太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで 上

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163764207

作品紹介・あらすじ

山本五十六は言った。「あれで、真珠湾をやれないかな」戦争の勝敗は、戦艦を中心とする艦隊が一気に敵を殲滅する海戦で決する 。古今東西の海戦を研究したアナポリスの教官が書いた一冊の本が日米両海軍の理論的支柱となった。ところが、日本海軍に生まれた一人の異端児が、その教義に根本的な疑問を抱き空母の艦隊による航空一斉攻撃という革命的手法を発案する米主要紙絶賛、米国の若き海軍史家が描く「日本が戦争に勝っていた一八〇日間」

感想・レビュー・書評

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  • 2023.10.20 社内読書部で紹介を受ける。アメリカ目線の太平洋戦争。

  • 図書館で借りた。三部作に及ぶ本シリーズを一言で言えば「米国人から見た太平洋戦争」である。第一部の上巻である本書では「真珠湾攻撃」から「マーシャル・ギルバート諸島機動空襲」までが語られる。日本側の書籍ではなかなか語られない真珠湾攻撃後の米英間であった外交交渉や米国側の戦闘被害の実態なども詳しく語られていて、非常に興味深かった。下巻以降の展開も楽しみである。なお、一部で酷評の多かった訳文についてだが、特に読みづらさなどは感じなかった。

  • 日米両軍の視点で太平洋戦争の最初の半年を描く。両軍の提督、政治家の考えや決断が比較できて興味深い。そして両軍ともグダグダだったんだなと分かる。やはり戦争はまともには推移しない。
    それにしても、こうした戦闘は二度と行われないのだろうなぁ。広い海原で相手を探しながら戦うなんて、現在の軍事技術からすれば想像もできない。でも実際にそうなったら、どんな展開になるのかね。まずは衛星を落とし合うのかな。それとも衛星が使えなくなるのも織り込み済みの技術があるんだろうか。

  • 真珠湾攻撃直後のアメリカの周章狼狽ぶり。本土まで日本軍の攻撃に怯え,果てはミシシッピ川が防衛線という噂まであらわれた。実際、スパイに対する警戒は結構なものであった。

    真珠湾の惨状についての生々しい証言。日本が第三波の攻撃をおこなわなかったことについても

    万世一系の云々とか,あらためて外人の目を通してみるとなんともオカルト的なノリである。なぜかアーリア人至上主義のヒトラーとの相性が良いのも、現代のAlt-right的な人々同士の親和性を考えると合点がいく。

    日本の海軍航空隊は日中戦争で大きな戦果を挙げたが、マハン・ドクトリンからの転換までは果たせなかった。情報統制下での大和・武蔵の建造。

    太平洋艦隊司令官着任によりハワイ赴任を前にして、金曜日の午前は娘の学校のクリスマスを見に行くニミッツ。西への旅は休息を取るために鉄道で、安全のため偽名を使っていた。

    <blockquote>あのタンクは50口径の焼夷機銃弾で機銃掃射すれば破壊できただろう。・・・もしわれわれの燃料油の貯蔵が破壊されていたら、ヨーロッパ全体で燃料とガソリンがひどく不足していたことを考えれば、その貯蔵を回復するのに何年もかかっただろうし、われわれの太平洋の戦いもそれに応じて延期することになったことだろう ー ニミッツ 真珠湾の損害を確認して</blockquote>

    日本軍はアメリカの速力の遅い戦艦を沈めることにより、アメリカ艦隊を17ノット艦隊から25ノット艦隊に変えた。アメリカ海軍上層部は航空部隊と潜水艦の優勢を認めざるを得なかったが、威風堂々たる戦艦群が無傷だった日本海軍では同様の適応が遅れた。

    キング提督の戦時中の政策は、参謀と海上勤務でたえまなく将校を入れ替えることだった。こうして行き渡った経験と視点が海軍全体の能力を向上させるとした。
    →ローテーション制度でも同じですな。現場と中央の行き来

    真珠湾攻撃によりアメリカが対日戦に参戦したことはチャーチルを喜ばせたが、両国の間では太平洋とヨーロッパとのあいだでの資源分配や、統合指揮の問題などせめぎ合いがあった。ローズヴェルトとチャーチルの個人的信頼関係もあり真の連合国を作り上げたが、これは最後まで名目的な同盟に過ぎなかった枢軸国と好対照だった。

    真珠湾以前は米軍艦の内部はペンキで塗られていたが燃えやすいことが判明。スクレーパーで塗装を剥がしていった。

    ハルゼーのマーシャル諸島攻撃はささやかな戦術的勝利だったが、それ以上に貴重な実戦経験を米機動部隊にもたらした。高速航行中の陣形維持、航行中の燃料補給、空母上空の戦闘機を管制するレーダーや通信などなど改善点が洗い出された。

    ハルゼーの空襲は日本海軍に東京の脆弱性を意識させた。宇垣は東京への空襲があることをその時点で正しく予期していた。

  • 『太平洋の試練

  • 米国側から見た太平洋戦争海戦史。ニミッツやハルゼーがどう動いたかなど、ある程度戦史を知ってるとなるほどと面白い。米国戦史だけど、様々な評価が日本側のものと大差無いのをみると、何だかんだで戦史というのは冷徹な評価がなされているのだなと感心する次第。

  • 内容はともかく、訳しました候! な日本語でつらい。もう少し自然な言い回しにならんかな…。

  • 【日本がアメリカに戦争で勝っていた六カ月】日本は戦争に勝っていた。アメリカの戦艦をほとんど沈め英国の主要艦も撃沈。連合軍は壊滅状態だった。日米海軍から見た最初の半年。

  • 日本軍部隊の正確な位置がわかっていなかったのは事実だが、先頭ではかけにでることがしばしば必要であり、「敵があらゆる方向に優勢な兵力をもっているということはありえない」

    「人間、たまには清水の舞台から目をつぶって飛び降りることも必要だ」

    聯合艦隊司令長官は戦争最初の一手を決断したが、もっと懸命な道はそもそも戦わないことであるという信念は変わらなかった。

    ローズヴェルトのことを公表している”かれが全国民をこれほど完璧に代表していたことは二度となかったと思う”

  • 米国は戦艦を失い、そして空母だけが残った。

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