- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163180700
作品紹介・あらすじ
人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国-世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。第119回芥川賞受賞。
感想・レビュー・書評
-
修道院兼教護院(少年院予備校?)における、甘さを剥がした青春&宗教の物語。過激なシーンの連続だが読み出すと止まらなくなる。主人公をはじめ登場人物の描写が秀逸。1998年上半期芥川賞。
花村さんは凄い作家です。25年も前の作品ですが、いま読んでも色褪せていません。ただ、過激なエロスとバイオレンスが苦手な方には非推奨です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022.12.20読了
-
同じようなグロテスクをただひたすら繰り返すだけの、辟易さ。
-
この本が芥川賞を取って話題になっていたので、手に取った本。
まだまだ読書スタートしたばかりに読んだ、駆け出しの読書好きにはテーマが重すぎた。ただただ難しい、読みにくいなぁという印象で、内容はうすら覚えしかない。
また機会があれば読んでみたい。
-
2022.04.14 図書館
-
長大な物語となる『王国記』の始まり。汚物、死体、腐敗、暴力の描写が圧巻。我々は綺麗な物しか見ていないし読んでもいない。あらゆる物を通して神はその向こうに佇んでいるのだろうか。
-
再読。エロスとタナトス、聖と俗、理性と本能、それぞれのコントラストがこれでもかというほどの露悪的な言葉で表現されている。今となってはやや定型化されているキライもあるが、最初に読んだときは衝撃だった。結局、ここから『王国記』にはまだ進んでいない。
-
内容紹介
人を殺し、修道院兼教護院に逃げ戻った青年・朧。冒涜の限りを尽くすことこそ、現代では神に最も近く在る道なのか。戦慄の問題作 -
結構キツかったです。ほぼエロ小説です。途中、残虐描写に吐気が込み上げてきました。芥川賞って残酷な描写をしたら獲れるんじゃないか、選考委員がそういう描写が真実だとか真理に迫るとか斬新だとか深いとか思っているんじゃなかろうか、と疑ってしまいます。
レビューは良いものが多いし、作家の巧さも本質の伝えたい事もよく分かります。ただ、私は根本的にこういう描写を受け付けないので評価が低くなってしまいます。
私は残虐描写という発想や想像がそもそも不必要だと思っているので耐えられませんでした。暴力的な残虐表現はこの世に必要ないと思うし、見たくないです。私は皆が人を思いやり、優しさの想像を持てば犯罪はなくなると信じているから、文学という名のもとにあっても(というか文学だからこそ)残虐描写を出来るだけ避けて欲しいと願います。汚い言葉が溢れたら、そういう世界になるような気がします。言葉の力は強大だから。
半分くらい読んだ時点では、キリスト教、神の存在、人間の行為、命についてがテーマかと思ったのですが、3篇目はテーマが異なり、全体としての感想が難しいです。キリスト教の神の存在というテーマだったら青来有一さんの『人間のしわざ』を多くの人に読んで欲しいです。似たテーマでも主人公の年齢がこちらは熟年なので全く違う趣きです。『人間のしわざ』は、戦争という残虐な描写は少しありますが、胸が締め付けられるほど主人公の苦悩が伝わり、切なく、感動すら覚える素晴らしい作品です。 -
性行為と宗教が関連付けられてて面白い。
性描写と暴力描写が多いがスカした描写でないので
所謂いま氾濫している安っぽい描写と異なる。
“反復することの快感”という旨の記述が記憶に残っている。