夏の王国で目覚めない (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 322
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092304

感想・レビュー・書評

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  • 閉じられた世界の王が作った悪夢から、ずっと逃れられないでいた子供の話。

    カルト的人気を誇る謎の作家・三島加深のファンサイトで知り合った顔も本名もわからない7人は、サイトの管理人・ジョーカーからの誘いで3日間のミステリーツアーに参加することになった。一番に謎を解いた参加者に贈られるのは、三島加深の未発表原稿。しかしゲームだったはずのツアー中、参加者の1人が消え、もう1人が殺されてしまいーー!?

    劇中劇を扱ったストーリーは、現実の彼女らと設定上の彼女らとが入り混じり、謎を一筋縄では行かないものにしていて良い。
    ミスリードのためだけに見える不審な行動には、納得させる説明というかフォローが欲しかった。そして真相の部分が少し強引。
    でも次に誰がゲームオーバーになるのか? 彼女らの行動は本心なのか、“指令”によるものなのか? ハラハラさせる要素が組み込まれていて、全体としてはなかなか面白かった。
    (その行動は指令か本心か、の部分をメインに置くともっと違ったミステリーができるかもね)
    (キャラノベルとしても立っている。草薙の「寿命が縮んだ」シーンは萌えた。そして高瀬みたいな、頭がいい嫌なやつは嫌いじゃない)

  • ミステリ的にはお約束ガジェット満載。お互いの素性を知らない若い男女が7名集まってミステリーツアーに参加。舞台は寝台特急→ホテル→別荘…と謎のホストに指示されるまま移動してゆき、その都度事件が起こり一人また一人と参加者が減っていく…。ミステリーツアーに最後まで残れた人物が手にできるのは、謎の幻想ミステリ作家「三島加深」の未発表原稿。
    謎のホストである「ジョーカー」は参加者7名の中にいる?!

    ……パターンです。王道です。ミステリ読み慣れている人には先の展開が読めちゃったりと新鮮味はありませんが「お約束」の安心感があります。
    ツアー参加者7名のうちわけは男性5名、女性2名。で、主人公はこの中の美咲ちゃんという女子高生。こりゃぁ、男性5名よりどりみどりじゃぁ!と乙女ゲー的妄想をしながら楽しめるというおまけ付き!(そういう見方してたのは自分だけかもしれませんが)

    ホテルに泊まったときに、おもむろに荷物から緑茶の入った茶筒取り出して、冷茶入れてくれる男子がいたら、惚れますよね?ね?ね?

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著者プロフィール

山形県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。『未成年儀式』で富士見ヤングミステリー大賞に準入選し、2009年にデビュー(文庫化にあたり『少女は夏に閉ざされる』に改題)。他の著作に『ひぐらしふる』『夏の王国で目覚めない』『僕らの世界が終わる頃』『サクラオト』『思い出リバイバル』などがある。本作『向日葵を手折る』が第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

「2023年 『向日葵を手折る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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