発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
- 早川書房 (2002年7月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152084262
作品紹介・あらすじ
パーム、プラダ、ペプシ、アップル、P&G…多くの一流企業をクライアントに持ち、子供用歯ブラシからコンピュータ、鉄道車両にいたるまで、機能的で遊び心に満ちた製品を開発しつづけ、世界中の注目を集めているデザイン・ファームIDEO。彼らはどのようにして斬新なアイデアを次々と生み出し、育み、形にしているのか?これまでIDEOで体系的に実践され、洗練されてきた最高機密「イノベーションの技法」が、同社のゼネラルマネジャーによってついに明かされる。会社の規模や業種を問わず使えるマインドセットとツールを多数紹介。会社の創造力を高め、文化を育て、持続的にイノベーションを生み出しつづける方法を、さまざまな実例と写真をまじえてわかりやすく解説する。洞察に満ちた「目からウロコ」のビジネス書。
感想・レビュー・書評
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IDEO社の製品開発の話。
観察が大切。
動詞で考えること。
本を読むとジョブ理論が思い浮かんだ。製品やサービスは顧客の課題を解決するもの、何かの仕事を代替して楽にしてくれるものであるべき、と。
観察しながら何に困っているかを見抜き、何を解決してくれる商品ですと売っていくことが大切なんだと思う。
洋書特有の頭に入ってこない文章がつらい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2000年だと新しかった考え方も今となっては、という気がする。イノベーションの事例がiPhoneすら出てこないと古さが。。。とはいえ、学ぶべきところも多くあるけど、読んでて正直たいして面白くないかな。
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デザインに携わっていないが、デザインの思考が必要と思い、買ってみたが、難しかった。
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ブレストのやり方が具体的でめっちゃいい。やってみよう。アイデアが頭にある状態で仕事ができるから定期的なブレストは価値がありそう。
ブレストはテーマ設定と雰囲気作り、進行とアイデアを刺激する環境が大切かな。
ただ、定期的にブレストやれる雰囲気のチームづくりって容易じゃないよな。 -
デザイン思考の第一人者が書いたイノベーションの本.
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IDEOの中でどのようなプロセスでイノベーションが生まれているのか、イノベーションを生むチームの在り方とはどのようなものなのかといったことが、数々の具体的な製品や発想が生まれた過程を紹介しながら描かれている。
優れたイノベーションにつなげるための「観察」の方法として、ルールを破る使い方をする人を共感を持って観察する方法を説いたり、固定的な観念を打ち破るプロダクトをつくるために「名詞ではなく動詞で」製品を考えたりするという取り組みは、心掛けひとつですぐにでも応用できそうな取り組みであると感じた。
また、イノベーションが生まれるワークショップの進め方や、ホット・チームの作り方については、実践の中から生まれてきた助言がたくさん盛り込まれていた。
ワークショップもただ同じペースでやればよいのではなく、アイデアの生まれるペースが落ちてきたときに方向を転換したり焦点を絞り込んだりするコーディネーターの役割が非常に重要である。
また、チームでイノベーションを生み出すときの、異質な人々を取り込むことの大切さやターゲットとなる期日を絞り込んで期間限定で取り組むことの重要性は、同じような取り組みを行いながらも成功するチームと失敗するチームの違いを知るうえで参考になった。
何より、記述が生き生きとしており、一つひとつのアイデアや助言が具体的でわかりやすいため、実際に取り組んでみようという気にさせられる。
とても元気をもらえる本だった。 -
IDEOの考え方・原則がわかる本。ここまで「楽しさ」を追求する企業があるのかと驚くと共に、今後自らの仕事でももっと「楽しさ」を追求すべきと感じた。もう発売されて20年近くたち、当時のIDEOの「発明品」も今現在の視点からは時代遅れと感じるものも数多くあるが、その基本となるプロセスの進め方等は今も輝きを放っている。
・ブレインストーミングに関して困った問題は、誰もがそれをすでに実行していると思っていることだ(P66)
1.焦点を明確にする
2.遊び心のあるルール
3.アイデアを数える
4.力を蓄積し、ジャンプする
5.場所は記憶を呼び覚ます
6.精神の筋肉をストレッチする
7.身体を使う
・クールな企業にはホットなグループが必要だ(P81)
・仕事は、いくつかの遊びの行為に分割することによって、より感動に満ちたものになる(P86)
・ホットグループのための八つの風変わりな個性(P111)
1.預言者(次に何が起こるかを見抜く可能性が高い)
2.トラブルシューター(冷静に考えた結果を明確に表現する)
3.因習破壊者
4.人の心を読む人
5.職人
6.テクノロジー・マニア
7.企業家
8.ちがうタイプの服を着こなす人
・(他家受粉の)種まきの七つのヒント(P179)
1.雑誌の購読とネットサーフィン
2.映画監督になる(世の中を観察する)
3.一般公開する
4.さまざまな主張に耳を傾ける
5.アウトサイダーを雇う
6.ちがう人間になってみる
7.二職種以上の仕事ができるように訓練する
・私たちは誰でもすばらしい経験をしたいと心から望んでいる(P229)
・IDEOには一つの合言葉がある。「失敗は成功の早道」リスクをおかせば、かならず失敗はついてまわる。しかし、リスクを冒さなければ、おそらくあなたは成功しないだろう(P253)
・一つの産業の現在の技術水準と、まもなく到達する水準を知れば、自分が選択した分野で飛躍することができる(P297)
・未来を予測する人の多くは、トレンドと新しいテクノロジーを負うことで立派に生計を立てている。だが残念なことに、それは未来のゲームの簡単な部分だ。難しいのは、どの未来が実現するかを知ることだ(P308) -
●読んで得たもの
イノベーションを実現する手がかり、考え方。
●感想
おおよそ訳本は読みにくい。この本もそうであり斜め読みがちょうどよいぐらい。
発想を重視する職場には参考になると思うが、まずこのような人材が集まるのかというところから解決しなければならない。
「行動力」がある人材がある程度揃ってから本書のように実践できればよいのだが・・・
書かれている内容がすべて自分の置かれている環境に役立つわけではないが、なるほどと思えた箇所がある。
「ブレインストーミングを台無しにする6つの落とし穴」のいくつかは共感を得るものがあった。 -
”社内メルマガで紹介するために再読。画期的デザインを生み出してきたIDEO社の働き方・考え方に、自分のなかの「創造力」の種が火をつけられる感じ。トム・ピーターズの序文も熱い!
