特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 7-1)
- 早川書房 (2012年10月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151794513
作品紹介・あらすじ
捜査への情熱をすっかり失っていたコペンハーゲン警察のはみ出し刑事カール・マークは新設部署の統率を命じられた。とはいってもオフィスは窓もない地下室、部下はシリア系の変人アサドの一人だけだったが。未解決の重大事件を専門に扱う「特捜部Q」は、こうして誕生した。まずは自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手したが、次々と驚きの新事実が明らかに!デンマーク発の警察小説シリーズ第一弾。
感想・レビュー・書評
-
鬼★5 数年前に発生した女性政治家の失踪、厄介者刑事が再捜査を始めると… #特捜部Q #檻の中の女
■きっと読みたくなるレビュー
強烈な警察小説、これは面白い★5
名作シリーズとは知ってましたが、控えめに言ってやっぱり凄かった。
まずプロットが出来すぎ。
鬱屈とした事件だし、全編通して暗く寒いイメージで物語が展開していく。しかも刑事同志の醜い争いや、政治の駆け引き描写も多く、まぁ読んでてストレスがたまるんですよ。
しかしながら、少しずつ事件のほころびが見えてきたり、敵を言い負かしたり、犯人に近づいていく展開がたまらなすぎ! 特に後半の怒涛の展開は、マジで徹夜で読むことになりかねない。
そしてなんといってもキャラクターが濃すぎ。
人間性、関係性、過去の出来事や背景、人種、性別、社会性、宗教などなど。これでもかっていうくらいキャラの完成度が高くて濃密なんです。
特に主人公カールなんかは、今にも匂ってきそう。
刑事の信念や拘りがあり、やたら他人を信じない偏屈者、美女に弱いという下衆っぷりもイイ。相棒のアサドも怪しさと切れ者っぷりが満点だし最高。
サスペンスの描写も良く書けてるんですよ。
被害者の不安な心情、必死さ、諦めが手に取るように伝わってくるんですよ…これは強烈だし、めっちゃ怖い。
読み応えたっぷりの警察小説ですね。ミステリー好きは絶対読んでおきたいシリーズだと思いました!
■推しポイント
人生、どんなきっかけで、どんなことが起こるか分からない。
それでも自身ができる環境で、自身ができることだけでいいから、精一杯の努力をするようにしたいですね。
大切な人はそんなあなたを見てくれていて、最後には微笑んでくれるでしょう。
人生、辛いことも多いですが、前向きに歩いていきたいですね。 -
満を持して『特捜部Qシリーズ』スタートです!
シリーズそのものがスタートしたような言い方ですが、単に自分が読み始めたというだけです
随分前にsanaさんの本棚でレビューを読んで読もうと思ってたんです
ちなみに自分はこの方のレビューを読んで読もうと思ったり、コメント欄ですすめて頂いたりというのを途中からタグ付けして記録に残しているんですが、最初からやっておけばよかったなぁってくらい皆さんにもおすすめです
そもそもブクログの醍醐味って他の方のレビューや評価を見て新しい出会いに繋がることだと思うんですよね
そんな中タグ付けしておくことで後で見返したり、絞り込みかけて見ることで自分とその人の関係性が見えてきたりして、そこに新たな発見があったりで次の本選びの道しるべになったりするんですよね
例えば自分の場合1位はsanaさんで特に海外ミステリー方面で外れなしの高アベレージ、2位は土瓶さんでごめんなさい自分にはちょっとってのもあるけと特大ホームランもあるみたいなね
あとはSFならこの方とか、この方はいつも新しい扉を開けてくれるなぁとか、赤丸急上昇中のあいつは星の数がだいたい一緒だわwとか
けっこう楽しい遊び方だと思いますよ
さて本編です
もちろん面白かった!
知ってた!sanaさん高評価のシリーズだもん面白いに決まってるし!
ということで何がどう面白かったかはsanaさんのレビュー見て!(おい!)
ハヤカワ・ポケット・ミステリ版の方だよ!
sanaさん無許可で名前出しまくってごめんなさい!
