。このころになるとだんだん好みとの乖離が激しくなってくる作品が増えてきて、日本SFから離れてきたころなので読んだことのない作家さんが増えてきます。大槻ケンヂ「くるぐる使い」は異様な迫力に満ちた作品で印象的です。篠田節子「操作手」も介護という現代的なテーマです。
サイエンスとしてとんがっていたり大きな飛躍があるわけでなく、日常の中に溶け込んだ作品が多くなってきている印象です。スピリチュアルな感じが多くなっていてファンタジー色が濃くなっているのも、SF者としては少し距離を置いてしまう理由かもしれません。下ネタ物も不愉快なだけで意義も見出せません。何に対する挑戦なのでしょうか。
Vで最終巻ですが、不安と期待が入り混じりつついつ読むか迷っております。ついていけるでしょうか・・・ -
SF小説を読むのは難しいなあ。
なかなか理解しがたい。頭に入ってこない。
私には無理かも。
その中でも大槻さんとか宮部さんのは読みやすくて面白かった。