- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300325
感想・レビュー・書評
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ポワロシリーズ。
過去の作品「五匹の子豚」のように、10年以上前の事件の真相を推理する内容。ポワロの友人である推理作家が過去の自殺事件の真相を一緒に推理していく。夫婦二人の自殺として処理されたこの事件は、当時から疑惑が残されていた。そこで、当時の関係者の話を聞いて謎解きをする。象は忘れない、、、とは、象は何年経っても忘れないことから、関係者も何かしら覚えていることがあるという話。この殺人は、愛情絡みであり、ポワロシリーズで初めて途中経過から犯人がわかってしまった。読み上げていくうちに、自分の推理が正され、今までにない感覚であった。それでも、続きが読みたい気持ちは最後まであり、満足のいく結末でよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
切なく悲しい物語。人間の愛情、心の深さを感じられる話。
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「過去の事件」と言っても関係者全員の話をよく聞いて回る、という点では実はいつもと同じような捜査方法なんですね。となると、一番の面白みは、終わったはずの過去をどう現在に帰結させるか、というところなのかもしれない。もちろん、事件そのものも面白いです。クリスティは本当に動機にこだわりがあるなあと、改めて。
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久々にアガサ・クリスティー。
夏の暑さを忘れるミステリーを急に読みたくなっただけだが
そういえば小説の舞台はオリンピックに湧くロンドン。
流れに乗っていた。
1970年代になりポアロはずいぶん年を取ったが
灰色の脳細胞は衰え知らず。
ミセス・オリヴァもでてきて変わらぬ様子が嬉しい。
昔起きた夫婦の銃殺遺体が見つかった事件。
今になって暴かれる死の真相は?
結末も満足のいくものであった。 -
初ポアロ♪面白かったです!
推理作家のミセス・オリヴァが名付け親になっている
シリヤの両親の12年前の心中事件の真相を調査する為、
象のように記憶力の良い当時の関係者達を訪ね歩き、
やがてポアロは愛の悲劇とも呼べる真相に辿り着く。
「象は忘れない」というのはイギリスに伝わる慣用句で、
象は自分をひどいめに合わせた人を一生忘れないし
自分を助けてくれた人も一生忘れないという意味だそうです。
「象は忘れないけれど、人間は忘れます」というセリフで
読後感がますます爽やかになりました。 -
なぜか突然読んでしまった,「実質最後のポワロ」などと言われている「象は忘れない」。
クリスティ文庫は版が読み易くて好き。
中村能三の訳は昔から大好き。
後期のクリスティっぽい感じが結構好きです。
オリヴァ夫人なんて,なんかもうザ・クリスティだよね。
クリスティ自身も女流作家で流行作家なわけじゃないですか。
オリヴァ夫人の愚痴に込められた実感が意味深だ・・・笑
謎自体は,うーん,途中でわかるかもしれない。
でも,こういう,話を尋ねて歩くスタイルは悪くないな。ちょっと読みにくいという向きもあるかもしれませんが。
一幕劇みたいで面白いよね。実際,クリスティは舞台化されているものも結構あるわけですが。
もっとクリスティを読みたくなった1冊。 -
過去にあった事件を解く、というスタイルなのでスリル感はなく、かつ情報収集の部分が多くて少し疲れる。
けどまったく答えの見当がつかず、最後まで読んでしまった。