- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152500038
作品紹介・あらすじ
スマートなカマキリ探偵と食いしんぼうのバッタ博士は名コンビ。ある日、サーカスの花形、チョウのジュリアナ嬢がショーのさいちゅうに消えた。調査に乗りだしたふたりを待っていたのは血も凍る真実。しかも犯人の魔の手が迫ってきた!「消えたチョウの怪事件」ほか「首なし怪物の怪事件」など全五篇。
感想・レビュー・書評
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人間の世界で、ペットなり野良なりの動物が、動物として存在し、動物の世界での事件を解決したり、人間の言葉を解して、人間界の事件を独自に解決したりする話とか、動物が擬人化されて、人間のように過ごす世界の話とか、そういうのはよくありますが、この本は、哺乳類でなく虫です。
虫が擬人化された世界観です。
カマキリ探偵とバッタ博士が活躍する5つの短編集。
いわゆる人間が「害虫」と思っている虫が悪者側です。
虫の生態が事件の発端になったり、解決の手掛かりになったりしてます。
カマキリ探偵とバッタ博士は、ホームズとワトソンがモデルかな。
私は虫は苦手ではないけれど、虫が苦手な人は、この表紙もダメかもね。。。 -
世にホームズのオマージュ作品は数あれど、虫の世界を舞台にした独特さが目を惹きました。
しかもただ単に虫に置き換えただけでなく、虫の生態そのものが事件解決に関わるというての凝りよう。その為に推理というよりは虫の生態クイズみたいな部分もありますが、それはそれで「え?そうなの!?」という驚きがあります。
しかしイラストが妙にリアルだったり、出てくる虫がカメムシだったりナンキンムシだったりするので虫が苦手な人はご注意あれ。 -
ホームズへのオマージュが満ちた秀作。虫たちの生活ぶりがそれに上手くかみ合っている。イラストも美麗。
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名探偵カマキリ氏とその友人バッタ博士の探偵譚。短編5編収録。
カマキリ氏はシャーロック・ホームズで、バッタ博士はワトスン博士。これが見事にはまっていて、思わず笑ってしまう。
登場するのがすべて虫で、それが旨く擬人化されつつもその虫の特性を生かした話作りになっている。
なんと言っても読んでいて楽しい。
第4話「首なし怪物の怪事件」は収録作中最も短いながらも、非常によくできていて胸が痛くなる。
この本を読んでいて、子供の頃に江戸川乱歩の少年探偵団シリーズやルパン、シャーロック・ホームズを児童向けにしたものを貪るように読んでいた頃の気持ちを思い出した。
ドキドキわくわくして、ページをめくる手が止まらなかった。あの頃ミステリと出合っていて本当によかったと思う。
この本も多くの子供たちのミステリの世界への誘い手になってくれたらと切に思う。そしてそれだけの力が十分にある本だとも。 -
N.
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名探偵といえば、かのシャーロック・ホームズ。この話は、ホームズ→カマキリ探偵、ワトソン→バッタ博士の配役で、出てくる登場人物は全て虫。虫による事件を虫が解決するのだ。虫好きの子どもで、しかもミステリー好きなら、読んでみて!