- Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163219509
感想・レビュー・書評
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いくらもがいても満たされない日常。その中で、実は自分には違う一面があり、それが支えになる‥わかります。推し、副業。
思春期の女の子の残酷さ、中年といわれる年齢になったてからのもがきなどの描写や観察眼が鋭い。グロテスクに身をやつしても毅然として潔い女たちへの密かな応援の気持ちが芽生えます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相変わらずの救いのなさ…
気持ち悪くなるのはわかってて、読んでみようかと思わされる不思議なクセになるやつ。
どいつもこいつもこんなに闇ってあるか?
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名前に惹かれて読み始めたが、自分には読み進めるのがきつい。
好みの分かれる小説。 -
人間、自分が悲しむことや傷つくことを恐れて、それを人生の中から切り離した瞬間からこの世で戦うということしかできないのかなと思った。幼い頃に出来上がってしまった歪んだ「社会」像。子どもの頃は世の中を俯瞰できないし、自分の環境こそが全てで、そこで勝たなければいけないと思うのは当然のことだと思う。常に勝ち負けや優劣が存在している世界。でも、いつまでもそこに囚われ続けて生きること、自分らしく輝ける居場所を見つけられないことの虚しさを感じた。あるいは、そこにある歪みに傷ついてるのに、傷ついてるって言えないことの辛さ。
自己愛をベースに自分の喜びから何かを選択することを決意できない限り、永遠にその囚われの中で誰かに自分の存在価値を認めてもらうことを求め続けなければいけないのだろう。世界と壁を作りながら、その中で幸せを掴むことは恐らくできないのに、いつまでも外側の価値観に従って認められた瞬間こそが自分の幸せだと勘違いしながら生きる…やっぱり虚しいことだなぁと思った。悲しみや傷つきを見せたくないから誰とも繋がらなくなる。虚勢を張って誰にも本音を言えないし、人を寄せ付けないような人たちの心をのぞかせてくれた桐野夏生さんに感謝したい。 -
「東電OL殺人事件」をモチーフにした小説。タイトルどおり、精神的にグロテスクな内容で、本の引力にがっつり引き込まれますが常に気分が悪くなります。
小説としての出来は素晴らしいです。人間関係がうまくいっている時に読むのがいいです。 -
気持ち悪くなりながらも、最後まで引きこまれて読んだ。ラストが何とも…こわっ…
性産業に肯定的、前向きな女性の発信を見ることもあるけど、わたしはやっぱり体や性を商品にするということを肯定できない。
ただ、男女交際が唯一の娯楽でありステータスだったあの学生時代、幸か不幸かそういったスターテスを得ることなく孤独だったことを思い出す。
もしあの時、ユリコのような美貌を持っていたら…和恵のように勘違いを重ねてたら…
自分も同じ運命を辿ったかもしれない、と恐ろしい。
出てくるのは極端な人物と環境ばかりだったけど、どこかリアルで、ゾクゾクと怖くなる小説だった。私を一人の人間として認めてくれる職場や夫に感謝したい気持ちになった。 -
2019年2月10日に紹介されました!