(土瓶さんはいいのかよ!)-
いいです(笑)
むしろ光栄の行ったり来たり? 至り??
つまり、行って来い、です???
そうかぁ~。タグ付けかぁ。
自分の場合...いいです(笑)
むしろ光栄の行ったり来たり? 至り??
つまり、行って来い、です???
そうかぁ~。タグ付けかぁ。
自分の場合、他の方のレビューを読んで「あっ、これ。いいな」ってなると、すぐにアマゾンのページで”後で購入する”にポチっとするので、誰のレビューをもとにしたのかが分からなくなるんですよね。
うん。ポチっとする前に本棚に入れてタグに書いておけばいいのか。
考えてみようっと。
って「Qシリーズ」も手を出されましたね。
あの「北欧モノ」は、登場人物の名前で手こずるんですよ。こいつ誰だっけ?って。
自分は2作目で止まってますので、さっさと追い抜いてレビュー書いてくださいな。
頼みましたよ(*^▽^*)2022/08/01 -
土瓶さん
こんばんは!
ちなみにレビュー登場回数は土瓶さんが断トツ1位ですw
2作目読み始めてます
次はちゃんとレビュー書きます
いや今...土瓶さん
こんばんは!
ちなみにレビュー登場回数は土瓶さんが断トツ1位ですw
2作目読み始めてます
次はちゃんとレビュー書きます
いや今回もちゃんと書いたけどね!2022/08/01
-
-
「ミレニアム」などと一緒に北欧小説の金字塔的な感じで紹介されていて手に取る。
タイトルから勝手に「ジョーカー・ゲーム」の「D機関」を連想してて
スパイ小説ではなく警察小説だと知って驚き、エリート集団なのかと思いきや、一匹狼のおっさん刑事カールがていの良い左遷先として作られた国内の未解決事件を取り扱う部署という設定で二度驚く。
相棒となる「奇人」アサドのキャラクターが良い。こいつがいると暗い事件を扱ってるのになんか楽しい。
サブタイトルが今回の事件、監禁された女性側の視点と、事件を追うカール達の視点が切り替わりながら進む。
カールは事件を追いつつ、過去に同僚をなくした銃撃事件や、別居中の奔放な妻からのタイミング悪い電話に悩まされる。そしてよくある署内からの冷たい目、圧力、クソみたいな記者など
「あるある」とうなづきたくなる要素満載で大好物でした。
解説にはアサドを超える奇妙な仲間が捜査に加わる?と書かれていて続編も楽しみ。
こりゃシリーズになるわ… -
はみ出し刑事カール・マーク警部補が、部下のシリア系変人アサドと共に未解決事件を捜査する、デンマーク産の警察小説第1巻。
5年前に自殺と片付けられていた女性議員失踪事件に纏わる話しで、現在と過去が交互に語られる展開に、ドキドキしながらページを捲りました❗
キャラクターは非常に個性的で、残り100ページ以降はとても読み応えがあって、とても感動しました♫是非とも1人でも多くの方に読んでもらいたいオススメのミステリーです❗ -
めちゃくちゃ面白かった!キャラクター設定、ストーリー展開、物語の締め方、どれをとっても完璧。ラストシーンは自分的海外ミステリ史上最高レベル。魂が震えた。続編早く読みたい。
-
2019.03.13読了
北欧ミステリーはミレニアム以来久しぶり。
ちょっとした残酷さがミレニアムを彷彿とさせる。これが北欧ミステリーの特徴か?
ミレニアムに見られたこの男と女の絡みは要るの?と言う場面もなく、私にはこちらの方が好み。
国内ミステリーで最近面白い作品に出会えないので、このシリーズは読破しようと今から楽しみだ! -
週刊ブック・レビューに参加していた中江有里が、児玉清『ひたすら面白い小説が読みたくて』の紹介をしている番組を、先週見た。紹介された本は児玉清の文庫解説を集めて編纂した本なのだが、中江有里は、本は解説から読むという。解説を読んで買ったり読んだりするかどうかを決めることは多い、と言っていた。ぼくも実は同じ傾向があり、決め打ちの作家は別として、書店で手にとった本の巻末解説などには必ずと言っていいほど眼をやり、それによって読む本を選択することは多い。こんなことを書いているのも、実は本文庫化された特捜部Qシリーズの一作目についてだが、池上冬樹氏の解説が素晴らしいのである。こんな解説を書かれたら、矢も盾もたまらずに読みたくなってしまう人は多いのじゃないか?
