図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語 (ハヤカワ文庫 NF 365)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503659

感想・レビュー・書評

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  • 1988年、アイオワ州スペンサーの公共図書館で、返却カウンターに放置されていた赤茶の猫を飼い始めたことからはじまる18年間の物語。
    単に猫を放し飼いにするのではなくて、図書館協会や猫アレルギーの利用者ともうまく折り合いを付けながら、図書館全体(館内)で飼う。
    市民利用者は増加し、次第に話題となり遠方からもデューイに会いに来る観光客も増加。
    日本を含めた海外からもメールや手紙が届くようになり、スペンサー自体の知名度も上がった。
    デューイは、来館者を見極め、弱い人に寄り添い、図書館を守る意志があった、特別な猫。
    筆者は元図書館長。逆境と病気に負けず生きてきた、彼女自身の自伝でもある一冊。

    アメリカの図書館のありようにも驚く。
    講座を積極的に開催し、障害児対象のクラスも開催し、ゲームソフトも所蔵しているらしい。
    一方で、図書館理事会もきちんと存在し、猫を飼うことの是非も、審議を経て決定する。
    飼い始めてからも、筆者は慎重で、費用はすべてスタッフの募金と館長のポケットマネーで賄うし、休暇は家に連れ帰り、最期まで責任を持つ。
    全米の「図書館猫協会」もあるようだが、だからといって猫がどの図書館でも大歓迎されているわけではないらしいあたりが、アメリカの素晴らしいところではないか。
    理事会メンバーについても皮肉っぽくしかしきちんと言及されていて、アメリカの文化やリベラルのありようも伝わる作品。

  • 映画化は楽しみ。

  • 2013/04/02読了。返却ボックスに入れられていた子猫と図書館長さんの物語。ネコの物語としてはもちろん、アメリカの図書館のようす、女性のキャリアと家庭など、いろいろな側面が描かれていた。最後は涙を流してしまいました。。。

  • 図書館の返却ボックスに潜り込んでたモフモフの子猫…!この猫が図書館や街をどんどん幸せにする実話!図書館と猫の組み合わせ!デューイのわかってる感!書き手の意外と深刻な身の上話!2008年に映画化決定とのニュースがありながら続報の無さ!写真もあるよ!にゃんにゃんにゃーん!

  • 猫好きなので読みました。
    少し古いのと、訳が少しアレなので何言ってるのか意味わかんないところもありますが、
    まあとにかく猫が王様でカワイイので許す。
    動物と一緒に暮らすというのは、人間にとってはカメとか以外は
    自分より早く逝ってしまうわけで、そこら辺は辛いんだけど
    心の準備としては良かったです。

  • ブクログ談話室の書き込みで知り、「図書館」と「ねこ」にひかれて購入した

    アメリカ中西部・スペンサー公共図書館の返却ボックスの中に入れられていた猫と、館長である著者を軸に描いたエッセイ
    アメリカでは図書館ねこは珍しくないらしいが、とりわけデューイが好かれる理由は、知的で社交的、そして程よい距離感をわきまえているからだろう
    本当に?と思うようなエピソードもあったけれど、やっぱりデューイは特別だったようだ
    デューイが一つの象徴になり、地域の人が図書館で資料だけでなく色色なモノと繋がることができたことは、図書館としても良かったのではないだろうか
    いい司書と図書館の改装についての記述も、興味深い
    はじめデューイの危機を著者が救い、その分のお返しが著者の波乱の半生に共にあることだったように感じた

  • 猫好きでもあるし、主人公「デューイ・リード・モア・ブックス」クンと同じ赤猫を以前飼っていて、思い入れがあったため、本を知るなり購入。
    デューイクンを見つけた図書館館長さんのエッセイで、彼女の過酷な人生模様とともにいかにデューイくんに救われたか綴られていますが、いまひとつ自分の中で盛り上がらないうちに終了。
    ただ、今共にくらす母・娘猫サマに、一層の愛情を感じるようになったし、別れを想像し、今共に過ごせる時間を大切にしようと感じました。すべての物事は、「当たり前」ではなく、それは「奇跡」なんだなぁと。。。。思いました。

  • 茶トラ好きにはたまらない表紙。そういえば図書館って最後に利用したのいつだっけ…。こんな猫に会えるのならば、仕事帰り毎日でも通うかもしれません。

  • 猫は大好きだが図書館学を勉強しているせいか、図書館の存在意義に疑問を感じてしまうところもあった。少なくとも図書館に猫がいることで猫アレルギーの人は図書館が利用できないではないか、と。
    いかにも英語の翻訳っぽい文章が少し読みにくかった。
    個人的にヴィッキーがあまり好きになれない。自信過剰では?欧米人ってこんなかんじなのか。デューイは可愛いが甘やかしすぎて健康問題が悪化するのと夜図書館に置いていくのはどうかと思った。が、最後まで図書館にいれるようにしたのには感嘆した。ディーイはいい飼い主さんに見つけてもらって本当に良かったと思う。

    追記:アメリカの図書館では結構普通に図書館猫がいるらしい。日本では無理だが、本と猫は昔から相性がいい気がする。

  • アメリカ、アイオワ州スペンサーの町で実際に生きた図書館に暮らす猫の話。
    凍えるような冬の朝、スペンサーの町の図書館の返却ボックスの中で子猫が見つかった。その猫デューイは街の人々の心のよりどころとなっていく。

    まず、このスペンサーの街がとても特徴的です。
    開拓者の街。独立不羈で、街に誇りを持ち、進歩的ではないが、力を合わせて困難を乗り越えていく人々がいる街。生きて、機能している実際的な街。こんな風に、自分の暮す街を愛し、誇りに思っていますか?信念を持って、自らの手で街を作ること。誇りに思えないとき、街にデューイがいてくれたらと思わずにはいれません。

    そして著者ヴィッキーマイロンの半生。事実は小説よりも奇なりといっては失礼ですが、彼女の人生は波乱の人生です。
    「でもママ、それが人生よ」

    小説よりも深みを感じる、一つの街と一人の女性と一匹の猫の物語。

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