官能と少女

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 737
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093073

感想・レビュー・書評

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  • 表紙のイラストの淡いイメージと中の少女と
    の淫靡な雰囲気と
    脆さ、壊れやすそうな感じが随所にあって
    どうにもエロに注意向いちゃうけど

    生、って?

    生きることとはなにか
    どうか

    と、どこか頭のすみっこに思い浮かんじゃう


    「私が私であることを誰が証明できる?」
    この問い
    これからずっと、自分にもしかしたら身近な誰かに
    確かめていくことになるかも

  • かなりエグい表現が多い。性犯罪の被害者もしくは、それと気づかず現実逃避したりや溺れていく少女たち。
    辛い内容の連続。

  • お洋服にかける愛情が強く話もはしっかりとまとまっている。

  • 『雨の塔』が既読だったので「コンクパール」は、そのリンクが少し嬉しい。6短編とも性的描写・背景が身に絡みつくように粘っこく、短編といえども、あ、胃もたれがw。甘いお菓子、宝石、ぬいぐるみ、ロリータファッション…少女にお似合いのアイテムの裏側に女郎蜘蛛が潜んでる。そんな雰囲気のお話でした。みんな幸せそうじゃないなあ。

  • 痛くて切ない話ばかりで読んでいるのが苦しくなる。
    どの話も含みを持たせたまま終わるので後味がなかなか悪いです。
    でも可愛いお洋服を纏った女の子は良いです。

  • 少女であるがゆえに、無垢に見える気がするし、歪みもまた美しく思えます。
    外界へ逃げ出す知識もお金もなければ、想像の中に逃げ込むしかない。愛情という言葉で誤魔化している間の幸福さが、痛々しくも綺麗です。
    『雪の水面』と『ピンクのうさぎ』が好き。

  • 恋の痛みと愛の毒が満ち溢れる、濃密な恋愛短篇集。

    「小さな白い花は可愛いのに、食べると死ぬ。甘酸っぱい花と薄荷煙草。そして無垢なふりをして耽嗜へ誘い死に至らしめる毒」折れそうなほど華奢な身体の女は、可愛らしい動物のような女を抱きしめる……(「ピンクのうさぎ」)。淫靡な宝石に恋する女、自らの幼児体型を哀しむ養護教諭、美しい顔の男を「夫」にした女、おじさまに「連れ去られた」少女、眠り姫という綽名の病んだ女子大生。恋の痛みと愛の毒が満ち溢れる、R‐18文学賞受賞作家が描く6つの純粋な欲望。

    早川書房サイトより

    ***

    宮木さんの作品は、ご本人のブログからの引用ですが
    「A面=花宵道中とか春狂いとかの真面目サイド
     B面=野良女とかカトマンズとかのゆるゆるサイド」
    となっており、B面だけ読んでいました。
    意図されている通り元気が出るB面はいつも楽しく拝見していましたが、
    いつかA面も読みたいなという気持ちもあり。
    でも普段読まない感じの本が多く、色々見てみて、結局レビューなどから
    一番とっつきやすそうだった本書を手に取りました。

    R-18文学賞系でもあるのでちょっと官能よりな印象でしたが、
    評判通り、確かに美しく雰囲気がありました。
    やはり(良し悪しではなく事実として)趣味とは違ったのですが、
    そのうえでしっかり感じられる作品としての美しさ、含・装丁や
    コンセプトなどが素敵でした。

  • 二十歳を過ぎると、時間が経つのだけ早くて、中身の成長が遅くなる。

    ほんまにその通り。

    中身が伴っていかないことへの苦しさが
    どの作品からも感じられて少し息がしにくかった。

  • 少女や少女のままの女たちの、美しく官能的だが病んだ物語たち。百合・ロリコン要素を濃く含みます。宝石に恋する女を描いた「コンクパール」と、養護教諭と彼女の恋人、彼女に恋する男子高校生、保健室の常連少女を描いた「春眠」が良かった。装丁も扉絵も素敵。

  • 文体はとってもきれいだし、宮木さんの書く文章は本当に美しい。読んでいる間はたくさんの宝石を眺めているような気分になった。ただ、内容はひたすら痛くて、苦しくて、悲しい。

    少女たちが迷って悩んだ末に行き着いた結末。それは周りからすれば決して幸せな結末ではないのかもしれない。それでも真っ直ぐに己の思いを信じ通そうとする彼女達には感服せざるを得なかった。どれだけ歪んだ愛情でも恋でも、彼女達の思いはいつも真っ直ぐなんだな。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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