空中ブランコ

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 6787
感想 : 1251
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163228709

感想・レビュー・書評

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  • 「イン ザ プール」に続く伊良部先生シリーズ第2弾。
    こちらは直木賞作です。
    とても とても馬鹿らしい話の連続。
    でも、読み終えると小さなことで悩むことが馬鹿らしくなってきます。
    とても元気の出る本でした。

  • 稚気に富む神経科医の伊良部って、実のところ脇役なんかなぁ。偶然に彼のところを訪れた悩める患者たちが主役で、もちろんいくらかは治療の効用もあるのだけれど、基本的には周りの仲間たちの支えと時間とがクスリになって病を克服していく物語でしょ。伊良部が天然なのか計算尽くなのかは知れないけれど、尋常でない振る舞いがおもしろいと受容できるかどうか。あまりに現実と乖離していてきついか。患者の設定が富んでいるのが魅力で、小説で読ませるより脚本にして観せた方がいいのかも。田舎の公務員を患者に仕立ててストーリーを考えてみるが、どんな病の設定がおもしろいやら、なかなか思いつかない。

  • あははっ。
    ニヤケながら読み終えました。
    伊良部先生健在だわ!

    今回、「空中ブランコ」「ハリネズミ」「義父のヅラ」「ホットコーナー」
    「女流作家」の5本立て。
    登場人物たちはそれぞれ本気で悩んで精神を病んでいるんだけど
    伊良部先生にかかると、 どこか滑稽で笑えてしまう。
    「義父のヅラ」は、正直かなりニヤケながら読んでしもた。
    だって、確かにやりたいもの。やってしまいたいもの(笑)

    「女流作家」はちょっと、自分の体験と重なるものもあったりして
    身につまされるね。
    表現をするっていうのは、なかなか難しい。
    伝えようと思ったこととは違うことが受け取られてしまったり。
    伝えたいことと、受け手の知りたいことのギャップだったり。
    損得勘定中心で動いている世の中への憤りだったりね。

    しかし、伊良部先生最強だわ。
    次回作も楽しみです♪

  • 子供の頃読んだのだが大人になって精神科に通うようになってからそういえば自分と似た症状の人の話があった気がすると思い読み返してみた。
    義父のヅラという話がそうで症状が似てるんだけど読み返してみたけどあんまり自分の治療の参考にはならなかった。
    私の場合はいやな言葉が頭に浮かんでそれを大声で言いそうになって、口に出したくもない言葉なので困ってたんだけど、この登場人物の場合はやってみたいことが浮かんでて抑圧された欲求が原因みたいだったから私の場合とちょっと違うし。
    物語としては全体的に読みやすくてよかった。
    女流作家という話は最後ちょっと泣けた。

  • 伊良部先生、2冊目。

    その道のプロが、今までできていた事がふとした事でできなくなる。

    そんな話が多かったような。

    人間って繊細だな。

  • その道で一流と呼ばれプライドを持っている人にも、どうにもうまくいかない時がある。周囲の目を気にして、自分の弱さをさらけ出すことができない。そんな時、人目を忍ぶようにして訪れた精神科医は…。
    これは計算された治療法なのか、いや、本人(医者)が楽しんでいるだけのように見える…そこがたまらなくおもしろい。

  • 嘘みたいな精神科医。嘘みたいな患者。でも面白い運びで進むんだよね。

  • やはりはずれがない。

    なんだか元気になれる小説。

    「義父のヅラ」がいいね~!!
    義父である教授のヅラをはがしたくなる医者の話。
    この悩みに対する伊良部の対処療法もほほえましくなってしまった。

  • 前にアニメをチラッと見ていたので読んでみました。相変わらず伊良部先生は面白かったです。


  • 短編集。

    変だけど、憎めない精神科医伊良部先生がいい。
    全編読んでみて、装丁を見てなんとなく想起する話があって「あー」と思ってクスリと笑える。

    精神的な病は、きっと根が深くて、こんな風に簡単に治らないんだろうと思ったり。
    でも、治る時はこんなふうに、ふっと治るんだろうなと思ったり。

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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