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著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 383
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163910345

感想・レビュー・書評

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  • ある消防署を舞台に、勤務する消防士たちの姿を描いた連作短編集だ。

    本の帯にある通り、ヒーローたちが活躍する物語、というよりは、彼らの暗部がさらされたりするやや後味の悪い物語も混じっていて、単純ではない。

    消防や救急の豆知識のようなものが作中のそこここに登場し、なるほどなあ、と興味深かった。

  • 消防士の小説

  • 消防士版教場。
    この種の職業にヒーローであることや滅私奉公を求めることはしてはいけない。
    でも人命や治安に関わる仕事なので思うところもやっぱりあるかも……。

  • 消防士をテーマにしたミステリー連作集。

    ・石を拾う女
    ・白雲の敗北
    ・反省室
    ・灰色の手土産
    ・山羊の童話
    ・命の数字
    ・救済の枷
    ・フェイス・コントロール
    ・逆縁の午後
    の9編収録。
    この著者の短編は連作の方が面白いです。
    わざとらしい蘊蓄やあざといオチは鼻につきますが、そんなに読後感は悪くないですし、サラッと読めました。
    登場人物のうち、大杉は感情的な闇が深いような気がしましたが、他の登場人物は暗部がありながらも好人物たちでした。

  • 若干詰め込み過ぎかなと思うほどの短編集。短すぎて呆気ない幕切れのお話もあればフェイスコントロールや逆縁の午後などずしりと重たいお話も。連作短編なので繋がりをもって読めたのがとても興味深い。

  • *――怖がるなとは言わない。だが、恐怖を他人に感染させるな。 消防学校時代の担任教官が、たった一度だけ口にしたそんな言葉がいまでも忘れられない。(「白雲の敗北」より)。ベストセラー『教場』『傍聞き』の短篇の名手が贈る、和佐見消防署消防官たちの9つの物語。雨の翌日、消防司令の今垣は川べりを歩く女性と出会う(「石を拾う女」)。新米の土屋と大杉は「無敗コンビ」だった(「白雲の敗北」)。女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見(「反省室」)。西部分署副所長の吉国は殉職した息子のお別れ会で思い出を語るが……(「逆縁の午後」)ほか5篇*

    消防署版教場、のような雰囲気ですが、特定の人物が主人公ではなく、和佐見消防署の消防士や関係者の一人一人にスポットが当たり、少しづつ連携して繋がっていく短編集です。
    長岡氏らしく、1編1編がよく練れていてずっしりと重く、とにかく読み応えがあります。内容的には明るくないので読後は少々疲労してしまいますが、しっかり本を読み込みたいと思う時にはお勧めの1冊。

  • 消防署を舞台にした9話。過酷な業務内容がよく描写されてると思う。

    最後の話は救われないなぁ、、、

    「石を拾う女」
    「白雲の敗北」
    「反省室」
    「灰色の手土産」
    「山羊の童話」
    「命の数字」
    「救済の枷」
    「フェイス・コントロール」
    「逆縁の午後」

  • 教場が面白かったので読んでみました。今回はそんなに響きませんでした。こんなに軽かったっけ。

  • 長岡弘樹の消防士の心理を描いた9つの短編でしたが、どこか教場シリーズを彷彿とするような内容で、さすがに長岡弘樹の心理ミステリーは、どの作品も面白いですね!
    長編でなく短編というのが、また内容がコンパクトな分、濃密で心理描写が巧みで面白いですね!
    特定の人間が主人公な作品ではないので、教場のようにシリーズものにはならないのかもしれませんが、続編ができればまた読んでみたいです。

  • 長岡氏の消防士もの。舞台が警察から消防になったが、やはり私には長岡氏の文章やプロット・ストーリ構成、どれをとっても体質にあわないようだ。全く面白くない。もう多分読まないと思う。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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