偶然の科学

  • 早川書房
3.62
  • (24)
  • (53)
  • (44)
  • (13)
  • (2)
本棚登録 : 598
感想 : 61
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092717

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「マートンの言葉は正しい。社会科学はいまだに自分たちのケプラーを見いだしていない。しかし、アレクサンダー・ホープが人間の適切な研究課題は天井ではなくわれわれの中にあると説いてから300年後、われわれはようやく望遠鏡を手に入れたのである。

    さあ、革命をはじめるとしよう...」

    え〜っ!!
    その革命の本だとおもったのに。
    現実は甘くはないということを思い知らされました。
    自分で考えないとね。

  • 【偶然】あるイベントが発生した時に、多くの人はイベント前後の物語を作りたがる。その内容が論理としてきれいであればあるほど、人々の記憶にその物語は残っていき、長い間伝承されていく。しかし、その物語は本当に意味を成しているのだろうか?偶然でしかないことをさも意味があるように飾っているだけではないのか?本書はそういった疑問から偶然そのものに関して掘り下げていっている。

  • このあとに登録している本と敢えて一緒に読んで脳をバグらせる。敢えてね。

  • タイトルにやられた感じだが、この手の翻訳本は小難しい内容のことが多い。さらっと流しながら読めるものではない。

  • 内容はいろんな点で興味深い。社会科学なるものが、まだまだこれからの学問であり、そんな不安定な中で人間は何かにすがったり、関係付けたりして生きていることが、よくわかった

  • 未来は偶然の産物であり、ある程度までは予測の確率をあげることはできるが、予測をしようとするのは難しいことをいろいろな観点から述べている。歴史でさえも解釈の後付けがついて回り、参考にして未来を予測しようとすることは慎重にしたほうが良い。ひどければ、単なる固定観念で解釈してしまう可能性さえある。偶然という要素をしっかり捉えたうで、予測・計画をしていくべきということが勧められている。


    以下注目点
    ・常識に過大な信頼を置かない。
    ・デフォルトの設定が、我々の選択に大きな影響を及ぼす。

  • 未来は予測できない、歴史上のできごとも偶然以上の説明ができない、的な。

  • ヤフーリサーチ研究員であり社会学者であるダンカン・ワッツ氏の著作「偶然の科学」を読了。買ってから随分たっているので内容が既に過去の物となっているかと思ったがまあ社会学に関しての考察なので古くはなっていない気がした。社会科学の必然性・偶然性を踏まえ、本当に将来を予測することができるのか、出来ているとするものの実体の脆弱性を指摘し、基本社会的事象に関しての予測はいかにビックデータを使おうと現時点では難しいというのがこの本の根底にあり、良く我々が支配されている情報によって作られた「常識」による予測、計画というものがいかに無意味な物かということを様々な事例を持って思い知らせてくれる本だ。現時点では賢い意思決定は現時点ではアパレルブランドZARAが行っているような現状を測定しその結果を実験しそれに基づき意思決定していくことがネット社会では確実だとの論だ。鵜呑みには出来ないがいまいちど自分のなかの「常識」を疑ってみようとは思った著作だった。一読の価値はありだと思う。

  • 社会学、というジャンルについて、そこに含まれる不確実性を主題としています。
    世の中に常識として考えられる多くのアイデアが、実はきわめて限定的な条件のもとで成り立つ合意であり、必然的な因果関係として扱われる多くの事象が実は偶然としか言えないほど不確定な要素に左右された結果である、という事実。
    そして、『科学』としては未熟に思われがちな社会学においても、ビッグデータの時代に定量的な分析が進む一方、どこまでいっても、物理学のような絶対的な学問にはならない、ということが強調されます。
    それでも社会学は続く学問である、ということは述べられています。社会のあり方を問う社会学とは、ある意味で人間の本能的探究心に基づいているのかも。おもしろい学問だなあと思えます。

  • 本書で参考文献として上げられている「予想通りに不合理」「幸せはいつもちょっと先にある」を既読の上で本書を読んだ。
    比べてどうかと言えば本書は企業向け・政治向けの話が多くてそこが退屈だ。私は社長ではないし政治家でもない。

    本書が強調するのは常識の役立たなさと偶然の多さ。
    偉人がアメリカで好まれるのは代表的個人に語らせたがることとハロー効果によって一人の人物の功績が多大に評価されるとある。
    累積的効果によって些細な違いな莫大な差を生む。人間は大きな差があればそれに相当する大きな原因を求めがちという常識に反して、これは事実なのである。

    楽しく読めたところもあるがつまらないところもあった。翻訳は固い。まどろっこしい。もっと省略して書けたと思われる表現が多多ある。

ダンカン・ワッツの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
スティーヴン・D...
クリス・アンダー...
ジェームス W....
國分 功一郎
ウォルター・アイ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×