- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300615
作品紹介・あらすじ
雪に閉ざされたゲストハウスに電話が入った。ロンドンで起きた殺人事件の関係で警察が向かっているという。やがて刑事がやってきて…マザー・グースの調べにのって起こる連続殺人劇、戯曲「ねずみとり」の原作をはじめ、ポアロ、ミス・マープル、クィンら、名探偵たちの推理がきらめく珠玉の短篇集が新訳で登場。
感想・レビュー・書評
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美味しい所どりの短編集。戯曲原作『三匹の〜』の上手いこと。マープルの仕事人ぶりを堪能『申し分のないメイド』とマープル慰めるためヘイドック医師書いたという設定が楽しい『管理人事件』、ドラマで観たポアロ2篇とクィンも良い。
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霜月蒼氏『アガサ・クリスティー完全攻略』では星二つの本書だが、111108さんの「美味しい所どりの短編集」という言葉に勇気づけられて手に取った。
本書は、戯曲『ねずみとり』の原作『三匹の盲目のねずみ』と、ミス・マープルの短編4編、ポアロの短編2編、ハーリ・クィンの短編1編からなる。
『三匹の盲目のねずみ』は『ねずみとり』とほぼ同じストーリーだが、会話だけでテンポよく進める『ねずみとり』の方がぐっと洗練された感じを受けた。
クリスティーについては基本的に長編の方が好きなのだが、ミス・マープルシリーズについては短編の方が面白いと思っている。ミス・マープルは捜査権限がないため、重大な殺人事件を長期的に捜査する話になると、ちょっと無理があるなあ、と思ってしまうのだが、短編だと、彼女の関与が不自然ではない程度の事件におさまっていて、彼女の鋭い洞察力が生かされるように思う。
本書の中では、いたずら好きのおじさんが残した遺産のゆくえを探す『奇妙な冗談』がお気に入り。それにしても、せっかくかわいい親戚のカップルに財産を残したのに、ヒントがわかりにく過ぎて、あやうく破棄されるところだった。おじさんのいたずらが過ぎるなあ。
クィン氏は初読み。ポアロシリーズの『三幕の殺人』でヘイスティングズ的な役割を担うサタースウェイト氏が、クィン氏の友人として謎解きに重要な役目を果たす。芝居好きで観察力のあるサタースウェイト氏が、その特技を生かしてナイスアシストするのが微笑ましい。
総じて気軽に楽しめる一冊。-
b-matatabiさん、こんばんは♪
クリスティーのまだ手をつけてない物、どれ読もうか悩ましいですね。この本確かに攻略本では低評価ですが...b-matatabiさん、こんばんは♪
クリスティーのまだ手をつけてない物、どれ読もうか悩ましいですね。この本確かに攻略本では低評価ですが、味見と考えれば悪くないですよね?2024/04/15 -
111108さん、おはようございます。
私はシリーズものをあらかた読み終えたからか、短編集でポアロやミス・マープルにまた出会えるのがちょっ...111108さん、おはようございます。
私はシリーズものをあらかた読み終えたからか、短編集でポアロやミス・マープルにまた出会えるのがちょっとうれしくて、短編も楽しく読んでいます。
クリスティーを読む順番、悩ましいですよね。私は、完全攻略の低評価本から読みつつ、評価は高いけれどミステリではないメアリ・ウェストマコット名義の本を先に読んでいこうと思っています。
やっぱり、最後のクリスティー本はミステリにしたいので。2024/04/18 -
b-matatabiさん♪
そうですね〜私も最後はミステリー読んで終わりたいです!ミステリー以外のものも早めに読まなくては。b-matatabiさん♪
そうですね〜私も最後はミステリー読んで終わりたいです!ミステリー以外のものも早めに読まなくては。2024/04/18
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短編集。探偵役も様々で、まさに寄せ集めという印象。
メインはおそらく、三匹の盲目のネズミ。キーポイントは他作品と同様なものがあったと思うが、うまく解決している話と思う。 -
