血と霧 2 無名の英雄 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA タ 14-2)
- 早川書房 (2016年7月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150312374
感想・レビュー・書評
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一生大切にしたいと思える、間違いなく私にとって宝物の作品になりました。表紙の綺麗な絵に惹かれたのがきっかけですが、この本を手に取った本当に良かった...!同著者の他の作品も読みたいと思います。
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切ない。
読み終わって、胸に抱きしめたくなるような物語だった。
確固たるオリジナルの世界観があるのにその説明が全くくどくどしくないのがすごい。
余分なものは極限まで削ぎ落とされたような書き上がり。だからこそ人物の心の揺れや台詞が際立つのかもしれない。
しかもその中でさりげなく張られた伏線がきっちりと回収される。
なんだろうこのバランス感覚は。
もっと長くこの世界に浸りたいという欲求と、いや、この小説はこれでベストなんだろうな……ああでも寂しい……という葛藤。それほど心に響くものがある幸せな読書体験だった。
この2巻はこれで素晴らしく完結したとして、とにかくこの世界線で別の視点の話が読みたい。 -
文字通り血の持つ能力が、その人の貴賎を左右する世界の物語。
血は、情報にも武器にも、もちろん金にもなる。
高い能力を持つ王族が君臨し、力を持たない者は、蹂躙される。
主人公は、人生のすべてを失い、最下層で生きながら死んでいるも同然の生活を送っていたが、ある少年の捜索を機に、人生の意味を取り戻し、王家をめぐる陰謀に巻き込まれる。
久々に大当たりのファンタジー。
2巻で終わりなのが惜しいくらい。