<読書メモ>
・イノベーションという十種競技(p13)
いいことを教え用。あなたもあなたの会社も、すべての分野でトップになる必要はない。オリンピックの十種競技と同じで、目標はどれか少数の分野で卓越し、多くの分野で強くなることだ。
・IDEO社の方法論 - 5つのステップ(p13-14)
1◆理解:市場、クライアント、テクノロジー、問題点について認識されている制約事項を理解
2◆観察:なぜ人がそうするか、何ゆえに混乱し、何を好み、何を嫌うのか、隠れたニーズがどこにあるのか
3◆視覚化:新しいコンセプトと、それを使う顧客の姿を目に見えるかたちで描き出す。模型とプロトタイプ
4◆評価とブラッシュアップ:いくつものプロトタイプをつくり、評価し、練りあげていく
5◆実現:コンセプトを市場にだすために、現実のものにする(最も長く、技術的に最も難しい)
・本当のイノベーションは買い物という行為自体をデザインしなおすことなのだ。(p20)
#スーパーマーケットのショッピング・カートをデザインしなおすTV番組「ディーブ・ダイブ」で。
・名詞ではなく動詞で考える(p56)
携帯電話ではなく、携帯電話をかけるというように。(略)人びとが生活に採りいれる生き生きした装置として見てみよう。そうすれば、製品、空間、サービス??あなたが改良しようとしているものはなんでも??の使われかたにもっと敏感になる。
・よりよいブレインストーミングのための7つの秘訣(p68-74)
1◆焦点を明確にする(特定の顧客のニーズやサービスの強化に焦点を)
2◆遊び心のあるルール(批判を脇へそらす、ルールを壁に書く)
3◆アイデアを数える(例:「部屋をでるまでに100のアイデアを見つけだそう」)
4◆力を蓄積し、ジャンプする(ジャンプ=前の道に戻る、全く新しい道に進む etc.)
5◆場所は記憶を呼び覚ます(アイデアをとらえた壁の前→心の状態をもう一度とらえなおす助け)
6◆精神の筋肉をストレッチする(ウォーミングアップの言葉遊び、観察の事前課題)
7◆身体を使う(ありあわせの素材を持ち込む、身振りで表現する)
・ホット・チームは成しとげる(p100)
仕事に着手する前から、自分のチームのメンバーが途方もない成功をおさめるだろうと信じることだ。
・他家受粉の陰と陽(p179)
活動的で積極的な面:新しい手法やメソッドやテクノロジーを学ぶ
消極的で受動的な面:新しいアイデアを練るための時間や場所をつくる
種まきの7つのヒント
1◆雑誌の購読とネットサーフィン
2◆映画監督になる(世の中を小さなシーンに分けて、ちょっとした仕事をしている人びとも観察)
6◆ちがう人間になってみる
・楽しもうとする精神が、新しいすてきな経験の企画につながることだってあるかもしれないのだ。(p239)
・10年先のことを自由に考えることによって、私たちは新しくてすばらしいアイデアのパレットを手に入れる。(p313)
★プロジェクト終了時には、手づくりの賞を何か用意しよう。仲間を大切にしてチームの功労を祝い、称えるための賞だ。(略)
リスクをおかす者、ルールを破る者、場合によっては失敗した者の価値を公然と認め、成功するすべての組織になぜそうした人びとが必要なのかを説明しよう。一般公開を実施し??最初は社内から??スタッフとプロジェクト・リーダーが自分たちの仕事を見せびらかせるようにしよう。チームに動機を与え、他家受粉を促進するためだ。(p317)”