悪童日記 (ハヤカワepi文庫 ク 2-1)

  • 早川書房
4.13
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本棚登録 : 7183
感想 : 785
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200021

感想・レビュー・書評

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  • 生々しい描写。戦争って気持ち悪い。

  • 個人的には、読むのがきつい内容でした

  • なんて読む手の止まらない文章だろうか。

    ぼくら、が事実のみを作文にする。
    ここまで読むとエセ理系はそこに痺れる憧れる、次はどんなクールを見せてくれるんだい?手が止まらねえ状態に陥る。

    戦争下での悲惨さ、過酷な状況で生きる子どものたくましさ、適応した感情の起伏に心が打たれるとか言って人にオススメもしやすい。
    ただし本心では厨二心が揺さぶられまくっている。

    いやこれ続編ってどうなるのさ、ラストの鳥肌回収できるの?気になってしょうがない。

  • 図書館本

  • 事実が淡々と書かれてて、感情については一切触れられていないのに、感情移入してしまう、そんな不思議な本やった。

  • 凄い
    ガンガンと引き込まれた

    淡々と戦火の影響を受ける日常を逞しく生きる子供視点で描かれていたが、それが逆に恐怖に感じた

  • 面白い。
    淡々と語られるが内容は非常に怖い。最初のうちは変な双子と感じるが段々と引き込まれハマっていく。戦争中の話だろうが悲惨さよりは子供の非情な逞しさを感じた。

  • 舞台は第二次世界単線中のハンガリー・・・らしい。
    祖母の家に疎開した双子の視点から、感情もなく淡々と事実だけが告げられていく。
    それでいて双子が司祭館の女中を殺した心情や父親を盾にした理由が理解できた。
    ただ性描写が露骨すぎで、、、そこだけは気持ち悪かった。
    ラストはどうしてなのか?続編読んだら分かるかな。

  • こ、こわい…
    解説を読んでようやっと、非感傷性、個の強靭さ、けれどもニヒリズムでもナルシズムでもない、という点がこの作品の魅力の一部と理解したが…
    それでも戦争下の、貧困のなかの性や暴力や非情さがこわかった…
    アゴタ・クリストフ

    2022.02.01

  • 精神の到達とは、この子達のことを指すのかもしれない
    何事にも恐れず、動じず、喜びさえも統率された感情の一つにすぎない
    だが、統率されすぎた精神は、周りの人間から見ると、もはや感情がないように思え、気味が悪い
    子供達には人への敬意もあるが、残酷さもある
    だが、それは周囲には理解されない
    彼らも理解されようとは思わない
    自己認識が高まるほど、周囲への共感の必要がなくなるように思える

    カミュの異邦人に近いものを感じた

  • 1つも固有名詞が出てこない。
    人名さえも出てこない。
    常に違和感のある文章。
    ふわふわした不思議な双子の関係。ただ、双子といってもまるで1人のように振る舞っている。
    淡々と記録されている。そんな感じだった。
    ただ最後のシーンは衝撃を受けた。
    続編の「ふたりの証拠」も読みたいと思う。

  • 独特な文章だな。が第一印象。
    理由は途中で分かる。
    この日記(作文)は、"ぼくら"が意図して、精確さと客観性に欠ける言葉(感情とか)の使用は避けて、真実の忠実な描写だけを書いたものだから。各作文は用紙2枚分。
    読者は起きた事実だけを読んで理由や感情は想像するしかない。
    ラストが衝撃すぎる!

