ゼロ年代の想像力

著者 :
  • 早川書房
3.62
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本棚登録 : 748
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152089410

感想・レビュー・書評

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  • 6/17

  • 友人に薦められ、私も他者に薦めたくなった良作

  • 【配架場所】 図書館1F 361.5/UNO

  • 市中lib、注文中

  • ほとんど理解できなかった。なんでこんなに狭い世界を難しそうに語るのだ・・・<br />どうでもよいけど、作者の写真、これはないでしょ。

  • 09/06/10

  • たしかに、東浩紀を中心とした文化的影響力に飲み込まれすぎたために接触をせずにすましてしまった可能性の断片は多いに違いない。
    「〜である」というキャラクターの承認ではなく、「〜する、〜した」という行為の積み重ねに、トライ&エラーを繰り返しながら、人との関係の履歴を大事する、小さな関係性を取り戻す必要はあるだろう。

  • 図書館

  • 久しぶりに読み返してみた。

    本当にこの本は、歴史というものに頓着なく書かれている。べつにここまで限定しなくてもいいんじゃないか、というくらいに、1995年以後の時代に純朴なまでに限定して語っている。五十嵐太郎がどこかで「ここまで世代間の隔絶を感じさせる批評はない」と言っていたが、それはこのことによるだろう。

    そんなに大それた歴史参照は、学術ではなく批評なのだから必要条件ではない。でも、たとえば母性について語るならば 河合隼雄の『母性社会日本の病理』、たとえば成熟について語るならば江藤淳の『成熟と喪失』。このように少なくとも戦後日本の歴史くらいまでは、簡単に遡って(参照して)叙述できたはずだ。

    それがないから、1995年以後のサブカルの知識に乏しい人間は、ただその知識が乏しいというだけで、あるいはそれに興味がうすいというだけで、著者の論についていけなくなってしまう。読者を限定してしまうことはそれだけで批評としてよろしくないことである。全編、著者は、読者を東浩紀のみに想定しているんじゃないかしらという印象すらおぼえる。

    また、著者の「歴史への頓着のなさ」はこの本にある種の「くどさ」を生んでしまっている。1995年以後のサブカルに限定された内容じたいは、めちゃくちゃに濃いことは間違いない。しかし読んでいて、すこし飽きるというか違和感を覚える箇所が少なくない。

    ひとつには、歴史には触れないにもかかわらず「国民国家」とか「マルクス主義」とか「大きな物語うんぬん」とか、へんに大文字の言葉を使っていることがあげられる。文章全体が排他的であるから、これらの言葉はまったくリアリティを感じさせない。著者はこれらの言葉で「一般性」「普遍性」を帯びさせようと意図しているのだろうが、まったく記号的な言葉遣いである。


    よって300頁を超える長編であるのに、まったく論は深みを増してこないし、ネタをとっかえひっかえしての堂々巡りとなってしまっている。もう少しだけ視野を広げられれば印象は大分ちがうと思うのだけれど。まぁでも、映画・テレビドラマ・小説・漫画などの表現物をすべて「時代の空気」の表出あるいは帰結としてしか論じないあたりは、そもそも限界があるのかもしれない。

    味は濃いけど深みはない。まるで千屋のラーメンみたいだな!鈴木屋ではない。
    (このようにあらかじめ読者を限定した書き方をすれば、共感できない人間は排除されるのだよ。横浜ローカルのいわゆる「家系」とよばれるラーメン屋のこと)

    しかしやはり、暑苦しい本だなこれは。カバー裏の載っている著者の写真とか、生理的に受けつけないと思う人間が多数いるんじゃないかしら。これは蛇足。


    それと、宇野は「あえて」の使い方を間違えているように思う。宇野の「あえて」は、「あえて(ベタに)」という意味で使われている。実際の文章中に「あえてベタに」と書かれていることもある。「あえて」はベタと並列に使えないでしょう。「あえて」はどちらかというとメタであり、宮台真司のように「あえて亜細亜主義」「あえて天皇主義」というように使うのが正しい。ベタとメタの間を全力で往復する精神をを示すときに使うべきである。

  • SFマガジン連載時より興味深く読んだ。独断であったり、ぎこちなかったりしても、批評しようという又は批評せずにはいられないという決断に至り、再考する機会を持とうとする宇野っちの思想が私は好きだ。

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著者プロフィール

1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」「モノノメ」編集長。主著に『ゼロ年代の想像力』『母性のディストピア』(早川書房刊)、『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』。

「2023年 『2020年代のまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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