荒野

著者 :
  • 文藝春秋
3.78
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本棚登録 : 2270
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  • Amazon.co.jp ・本 (506ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163270401

感想・レビュー・書評

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  • ドロドロしてない、少女漫画みたいな展開でさらっと読めた。

  • 「私の男」の印象が強かったので、こんなにマイルドなのも書くんだーと驚きました。ヤングアダルト小説なのかな。もっと現実はドロドロしてそうですが、きれいにまとまっていました。
    初出は2005年の本でだいぶ前ですが、台所の女とか、20歳を越えるとおばさんとか、女の子だからそんなにがんばらなくてもいい等の台詞が気になりました。

  • 乱暴しようとする少年。やんわりと押さえつけようとする義理の母親。話のアクセントとして登場する(ように読めてしまう)同性愛者の少女。
    その全てが苦しい。なぜ読んでいてこんなに苦しいのだろうか。
    多くの人が読んでいても通り過ぎてしまう部分で、う、となってしまう。

    桜庭一樹は、少女が"女"になるために乗り越えなければならない成長痛のようなものをきっちりと書く。
    読んでいてしんどいのは、きっと自分が大人になりきれていないからだろう。
    読み手の未熟さを抉り出す、ナイフのような小説。

  • 荒野とそんなに年は離れていないはずなのに、
    なぜか遠い昔を眺めているような気持ちになった。

    読みながら、荒野が、どれだけ「女」になることや時間の流れを敏感に感じ取っていたのかに気づき、驚いた。

    自分が中学、高校のときは、それこそ未来なんて何も思い描いてなかったし、日々の、自分や周囲の変化にも気がついていなかった。

    ずっと無意識に日々を積み重ねて、気がついたら今にたどり着いていた感覚。

    だから、荒野がどんどん変化していくのを眺めながら、自分もこうだったんだなぁと思い出していた。
    特に、中学のときはクッキリ別れた敵同士だった男女が、高校では溶け合う部分に、そうだったよなぁと共感した。

    今を離れて、昔に引き戻してくれる本。
    匂いや雰囲気の描写が丁寧で読みやすい。

  • わーっと読めたけど、なんだかちょっと期待してたのと違うという感じ。
    少し少女漫画的で。
    鎌倉の古い家や庭や草いきれは濃く感じられたけど、
    登場人物がマンガ的すぎてあまり、入り込めなかった

  • 正慶さんも蓉子さんも、出てくる人みんな謎で、スッキリしない。
    蓉子さんの息子はかっこよさそうだけど。
    荒野のよさもイマイチわからなかった。

  • 子ども子どもしていた12歳から、徐々に女が目覚める数年間を描いた作品。
    読む前はずっと荒野を「あれの」と思っていましたが、「こうや」だった……変わった名前だけどツッコまれないのね……と思ったら初出ファミ通か!
    そしてこの主人公……ぼーっとしつつも女性を食い物にして作品に昇華させるお父さんに似てるんだろうな……恐ろしい子(ー_ー)!!

    装幀 / 大久保 明子
    写真 / 大橋 愛
    初出 / 『荒野の恋 第一部』『荒野の恋 第二部』(ファミ通文庫)加筆修正、書下ろし1本

  • 普通の家族とはちょっと違う家庭の中に「母」ではなく「女」が居る環境で育ってきた荒野の青春の甘酸っぱい一ページといった感じ。

  • 少女だった荒野の中学高校時代。

    女性の影が絶えない恋愛小説家の父。
    家政婦として家にいてくれた奈々子さん。

    平和だったお屋敷に、奈々子さんが去り、予期せぬ父の再婚で、同級生の神無月親子と同居することになった。

    家事が完璧で、荒野の戸惑いにも屈せずに過ごす蓉子さん。
    秀才で荒野を求めてアメリカ留学することになった悠也。

    体の変化には鈍感だけど、心の変化には敏感で、いつまでも子供だと思っていた荒野の揺れる気持ち。

    なんだ、悠也が実はヤバイ奴で荒野を陥れるもっとドロドロしい展開だと思っていたのに、普通だった。
    鎌倉行きたい)^o^(

  • 子供から少しずつ大人に近付いていく思春期のお話ですが、なんか純粋すぎてつまんない。どろどろしたものから遠ざかろうとする子がヒロインだから仕方ないんだろうけど。お父さんを中心とした、周りの人間関係なんかは複雑で面白いんだけど。

著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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