ゼロ年代の想像力

著者 :
  • 早川書房
3.62
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本棚登録 : 748
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152089410

感想・レビュー・書評

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  • なるほどそんな流れだったのかと納得するところもあったけど、時代の流れに合うものだけをよりすぐった感もある。

  • 独りよがり感の強いだらだらした文章、セカイ系という閉じた世界観に酔った文体が重苦しく飛ばし読みにしてしまった。
    粘着質から希望の未来は見えないと思う。

  • いままさに現代思想で何が取り扱われているのかをうまく回収しながらそれらをレビューし、ドラマや漫画、アニメなどのサブカルチャーを通じて思想の変化を取り上げ、これからの世界はどのようなものか、そしてそれにどう立ち向かうかを立体的に提示している。

    取り上げられたサブカルチャー的なものから現代思想を読み解くことへの妥当性とかは、もうすでに不問だと思うので、僕はそのまま受け取った。

    個人的に「あえて」決断するという2001年頃の宮台先生と同じような思想を持っていたので、それらの反省点も指摘されていて、個人的に非常に有意義だった。

    明確に不満なのは舞城王太郎のレビュー。舞城の結論が絶望の方向に行かないことはかなり初期から通底していると思うのだが、本書ではあまり触れられていないので、細かく検証することが出来ないのが残念。

  • サブカル評論…と見せかけた思想・哲学書。
    軽い気持ちで購入したものの、読了まで相当時間を要した(^_^;)
    普通にサブカルコンテンツを消費するのに飽きた人向け。

  • 後記を読む限り批判対象をフォローする気遣いはあるようだが、本文は全体的に気に入った作品を上げて気に入らないものを貶める手法で構成されており、数多の作品鑑賞経験がもったいないと思わせる。
    2ちゃんねら、今時のブロガーは100人単位で、同程度の文章を別の解釈で書ける人がいるんじゃないかと感じる。

  • ゼロ年代のサブカルの論点を一挙論じる。多くのカテゴリーにまたがる作品を、ひとつの軸で批評されると、読者としては気持ちがいい。社会全体のありようが決断主義的な流れになっているというところで、自分の思想は停止していた。だが、多くの作品がその一歩先を描こうとしているという点は、非常に勉強になった。おそらく、この点については、(取り上げられた各作品の表現者が意識的か無意識的かはわからないが、)きっと真実だと思う。

  • 「何に価値があるのか」を世の中が与えてくれない時代ーーそのかわり、いまだかつてなくある意味自由な現代という時代を生きる私たちがとることができる態度とは。一通り読んだ感想としては、好き嫌いが別れそうな本だなと印象。読んでいる時点の心情によってこれほど印象が異なる本もそうないのではないかと思ったり。
    個人的には共感する部分が多かったからこそ、安易に鵜呑みにすることはないようにしたいと思った。でも、面白かったです。リトルピープルの時代も読んでみます。

  • この本は「決断主義への距離感」という非常にくせの強い図式を提出して、
    大量のポップカルチャー作品を交通整理している。
    だが、この本で取り上げられている作品を、「作品ガイド」という形であらすじだけ紹介されても、総まくり感の効用を得ることはないだろう。
    つまり、論点整理のてさばきが優れていないとハブ本として機能できない。

  • 決断主義の話はスッキリと分かりやすいのだが,それを超えるものが何なのかはイマイチよく分からない。いや,それはまだ書かれていないのかもしれないのだけれども。同じ年(だよね?)だからピンポイントでスゲ―分かるって部分もあれば,何でこれが分からないんだろうと思うところもあったり。コミュニケーションが全面化している世界の可能性って何だろうね。ポストモダンの残り香を嗅いでいた学生時代から僕の興味は常に超越にあって,そっちに引き戻されそうな危うさをコントロールしつつ,リトルピープルに走ろうと思う。

  • あの宮台さんが、この本は単なる好きなもの擁護ではない!と。
    僕にとっては単なる好きなもの擁護の本。
    取り扱っているものは、純文学ではなくライトノベルだったりと。その点バカにされちゃうかもね。本のタイトルにもあるとおり、作者のものすごい想像力で書かれている。そこはホント感心。
    「母性のディストピア」なんて言葉を使っていたけど、その言葉の持つ意味合いはカフカの作品にありふれている。決断主義的な作品は、過去の文学作品の中に山のようにある。ドストの「罪と罰」なんか、まさに世界系だし。
    ありふれたアニメを題材に論を進めていては、単なる好きなもの擁護としてしか認識されない。もちっと過去の文学作品を題材として取り入れるべきだ。ぜんぜんまだまだマクロな視点が足りてない。
    宇野は好きだ。あえて批判した。他のくさった評論家に日々うんざりしている。宇野がんばってくれ。

    • bokkoさん
      宇野さんがセカイ系として取り上げたのはその時代に支持されたからだと思います。
      1つ1つの批評ではなく時代の流れでポコリとセカイ系が出てきてる...
      宇野さんがセカイ系として取り上げたのはその時代に支持されたからだと思います。
      1つ1つの批評ではなく時代の流れでポコリとセカイ系が出てきてるから問題意識を持ったのではないでしょうか。
      2012/05/08
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著者プロフィール

1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」「モノノメ」編集長。主著に『ゼロ年代の想像力』『母性のディストピア』(早川書房刊)、『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』。

「2023年 『2020年代のまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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