螺旋階段のアリス

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163196800

感想・レビュー・書評

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  • 私が加納作品を読むのはコレが2作目なのですが、早くもイメージが確定されてきました。メルヘンチックなミステリなのだな、と。良い意味で、童話のような雰囲気を持っていますよね、とても可愛らしいのですよ!短編集だからかな…長編も読んでみたいところ。

    会社の『転身退職者支援制度』――いわゆる早期退職者募集のための制度だ――を利用して、仁木順平は30年以上もの間のサラリーマン生活に別れを告げた。そして新たな職場として「仁木探偵事務所」を開いたのだが、閑古鳥の鳴く事務所に3日目にして初めて訪れたのは、真っ白い猫と桜色のワンピースを着たアリス…ならぬ市村安梨沙だった。
    押しかけ探偵助手となった亜梨沙に「探偵」に抱いていたハードボイルドな夢を砕かれながらも、仁木は彼女の聡明さや人となりに好感を持ち、一緒に依頼をこなしていく。
    表題作「螺旋階段のアリス」以下、「裏窓のアリス」、「中庭のアリス」、「地下室のアリス」、「最上階のアリス」、「子供部屋のアリス」、「アリスのいない部屋」の全7作の短編集。

    タイトルを見れば察せられるとは思いますが、各話には有名なルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の登場人物や設定がちょこっと出てきます。しかも結構マイナーな登場人物だったりして、アリス好きとしては嬉しいところかもv 読んだのが結構昔でしたから、読み返したくなってきますね。もちろんアリスを読んだことが無くても大丈夫ではありますが…知っていた方がより楽しめそうな作品です。
    探偵のお仕事と言っても、依頼は失せもの探し・浮気シテナイ調査・犬探しといった平和なものばかり。亜梨沙と仁木の親子のような関係と相まって、ほんわかした雰囲気のミステリとなっています。
    ちなみに全編通してのテーマは「夫婦」だそうです。世の中いろいろな夫婦がいますよね、うん。
    私が気に入ったのは「最上階のアリス」です。不覚にも…泣きそうになりました。白の騎士はたしかに幸せだったろうと、そう思います…。

  • 推理小説ではなくファンタジーと思って読むのが正解かも。加納さんらしいふわふわ柔らかくて優しい物語。

  • 大手企業を希望退職して私立探偵事務所を開いた仁木順平を最初に訪ねてきたのは、白猫ダイナを連れた探偵助手希望の少女・市村安梨沙。成り行きに流されるままに彼女を助手に迎え、仁木は数少ない依頼と些細だけれど不可思議な謎を何とか解決していく──。仁木とアリス嬢の連作短編集。

    とにかく安梨沙嬢が可愛い!お茶淹れるの上手いし、髪の毛ふわふわだし、聡明だし謙虚だし、結構嘘つきだし。仁木のおじさまがめろめろになってしまうのも分かります。
    ハードボイルドを目指しているのに現実はなかなか上手くいかない日常の謎にへこむ仁木探偵に愛想を尽かさず、これからも影で操ってやってあげてほしいなー。

  • 2012.1.21

  • 脱サラ探偵仁木と美少女(人妻?)安梨沙が事件を解決!人々の心模様を「不思議の国のアリス」のキャラクターに託して描く七つの物語。(「BOOK」データベースより)

    なんとなく、スッキリしないと言うか、無理やりこじつけてるように感じてしまうお話が多かったです。

  • 2001年3月9日読了。

  • 2011.5.9 初読 市立図書館

    アリスシリーズ第一弾。

    アリサが可愛い。

    怖くないミステリーで面白い。
    奥さんの茉莉花さんがでてくる話が好き。

  • 人が死なない怖くないミステリー。

    アリスを彷彿とさせる謎の少女・亜里沙と、探偵・仁木の掛け合いがとても面白い。

    1話ごとに全てキャロルのアリスシリーズの登場人物がモチーフとなっているのもわくわくする。

  • 50歳を過ぎて探偵を始めた仁木。
    そこに飛び込んできたのは迷いアリス?

    再読。
    ほわほわしするのにしっかりミステリー。さすが作者。

  • アリスをもう一度読みたくなった。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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