そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 80)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300806

感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れたミステリーの金字塔。
    アガサ・クリスティーの傑作 孤島連続殺人の原点。
    久々に読書の世界に引き込まれた。
    最後は次のページをめくるのももどかしいくらい一気読み。
    実写化ドラマを見てから原作を読んだので結末がわかった状態で読んでしまった。
    何もわからない真っ白な状態で読んだら衝撃を受けもっとどんでん返しを楽しめただろう。その点は少々悔やまれる。
    結末がわかってから読むのもまた違った視点で物語が見えてきてそれはそれで面白かった。
    小説だからこその魅力が詰まっている重厚なミステリー。

    島に集められた客人たちが童謡になぞらえて1人、また1人といなくなっていく…
    残された客人たちは恐怖と闘いながらも翻弄され そして誰もいなくなった…
    淡々と進んでいく不気味な物語の中で登場人物が感じる恐怖、緊張感、猜疑心がひしひしと読者に伝わってくる。
    その心情の変化の描写が秀逸。その殺し方は無理があるのではと思う部分もあったが、客人たちは皆追い詰められて
    正常な判断ができる状態ではなく次第に狂っていく中で何が起きてもおかしくはないかもしれない。
    最後に謎が解き明かされた時の伏線回収の仕方は見事としか言いようがない。
    唯一犯人の動機だけは理解できないし むなくそ悪い奴だと感じた。狂ってる。
    読み終えてみると世に出てる数多くの推理小説、ドラマ、漫画が
    アガサ・クリスティー小説の影響を受けていることがよくわかる。
    遥か昔の作品なのに古臭さを感じさせず時代を越えて長く愛されるのも納得だ。

  • 言わずと知れた名作を再読。
    初読時の衝撃はもの凄かったんだけど。知ってて読んでも面白くてぐいぐい引き込まれるさすがの一冊です。クローズドサークルの孤島でマザーグース見立て殺人で、と好きなものてんこ盛り。そして本当に誰もいなくなっちゃう衝撃の展開。やっぱり凄いとしかいいようがありません。
    再読でも、このサスペンス感はまったく衰えませんでした。展開知ってるのにどきどき。そして犯人も覚えていたので、そのあたりの伏線を探ろうとしたけど。やっぱり犯人らしいと思えるあからさまな伏線が見つからなくて。見事だなあ。

  • 何を今更…? と自分でも思います。そしてこの評価──でしょうねといった感じです。

    今春、原作ドラマが二夜連続放送。なんでも国内初映像化なんだとか。俳優陣も豪華なので俄然興味がわき、約三十年前に読んだ名作を復習の意味で再読しようと思った次第。

    「こんなに面白かったっけ」と初読の記憶を辿りつつの一気読み。過不足のない必要にして十分な描写を備え、一気読みできる頁数も文句なし。内容豊かな長編ミステリながらスピーディーに展開し、多くの登場人物の描き分けがしっかりしているので混乱することもない。サスペンスフルな展開にうはうは言って、知的で粋な印象をキープしたまま読後は快い余韻に浸る。

    現実逃避できるシアワセな読書時間に大満足。時代を超えた面白さってこーゆーことよね。

  • 買い置きの本がなくなったので本棚の奥から引っ張り出し…。
    これは小学生の時に背伸びをして買った初めての大人本です。

    当時は文字を追うのに必死でしたが、以来何十年も、何回も
    読んでいて、そのたびに名作に触れる喜びを感じています。

    こちらにはポワロやマープルなどの探偵は登場しません。
    そしてなんとなく漂う陰鬱な雰囲気。
    他のクリスティー本とは何か空気が違うのです。
    淡々と事務的に殺人が起こって行く。
    この淡々と、が怖い。

    もう犯人も読む前から分かってるし、だれがどのように
    殺されるのかも覚えています。
    それでもほぼ一気読み。
    こんなミステリなかなかないです。
    私の中のクリスティーランキングでベスト3入り
    間違いなし。
    (やはりベタなポワロやマープルも捨てきれず)

  • 面白かった!
    小学生の時にジュニア版で読んだが、その時はイマイチ消化しきれない感じだったので…。
    そういう話だったんだね、と、納得。

    やっぱり、ジュニア版でしか読んだことがないのは、もう一回読まなくては。

  • 高校生の時に読んだのだけれど、よく理解できないというか咀嚼できずに終わった。

    それから10年以上経過して現在読んだら、面白かった。

    一緒に犯人探ししながら読み進めていったけれど、まんまと騙された!登場人物全員が全員怪しいし、動機があるように思えてならない。。。

    プロローグのタネ明かしは、まさに完全で完璧。お見事の一言に尽きる。

  • 友人のおすすめの本ということで、図書館から借りた。それにしてもたいぶ古い本。まるで雨ざらしにしたかのような風貌の文庫本を職員の方が申し訳なさそうに書庫から持ってきた。訳者の生まれは明治39年ということにまず驚く。こうしてわたしはこの一冊と出会ったのでした。

