火花

著者 :
  • 文藝春秋
3.27
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本棚登録 : 14802
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902302

感想・レビュー・書評

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  • 上石神井まで徒歩45分。ハモニカ横町「美舟」の肉芽。いせや横の階段。井之頭公園の自販機の明るみ………地元本



     私にっての地元小説だった。ありがとう。


     私の感想は「冷静と情熱のあいだ」そんな内容である。
     
     控え目リアリストの徳永と傾奇者としてしか生きられない神谷の関係性は、真逆だから惹かれあう、それでも本質は、冷静と情熱のあいだ。



     おそらく見た目もさえないだろう男二人がメールのやり取りでイチャイチャしている様が良いリズム。そのリズムがオカシクナッテいくさまがミニマリズム。

     芥川賞受賞も納得です。

  •  お笑い芸人の又吉直樹による芥川賞受賞という話題の作品。
     若手芸人の先輩後輩の一風変わった主従関係をユーモラスに描いている。
     「お笑い芸人」と「作家」という、あまりない組合せに共通点を見出すとすれば、両者とも、日常の生活の中から常に題材を探しており、その人間観察力は非常に鋭く、表現力が巧みであるというとこではないかと、本書を読んで感じた。

    • きよっそんさん
      この本は読んでいませんが、NHKの又吉直樹の出演する番組を毎週見ています。独特の観察眼をもっていて興味をそそられる芸人さん(作家?)ですね。
      この本は読んでいませんが、NHKの又吉直樹の出演する番組を毎週見ています。独特の観察眼をもっていて興味をそそられる芸人さん(作家?)ですね。
      2016/07/24
  • ブログをこちらに書きましたので、宜しければお読みください。

    http://sommelierofbooks.com/fiction_nonfiction/hibana_piece_matayoshi/
     
    お笑いの又吉さんが芥川賞を取ったことでも有名な作品です。
     
    売れない芸人徳永と、それ以上に売れない先輩神谷の交流の物語。
     
    徳永という人物は恐らく、又吉さん自身なのでしょう。
     
    全体から、彼自身のお笑いに対する思いがあふれ出ています。
     
    もうちょっとここのエピソード、話を膨らました方が良いんじゃないかな?と言った粗削りな部分が多いと感じましたが、それでも又吉さんにしか書けない作品として、評価されたのかな?と感じました。
     
    お笑いに対する又吉さんの思いを知りたい方や人生を見つめ直したいと思った方におすすめの作品です。

  • 読み終わって、とにかくビックリしました。
    いろんな賞に輝いている小説をこれまでいくつも読みましたが、ここまで稚拙なものに遭ったのは初めて。さすがに賞を取ったのだから、おもしろいかどうかはともかく、ある一定レベルには達しているだろうと決めつけていただけに、衝撃でした。
    具体的なエピソード抜きでひたすらオレ世界観を延々と聞かされる本です。
    又吉さんって本が大好きみたいだから、今後年月が経過して、一読者と同じ目でこの小説を読み返す時がいつか来るでしょうが、その時は自分でこの小説の出来が痛いほど分かるんじゃないかなぁ。
    いずれにせよ、これに芥川賞を受賞させるに至った経緯とか背景とか要因とかを考えると、ちょっと暗澹たる気持ちになります。

  • 読みやすいけど、面白くはない。

  •  若手漫才師の主人公とその師匠との会話を中心とした話。割と静かに流れていくような文章だった。会話がボケとツッコミでできているにも関わらず、面白いというより流れるようだった。なんだろう、ぱっと散ってしまうような刹那的な輝きを求めてしまうのだとしたら、それは違うような、だけど、その輝きに憧れてしまうような、危うさと揺れを感じる作品だった。

  • 世間から評価されるということ。あまり世間の常識からかけ離れていては、理解されない。常識に乗っとていたら、面白さ(おどろき)がない。目立たない。ちょっとだけ、半歩先行くぐらいがいいようだ。神谷氏は、自分の世界を持ち、面白いはずだと思い込んでいる。理解されないから、マスコミデビューできない。彼の笑いの哲学は理解するけども、ついていけない主人公と「世間の人々」。
     ちょっとマスコミの嗜好の志向に合えば、一気に人気が出る。しかし一発芸で終わる芸人の多さ。
     半歩先の驚きでデビューしても、その後自分の世界に世間の嗜好を引き込んだのがタモリの「プラタモリ」世界や、ビートたけしたち。
     この作品。小説として読むと、芸(自分の世界)を極めようとする群像が描かれているが、メリハリというか小説としての牽引力をなかなか感じれずに、読み終えるのに時間がかかった。作者の話題性が先行してしまったのが惜しい。
     

  • 作者の文体が淡々としていて良い。途中思わず泣いてしまい、このまま終わると思いきや最後の落としには驚愕した。作者の経験と才能が絶妙にマッチした一冊。

  • 解散ライブが良かった。
    相方、あまり出てきませんが好きです。
    最後のエピソードは蛇足のような。
    どうしようもない神谷さんを見るよりかは、失踪したままの方がよかった。
    それが神谷さんらしさなのかもしれないけれど。

  • お笑い芸人「ピース」又吉による芥川賞受賞作品という,2015年最大の話題作。著者ならではの漫才師の世界が描かれていますが,お笑いにあまり興味のない読者であっても,きっと引き込まれる作品になっています。

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著者プロフィール

又吉直樹(またよし・なおき)
1980年、大阪府寝屋川市生まれ。2003年より、お笑いコンビ「ピース」として活躍。2015年『火花』で第153回芥川賞受賞。代表作に『東京百景』『劇場』『人間』など。

「2021年 『林静一コレクション 又吉直樹と読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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