特に警察小説としては、87分署に比肩するほどオススメしたくなるシリーズらしいと書かれてしまえば、かの87分署読破者のぼくとしては、また警察小説と聞いただけで喉から手が出るほど欲しくなるぼくとしては、もうそれらは殺し文句に近いのである。こんな解説ずるい、よな。
さて、果たして、本書は、解説の池上氏のおっしゃっている通り、素晴らしい警察シリーズであることを予感させる、記念すべき第一冊であった。こんな小説は誰も書かないというのが、何しろぼくの第一印象である。デンマークの警察署を舞台にしているからとか、この国の慣習や法律に馴染みのない部分があるからとかそういうことではなく、この作者によるオリジナルな奇想の部分がこの印象の大半なのである。
例えば、この作品は、陰と陽によって構成されている。陰の方は事件の核心部に関する描写である。身動きのできない場所で監禁されてしまった上院議員ミレーデの身に起こった恐ろしく不当で最悪の犯罪。冷酷な監禁犯たちは密閉された監禁室の気圧を少しずつ上げてゆき、殺さずに何年も何年もの時を待つ。暗闇から解放したり、また暗闇に戻したり。食事を出したり、止めたり。犯人たちの思惑がわからない分、ミレーデも読者も不安であり、状況は絶望的である。
さて、陽の部分は、特捜部Qの創設される状況、そこにあてがわれる部下はゼロ。責任者であり捜査官であるカール・マークは、とんだサボり親父でありながら、ある銃撃事件を境に殉職したり全身付随になった仲間たちへの負い目を抱え、生きている。事件以来仲間たちから疎まれ、警察組織に関しても斜に構えた見方しかできなくなったカールのもとへ助手として現れたのは謎のシリア人アサド。未解決事件を追跡してゆく特捜班Qは、刑事一名、素人助手一名の弱小窓際部署であり、彼らの部屋は地下室の隙間でしかなかったのである。
三階にある殺人捜査課と、全身不随のハーディの待つ病室と、地下室の特捜部Q即ちカール・マーク独りと、せいぜいモップを抱えたアサドという変な助手。それらのどれもが事件捜査に少しずつ関わり、殺人捜査課以外が目立った活躍や確信に迫るヒントの想像場所でもあったりするところが、やわな警察権力の構造に反旗を翻した立ち位置を作家視点として伺わせるあたりが、魅力的であり、ダメ判定されたキャラクターたちこそが活躍するというエンターテインメント構造としては王道をゆく辺りが読者の喝采を招くのも当然の結果であると言える。
そして陰の方は、さらに深い過去、上院議員ミレーデの家族に起こった不幸な交通事故というところまで遡る。それぞれの時制での状況活写が実に上手く、乗せられてしまうこの奇妙なリズムは、本シリーズの成功を約束する構成要素の一部と言ってもいいだろう。奇跡的なぎりぎりの大団円をこの連中は迎えることができるのか? 手に汗握る圧巻の警察小説の未来に幸いあれ!
アサド有能!
最後の弟さんだったかな、病室のところなんか、もう!!(´;ω;`)ウッ…
良かったですよね( ´∀`)b...
アサド有能!
最後の弟さんだったかな、病室のところなんか、もう!!(´;ω;`)ウッ…
良かったですよね( ´∀`)bグッ!
いやー、ラストはマジ胸アツっすよね。
読みごたえも、たっぷりの小説でしたわ。
いやー、ラストはマジ胸アツっすよね。
読みごたえも、たっぷりの小説でしたわ。