    夜中に読み出したら止まらず、結局3時。今日出勤なのに(笑)
    一体誰が犯人なのだろう?もしや、犯人は一人ではないとか?はたまたみんな犯人?いや、科学では説明がつかない何か?などと様々なことを頭の中でめぐらせながらページをめくっていった。こんなにハラハラしたのは久しぶりかもしれない。
    最後の種明かしは見事だった。私の中で全然疑っていない人が犯人だった。ふつう種明かしを聞くと、あっそうだったのね…と冷めてしまうかと思うが全然そうではなかった。論理的かつ緻密で完全なる説明にただただ圧倒された。
    極限の状態に置かれた人間の心理状態の変化を繊細に描いているのもこの作品の注目すべき点だろう。
    アガサクリスティ作品、他にも読んでみたいと思った!

    • hs19501112さん
      クリスティ、いいですよね。「そして誰もいなくなった」は、自分も高校時代に人から薦められて読み・・・さらに友人、彼女、家族にも勧めたくなった(...
      クリスティ、いいですよね。「そして誰もいなくなった」は、自分も高校時代に人から薦められて読み・・・さらに友人、彼女、家族にも勧めたくなった(薦めた)一冊です。

      レビューに書かれている「はたまたみんな犯人」というパターンを世界で初めて小説に取り入れたのがアガサ・クリスティだったのでは???と思っています。

      ※ちゃんと調べたわけではないですけれど。
      2016/09/23
    • hs19501112さん
      フォローくださったのですね。ありがとです。自分も♪

      さて、クリスティ・・・、とっかかりには「スタイルズ荘の怪事件」などいかがでしょうか...
      フォローくださったのですね。ありがとです。自分も♪

      さて、クリスティ・・・、とっかかりには「スタイルズ荘の怪事件」などいかがでしょうか。筆者の代表作シリーズ“名探偵ポワロ”の第1作目です。
      2016/09/28
    • むーんさん
      コメントありがとうごさいます!
      そしてフォローありがとうごさいます!

      「スタイルズ荘の怪事件」、とても読んでみたくなりました(^o^...
      コメントありがとうごさいます!
      そしてフォローありがとうごさいます!

      「スタイルズ荘の怪事件」、とても読んでみたくなりました(^o^)
      クリスティ初心者なのでおすすめ教えていただけてうれしいです!
      hs19501112さんのプロフィールに人情ものがお好きと書かれていらっしゃいましたね!山本周五郎作品おすすめです✨
      2016/09/28
  • 読みやすすぎるし、読み終わってものすごいびっくりするし、テーマも良い!

    人それぞれの法では裁かれない罪にスポットを当てており、読んでるこらもハラハラドキドキ。

    ネタばらしもさることながら、そこにたどり着くまでに文字通り誰もいなくなるまでの過程がすばらしい。誰もいなくなったところで、アレ!?犯人とかいないの!まじで誰もいないじゃん!どゆこと!と突っ込まざるをえない作品です。

    名作と呼ばれている由縁が読むと分かります!

  • 十角館読了からの、言わずと知れた海外ミステリの名作。
    前々から読みたいと思っていたけど翻訳ものアレルギー&カタカナ名覚えられない症候群が邪魔をして今まで手を出せてませんでした。
    が、読んでみるととても読みやすく、展開もスリリングで面白くて、最後まで夢中で読んでしまいました。「そして誰もいなくなった」という邦題はかなり秀逸だと思いました。翻訳ものは翻訳者の技量で面白さが全然違ってくるけど、清水俊二さんの訳は分かりやすく簡潔で読みやすかったです。
    読了後、充実感でため息出ました。本当に面白かった。
    クリスティの他の作品も読んでみようと思います。

  •  恥ずかしながら、アガサ・クリスティー及び海外ミステリーを読むのは初めてなんです。この作品は、有名な作品だそうですね。知りませんでした(^_^;)
     初めて読んだ作品がこの作品で良かったと思います。何故なら、今まで読んだ日本の作品が駄目だということではありませんが、作品の秀逸な点については他を寄せ付けないものがあるように思います。
     巻末に、赤川次郎さんが「過不足のない、必要にして十分な描写」と表現していますが、納得の一冊でした。しばらくは、ミステリーの古典を読んでみようと思います

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