- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163263502
感想・レビュー・書評
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2015/08/27 読了
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「道楽からは詩は生まれない」という最初の方に出てくる一言が読後まで続く本。生きることも、愛することも、詩を書くことも文字通り「生命を賭して」やった荒地グループの詩人たちが死ぬまでをたどる。
クンデラ『存在の絶えられない軽さ』のような愛憎劇に、詩の世界がまじりあって濃密で重い、でもどうしようもなく惹きつけられる。
最後の章の主人公・北村一郎の詩
モノをほしがる物欲、のほかに
ココロをほしがる心欲、まで持っているから
ヒトは怪物、なのだ 「すてきな人生」
という一節が痛切に沁みる。 -
最初のうちは、この詩人・北村太郎の身勝手さに腹が立って仕方がなかった。
自分の勝手で浮気したくせに、妻のことを鬱陶しがって(るように見えた)、「何様!?」とムカムカしました。
だけど、読み進めて行くうちに、ど~も、この北村という人、にくめない人になってくるんだよなぁ……。
最後はなんかしんみり、「そうか……」と残念なような、清々しいような気持ちで読み終わりました。
ここに出てくるのは、実在した詩人の方々なんですね。
詩には本当に疎いので、知りませんでした。 -
詩人・北村太郎の50歳を過ぎてから69歳で亡くなるまでの人生そして恋。
面白かったです。一気に読めてしまいました。
最初、自分の不倫を奥さんに打ち明けてしまうなど身勝手さになんなの、コレ?という感じがありましたが・・
読み進めるうちに突っ走っちゃう人なんだなあと納得。
芸術家ってそういうものなのかもしれません。
それにしても50すぎて極貧生活を続け、不倫相手との恋にも破れたのに「気持ちは変わってしまった」と家に帰らない主人公のエネルギーの強さにはびっくり。後半の若い女性との恋を成就させちゃうのもこの生きるエネルギーゆえなんですね。 -
田村隆一 北村太郎
正直な生き方 -
2008年1月9日(水)、読了。