2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。8編。1編目は中編。2編目から5編目の4編がマープルもの。6編目、7編目の2編がポアロもの。8編目がクィン氏もの。これらの作品はすべて古い伝統的な社会を舞台としている。そしてクリスティの話はそちらの方がより良く感じる。
収録作:『三匹の盲目のねずみ』、『奇妙な冗談』、『昔ながらの殺人事件』、『申し分のないメイド』、『管理人事件』、『四階のフラット』、『ジョニー・ウェイバリーの冒険』、『愛の探偵たち』、解説:「美味しいショートケーキの詰め合わせは如何?」西澤保彦(作家)、 -
「三匹の盲目のねずみ」(1950) 今日が初日というゲストハウスに、ロンドンで起きた殺人事件の犯人がそちらに行く可能性があり、警察官が警護のため向かうという電話が入る。、犯人は「三匹のめくらねずみ」を口ずさみロンドンで一人殺した。宿泊客は4人。この中で残る二人が殺されるのか・・ 雪に埋まった山荘での殺人、名探偵コナンにもよく出てきた。これが元なのか・・
閉ざされた空間で、経営者の若夫婦、泊り客は疑心暗鬼になってゆく、それぞれ怪しい雰囲気を醸し出し、犯人は実は、というこの過程がスリリング。登場人物の意外な過去。原因は疎開児童の虐待死。「そして誰もいなくなった」は泊り客が過去に起こした事件のおとしまえをつけさせられる、という点ですっきりしたものがあるが、こちらは戦争の悲惨さが底にある。が、最後は若い二人の未来が開けているのがよい。また若夫婦の疑心暗鬼の内容はオー・ヘンリーの「賢者の贈り物」にも通じるオチかな、と感じた。
1947のラジオドラマを1950に小説で発表。1951に戯曲「めくらねずみ」 戯曲よりこちらの小説版のほうが先に読んだせいか緊張感があった。もともとセリフは戯曲的ではある。
「奇妙な冗談」(1944) ミス・マープル。頑固なおじの残した遺産はいかに。おじと呼んでいるが本当は「大伯父のおじ」なのだということだが、大伯父は祖父の兄弟で、さらにその伯父なので、結局はひい爺さんの兄弟が「大伯父のおじ」だ、と図を描いてわかった。文字だけみると、ありえない関係、と思ってしまうが、ひい爺さんの兄弟ならけっこう存在する。
「昔ながらの殺人事件」(1942) ミス・マープル。 仕立てを頼んだ女性が殺されていた。あまり悲しまない夫、仕立てやの女。現場に残された針。これはマープルでドラマ化されていると思う。
「申し分のないメイド」(1942) ミス・マープル。4つに区切って貸し出されたお屋敷。そこに住む姉妹。わがままな病気の妹を姉はとてもよく面倒みていたが・・ 村のメイドのブローチ盗みの汚名をそそぐ。
「管理人殺人」(1942) ミス・マープル。 放蕩息子が美しい妻を連れて屋敷に戻ってきたが妻は前の管理人のいやがらせや村に閉そくし落馬して死んでしまうが・・
「四階のフラット」(1929) ポアロ。夜遊びした男女4人。女はアパートの鍵を無くし男二人が窓から入り込むと階を間違えそのうえその階には女が死んでいて、おまけにそれはポアロも住むアパートだった!
「ジョニー・ウェイバリーの冒険」(1928) ポアロ。ヘイスティングス。お屋敷の息子ジョニーが誘拐された。
「愛の探偵たち」(1926) ハーリ・クイン氏。老サー・ジェイムズが殺され、若い婦人とその恋人が「私が犯人」と名乗り出るが凶器が違っていた。屋敷には給仕、執事、メイドもいたが・・
1925,1926,1928,1940,1941,1942,1948発表。(renewed 1954,1956,1968,1969,1975 by Agatha Christie)
2004.7.15発行 2010.11.15第3刷 図書館 -
『三匹の盲目のねずみ』『奇妙な冗談』『昔ながらの殺人事件』『申し分のないメイド』『管理人事件』『四階のフラット』『ジョニー・ウェイバリーの冒険』『愛の探偵たち』が収録された短編集。
出てくる探偵も、ポワロ、マープル、クィンとバラエティに富んでいる。
マザーグースに見立てられて起こる連続事件の『三匹の盲目のねずみ』は、クライマックスの緊迫感が良かったです。見立て事件、結構好きです。 -
いうまでもなく、さすがはミステリーの女王