血と霧 2 無名の英雄 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA タ 14-2)
- 早川書房 (2016年7月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312374
作品紹介・あらすじ
ロイスに過去を思い出させた依頼。その先に待つ真実とは――血と記憶を追う冒険譚後篇
感想・レビュー・書評
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一生大切にしたいと思える、間違いなく私にとって宝物の作品になりました。表紙の綺麗な絵に惹かれたのがきっかけですが、この本を手に取った本当に良かった...!同著者の他の作品も読みたいと思います。
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切ない。
読み終わって、胸に抱きしめたくなるような物語だった。
確固たるオリジナルの世界観があるのにその説明が全くくどくどしくないのがすごい。
余分なものは極限まで削ぎ落とされたような書き上がり。だからこそ人物の心の揺れや台詞が際立つのかもしれない。
しかもその中でさりげなく張られた伏線がきっちりと回収される。
なんだろうこのバランス感覚は。
もっと長くこの世界に浸りたいという欲求と、いや、この小説はこれでベストなんだろうな……ああでも寂しい……という葛藤。それほど心に響くものがある幸せな読書体験だった。
この2巻はこれで素晴らしく完結したとして、とにかくこの世界線で別の視点の話が読みたい。 -
ねぇ、どうして。どうしてなの。
守らせてよ。
何のために大人がいるの。
君を守れなくてこの先どうやって生きていけばいい。
我儘でいいのに。
受け止めるために大人になったのに。
霧が深くて、あまりに深くて周りが見えない。
でもどこかに光があるから。
必ずあるから。手探りで生きていく。 -
14:悲しい、というよりは痛くて痛くて重かった。子どもたちが、幼いながらに自分たちの選ぶべき道を選び為すべきことを為す、そうせねばならないと追い込んだ多くのものと、生きることを諦めなかった登場人物たちの意志が尊くていとおしい。めっちゃ良かった……!
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久しぶりに心震える本に会えた。ずっと手元に置いておきたい特別な本だ。辛い運命を歩んだ登場人物が多かったけれど、精一杯生き、愛情という物を見つけられたその人生は短くとも暖かい光に包まれたものだった。恋愛、親子愛、友愛、こういった確かなものを知り得た者は、大人だろうと子供だろうと立場貧富にかかわらず強いなと思った。
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子供たちの運命が過酷。大人たちがもうちょっと何とかしてあげられたらと思わずにいられません。
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「血」がすべてを決める世界で生きる人たち
かなり作り込んだ世界観で大変好みでした。
ラストまで容赦ない展開でとてもよかった。