開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)
- 早川書房 (2013年9月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150311292
感想・レビュー・書評
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溜息がでるほど美しい装丁とタイトルですね。
自分の皮で本をつくったら、内容はミステリーにしてもらおう。そして金の箔押しを。
ダニエル先生と弟子の子たちのやりとりが微笑ましい。
「隠せ!」から始まるやりとりにずっとニヤニヤ。解剖ソングが可笑しくて哀しい。
なんともやり切れないラストなんだけど、でも!
愛してる、愛してるよ!
こんな素敵な本格ミステリを、いやいや読ませていただき光栄です。-
musicarossoさん、お邪魔します。
素敵なレビューだったので、つい。
その作品の装丁、綺麗ですよねえ。もし、自分が解剖されたなら...musicarossoさん、お邪魔します。
素敵なレビューだったので、つい。
その作品の装丁、綺麗ですよねえ。もし、自分が解剖されたなら・・・なんてネイサンみたいなことも考えてしまいますし。
そして、最後のエドとナイジェルのあのセリフ。「愛してる」しびれました。
共感するポイントが一緒すぎて、コメントをいれずに入られませんでした。2014/01/31 -
ありがとうございます。
とっても嬉しいです!
何を書いてもネタバレになりそうで、でも愛してるだけは伝えなきゃと思いました…!
素敵なコ...ありがとうございます。
とっても嬉しいです!
何を書いてもネタバレになりそうで、でも愛してるだけは伝えなきゃと思いました…!
素敵なコメントをいただき光栄です。2014/02/01
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十八世紀のロンドンが舞台。
法医学や筆跡鑑定等の科学捜査は、まだまだ未発達な上に、警察組織も確立されていない状態の頃です。
そんな舞台設定なのに、きっちりとミステリ。
しかも、事件は二転三転して、最後の最後に、まさかの「やられた!」感。
ミステリ部分そのものもとても面白いのですが、ダニエル先生をはじめ、彼の弟子のバートンズが、すごく良いのです。
悪い人は、とことん悪いのだけれど、正義を貫こうとするサー・ジョンや、盲目の彼の目の役割を担う、姪のアン、銀行のヒューム氏等、良い人も多いです。
併録されている前日譚の短編も、面白かったです。
バートンズの絆にほのぼの。
鬘をもう被らせてもらえなくなって、しょんぼりするチャーリーも可愛い!
本編とは全く関係ないのですが、ダニエル先生の容姿についての描写を読んでいて、昔、山城新伍氏が映画解説で、ジェラール・ドパルデューの事を、「じゃがいもみたいなおっさん」と言っていた事を思い出しました。
なので、何となく、ダニエル先生は、ジェラール・ドパルデューみたいなイメージです。
そう言えば、ジェラール・ドパルデューは、ヴィドック役をしていましたね。 -
文句なく素晴らしい!!!でもこの本は実は一度途中でやめてた。それというのもやはり皆川さんの描くペダンティック的文体(悪口ではないつもり)には、描く世界の前知識がないと若干辛いのですよ。ところが奇しくも「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」を読んだ後に読み返し始めたら、面白いこと面白いこと。本作の主人公ダニエル・バートンは明らかにジョン・ハンターがモデルであり、実在の彼を取り巻く人々、兄や最愛の弟子たち、そして当時の習俗がこれでもかと描かれており、伝記を読んでいた身としてはあちこちでニヤニヤできるという。いやホント、まずジョン・ハンターについてしっかり知識をつけておくことで本書を読む楽しさが何倍増にもなるのでオススメですよ。
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物語は面白いのだけれど、期待しすぎた為か途中から飽きてしまった。時代背景など丁寧に書かれていて良かったが、登場人物の多さや名前の長さが読み進めるにつれてやや面倒…。
続編が気になるものの、手に取るかどうかは悩ましい。 -
18世紀のロンドンが舞台。少し前に19世紀末のロンドンが舞台の作品を読んだところだったので、その空気感の違いに驚いた。本を開いている間は自分がロンドンにいるような錯覚を覚えるほど、丁寧に書き込まれたその時代の空気感が濃密な作品。他の方も言ってるけど、翻訳モノじゃないのが驚きでした。ミステリとしても結末にたどり着くまで二転三転する展開でとても楽しめました。登場人物も魅力的で、あの人がああなる結末に胸が痛みました。
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まだ解剖学が整っていない18世期ロンドンの
解剖教室で起こった、死体出現のミステリー。
隠した死体とは別に四肢が切断された少年と
顔が潰された死体の出現。
これだけやと王道ミステリーですが、
色んな時代背景や事件が絡まってて
一筋縄なミステリーじゃないところが面白い。
皆川博子さんの作品はその時代にも興味が持てて
毎回色んな発見をさせられます。
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重厚なミステリをがっつり読みたくなっていざ。当時のイギリスの生活風景や時代背景の描き方も緻密で豪華でとても贅沢。読ませていただき光栄です。
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きかせていただき光栄です。かと思って買って帰って、よーくみたら、ひらかせていただき光栄です。だった。タイトルが。18世紀のロンドン、解剖教室が舞台。
第12回本格ミステリ大賞受賞作だけど、ミステリなんだけど、ミステリとかそうじゃなくて物語がものすごく面白い。一気に読んでしまう。伏線が全部綺麗に自然に回収されていく気持ちよさ。キャラクターには思わず愛してしまう感じがあって、三転四転とする物語展開は全く飽きさせない。
すごいなあ皆川博子先生。すっかりファンです。 -
時代設定が面白い。
死体解剖黎明期のロンドン。解剖中の死体とは別に増える死体?!嘘に嘘を重ねて何が真実かわからないうちにあちこっちに思考を持って行かれて振り回されて。収まるところに収まって、ハッピーエンド?
パートンズのわちゃわちゃした掛け合いが緊迫感を緩め、楽しさに拍車をかけていて良かった。
ダニエル先生が中山七里の光崎教授に
エドとナイジェルが萩尾望都のエドガーとアランに
重なって見えた。