    2021.9.24 読了 備忘録

  • 双子の特有の行動ルールが日記的な体裁を取ることで文体にもあらわれている。引き込まれる。
    ドイツに侵攻された国でのちロシア軍に解放される地域というのは読むに従いなんとなくわかってくるが、モデルはハンガリーらしい。

    おかあさん 砲弾に被弾して死亡
    おばあちゃん 双子をなかばおしつけられる
    兎っ子 隣家の少女
    隣家の婦人
    将校 間借り人
    従卒
    司祭様
    司祭様の女中 かまどで爆死 なせ?
    老紳士と従姉妹として匿われる少女
    おとうさん 越境じゃ爆死

  • 4時間


  • 読書好きの彼のおすすめのひとつ。

    双子のその世界で生きている事実だけがそこにある。主観的な?感情は描かれてない、けど、ぼくらの行動にはしっかりと表れている印象。だから私からしたらぼくらはその時代をちゃんと見つめ続けた人だと思った。
    二人が何をどう見て、聞いて、考えて生き抜いていく。あまりにも残酷な状況の中でちゃんと個として自立をして成長していく姿に日々ぬめっと生きている自分が映る。

    とても読み易いためすいすい進んだ。
    ハッとしてしまうことが多かった。色んなことが書かれているが特に人の死について二人が取る行動には考えさせられた。その二人がその人のことをどう思っているのか。時に愛を持って、時に利用して。

    とにかく私たちは考えなければならないのだと思った。例えば人が死んだら世間体やなんやらを気にして一般的にやられている手順をただ〝みんなそうしているから〟という理由だけでやる。ということではなく、なぜ今自分はこれを選んだのか、なぜ自分はこの人を弔っているのか、とか。やることを考えなければならない。

    ただ流されてはいけないと私は今思う。

  • 衝撃的な作品だった。

    「ぼくら」には主観的な感情表現がないので、このときに彼らは何を思って行動したのだろうとか色々想像しながら読み進めてしまいました。

    読み終えた時のなんとも言えない気持ちで、今も過ごしています。

  • 読み始めてしばらくすると「絵本」のように思えてきた。絵のない絵本。子供向けという訳ではない。「大人のための寓話」と評する本書の解説を目にして、なるほどと手を打った。

    戦時を舞台とする本作には重く、深刻なテーマが随所にあふれている。にもかかわらず淡々とした調子で物語が進んでいくのが面白い。

    主人公の双子を始め個性的な登場人物たちの名前が一切出てこないのは、「ぼくら」が名前を尋ねなかったということなのか。名前を知って生身の人間としての存在感が急に増すことがある。「ぼくら」がそれを避けたことはあり得そうだ。

  • 映画を見てからのこの原作読破。翻訳物なので、表現の訳出など苦手意識もあったけど、少年の書いたものというベースだからか、読みやすくて助かった。とにかく徹底して主観や感情を排除し、誰が読んでも一つの解釈しか持たないように起こった事実のみを書き連ねていくことを信条とした生存実録記録で、あるいは日記と言いたいとしたなら、異質なという形容詞を付けざるをえない内容だが、彼らの行動は自分には全て、make total sense と言った感じで、読んでて共感すら覚えてしまう。

    別々になることは拒否してきた2人が最後あまりにもあっさり道を分かつことで、続編への興味を煽られる。
    冷戦へのメタファーなのか・・・気になる。

  • 過酷な戦時下を強かに生きる兄弟が書く日記を通じて、悲惨な現実や人間の愚かさ弱さを描き出す物語。少年らしい雰囲気の文体だけれども書かれていることは穏やかではない。兄弟が見ている事実という視点で淡々と記載されていることがどこかコミカルなような不気味なような感じがする。読み進めるうちにこの兄弟に抱く印象が少しずつ変化してきて、当時の戦時下には彼らのような信念や意志を持っていた大人はいなかった、または意志を持てるような状況ではなかったのだろう、それを彼らの目を通じて著者は描き出したかったのではないかと感じた。続作も読まなければ。

  • 「衝撃的な内容」っていう前情報だけある状態で読んだ。
    ・・けど、「どういうこと?」って感じだった。衝撃受ける以前に、よくわからなかったのが悔しい。

    「ぼくら」ってのは何?双子であることの意味がよくわからなかった。「ぼくら」といいつつ、ほぼ「ぼく」と同じでしかないと思った。ていうか、そういう不思議感覚を味わえってこと?
    そして、最後あっさり別れたのは何?自分が理解できなかっただけで、何かの比喩だったりする?続編読めばわかる??

