片桐大三郎とXYZの悲劇

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903354

感想・レビュー・書評

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  • まあまあ

  • レーンオマージュだったんだ…全く気づかず

  •  もとは時代劇俳優として大活躍した片桐大三郎さんは、耳が聞こえなくなったことで現役を引退し、芸能事務所の社長をしている。
     乃枝さんがPCで打った内容が、片桐さんのタブレットに表示される仕組みで、片桐さんと他者との会話が成立している。
     警視庁特殊捜査課の刑事さんたちに頼まれて、事件の謎を解いていきます。

     エラリー・クイーンのドルリー・レーンのですね。
     パロというか、オマージュ?

     見事な推理で、謎解きも展開もおもしろかったけど、突っ込みたいこともある。

     まず、乃枝さんが耳代わりとなって、人が喋ったことをPCで打つ設定。
     それは別にいいんだけど、例えば社内で仕事のことを話されたときは、乃枝さん自身も理解している内容だから、間違いなくすんなり打てるだろうけど、刑事さんが話す事件の内容、専門用語とか、毒の名前とか使用量とかそんなの、間違いなく打てるのかな。
     たとえ刑事さんがゆっくり喋ってくれたとしても、結構長いセリフとかもあるのに、大丈夫…? て思う。
     あと、人の名前とか。どんな字を書くかの説明もないのに、間違いなく打てるわけないよね?
     そこは何か紙ベースの資料があって、それを見ている設定?
     なら、事件の内容も、紙の資料を渡せばよいのでは?? それか刑事さんがPC打つとか。

     あと、事件関係者宅を訪れた際、家人が「今お茶を」て言い掛けたところで、片桐さんが「心遣いはご無用」て遮るんだけれど、いや、乃枝さんが打った文章を見てからの返事になるはずなのに、何でそのタイミングで返事できるの?
     いくら乃枝さんが、相手が喋り終わらないうちに打っているとしても、家人が言葉を途中でやめたのは、片桐さんの遮る言葉があったからこそなのに、これじゃ喋るのと打つのがまったく同じタイミングになっちゃうよ。
     自分で喋りながら打ってるわけじゃないのに、そんなこと出来ないでしょ! 出来ないよね!?

     それと、引退しても、まだなお大スターである片桐さんが、警察から捜査内容を聞いたり、捜査資料を見た入りして、しかも事件関係者に話を聞いて回ったりするの、マスコミとかが騒がないわけないよね?
     捜査資料を見るとか、警察としても情報漏洩だと思うだけど…。
     本人が黙ってたって、話を聞かれた人とかが喋ったりネットで流したりすることもあるよね。

     てことで、謎解きとは全然関係ないけど、読みながらずっと気になっていたことでした。

     それにしても乃枝さん、まさに可もなく不可もない人ですね。当たり障りのないというか。
     実在の人物ならこれで何の問題もないけど、小説に登場するキャラとして、特別嫌いになる要素もないけど、大好きになるほどのこともない、ていう。

     あと、最終話は、文章の書き方で何となくオチが分かりましたね。
     そこがどんでん返し的なところだったんだろうけど。

  • 安楽椅子探偵

  • 面白そうではあるけどなぜか頭に入らない。

著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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