  • 戦時中の地獄のような日々が淡々と描かれている。悲壮感がないのが逆に恐ろしい。衝撃的な一冊。

  • 過酷な状況に慣れるため、何故か自分達を修行し始める双子たち…
    いつしか彼らは不動の精神をもつ。
    喜怒哀楽をほとんど出さず、淡々と日々をこなしていく…
    人間らしさがなくなっていった彼らが最後にしたことは信じられない…

    でもこの潔い残酷さ故、続きが気になってしまう…

  • ■戦禍によって苛まれ疲弊しきった土地に、毒々しい”死の花”だけが一輪、また一輪と花を開かせる。
    悪夢のようなその地にあって一心同体の双生児は、一切の感情を排除し、お互いの身体を打擲しあい、見聞きした全てを記録し続ける。……ただ酷薄な現実に打ち克ち、生き延びるために。
    ■ナチスとソ連、双方から蹂躙される1940年代初頭のハンガリー。その戦下の状況が、子供の視点から、近視眼的に、どこかリアリティを欠いて、時にはカリカチュアめいて、描かれる。そしてそんな寓話のような筆致が、人間のおぞましい真の姿を暴き出し間然するところがない。
    ■……そしてついに、ついに訪れるあの衝撃のラスト! 読者は読みおえるやいなや椅子から転げ落ちる、間違いない!

  • 最後「えっ」と声が出てしまった。続編が気になるので手に取ってみようと思う。

  • ヨーロッパの宿命。国と国が地続き。

    戦争のはざまで国が無くなっていく。
    幾たび国がつぶされたか。
    よみがえったか。

    この過酷な状態のうえに
    強くてすさまじい個性のひとびとの中で
    たくましく、なにげなく
    生き延びていくふたごの兄弟の日記風物語りは
    いきいきしている。


    こんなのを読むと
    端っこの国の日本人は能天気だ。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/713319

    三部作、衝撃の第1巻。

  • 簡素な文体なのに人の感情、行動全てがリアルだった。

  • 面白くて一気に読了。
    戦時下、疎開した先で自分たちが置かれた環境を咀嚼しながら成長する主人公の双子。戦火とその中で生きる人たちの現実を感情の揺れ動きも含めて主観を取り除いて描いたような作品。
    続きもぜひ読みたい。

  • 傑作。
    淡々と事実だけから語られる文章から読者の想像・光景がどんどん膨らむ描き方はスゴイ。
    すごく面白かった、の一言。

  • 予想以上にラストに持って行かれた……なんだあれ、マジかよ……次読まなきゃやってられんレベルでびっくりした。

    戦争後期、母親方の祖母宅に疎開した双子のお話、だとなんだか大変そうだなぁ……って感じだけど、読んでたら双子の「ぼくら」がめちゃくちゃ強かで最高にカッコいい。自分たちだけの決まりをきちんと定め、それを必ず守る。めちゃくちゃ痺れるわ。
    1話ずつが淡々としているから、すごく読みやすくてするする読める。だから、ラストの衝撃は本当にすごい。
    三部作らしいので、最後まで読む!!

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著者プロフィール

1935年オーストリアとの国境に近い、ハンガリーの村に生まれる。1956年ハンガリー動乱の折、乳飲み子を抱いて夫と共に祖国を脱出、難民としてスイスに亡命する。スイスのヌーシャテル州(フランス語圏)に定住し、時計工場で働きながらフランス語を習得する。みずから持ち込んだ原稿がパリの大手出版社スイユで歓迎され、1986年『悪童日記』でデビュー。意外性のある独創的な傑作だと一躍脚光を浴び、40以上の言語に訳されて世界的大ベストセラーとなった。つづく『ふたりの証拠』『第三の嘘』で三部作を完結させる。作品は他に『昨日』、戯曲集『怪物』『伝染病』『どちらでもいい』など。2011年没。

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