- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163917139
作品紹介・あらすじ
安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版!
「回顧録」で明かされなかった肉声をふんだんに収録。
暗殺前夜も電話で話した、20年間の取材の総決算!
【目次】
第1章 第三次政権への夢
第2章 雌伏の五年間と歴代最長政権
第3章 慰安婦問題と靖国参拝
第4章 トランプと地球儀俯瞰外交
第5章 拉致問題解決への信念
第6章 習近平との対決
第7章 生前退位と未来の皇室像
第8章 スキャンダルと財務省
第9章 岸家と安倍家の葛藤
感想・レビュー・書評
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安倍さんもそうだが、著者の岩田明子さんにも興味が出てきた。
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「ポストは天からの預かりもの。特に総理大臣はそうだ。私心でポストを求めてはいけないし、私物化すれば何らかの形で自分に跳ね返ってくる。常に公の精神が必要で、国のためになるかを考えて人事を行わないと、必ずどこかで破綻する」という考えを安倍さんは持っていた。
現総理や総理を目指す政治家達に聞かせたい。
また、小泉訪朝の同行時、出発前に昭恵さんに「北朝鮮で殺されるかもしれない。政治家の妻として、覚悟しておいてほしい」と。
その時の日朝首脳会談の控え室で「拉致を認めない限りは、日朝共同宣言に署名すべきではない」と小泉らに大声で訴えたのは有名な話だ。
これほどまでに真剣に、覚悟を持って北朝鮮に対峙する政治家が今いるだろうか。
岸田首相は訪朝に意欲を見せていると報道されているが、自分の政治的延命のために利用しようとしているようにしか思えない。
政治の体たらくに触れるたび、安倍さんの突然の死が惜しまれてならない。 -
2022年に亡くなった安倍晋三元首相の番記者だった岩田明子氏による回顧録。2002年頃からの担当だったようで、その頃からの安倍元首相の政治活動の歩みを当時の取材内容を振り返る形で記述が進んで行く。
内容としては、普段の報道では伝わって来なかった安倍元首相の考えなどが記されていて、いろいろと評価する向きはあると思うけど、現代においては不生出と言っていいくらいの偉大な政治家だったように思う。
20年に渡り取材してきた対象が突然亡くなり、その死後1年で出版したというところが大きいと思うが、安倍元首相が亡くなったことによる躁状態のようなテンションな感じがする。このタイミングでの書籍としてはこれで良いが、安倍元首相の事績についての評価などが定まってきたら、もしくは事績の評価と並べる形で再度、落ち着いた状態で再び安倍元首相について執筆されることを願いたいです。 -
政治家としての安倍さんのこれまでを綴っているけれど、なぜだか読んでいて虚しい気持ちになってしまった。政局を生きた人なのだなぁ。
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安倍くんのことが嫌いだった、っていうかいまでも……嫌いだ。何で嫌いなのかというと、もはや嫌いという思いが先行してか理由づけがちょっと難しいことに気づく。でも、モリカケや桜を見る会といった騒動を思い返すだに、また、国会での品のないヤジといい、やはり「人品卑しからぬ」とはいかない雰囲気を感じていたのではなかろうか。
新興宗教に人生を翻弄された青年の手によってという亡くなり方も自業自得という印象だけど、一方、亡くなったことでちょっと落ち着いて安倍くんのことをとらえてみようという気持ちも生まれた気がする。巷では『安倍晋三語録』が話題になっているが、ヘソ曲がりリベラルな自分としてはこちらの本を読んでみた。岩田さんと安倍くんの仲もどんな感じなのか知りたかったしね。
岩田さんというバイアスがかかって見る安倍くんではあるのだが、読んでみて思ったのは、安倍くんは安倍くんなりにちゃんと(といっていいのかと思いながら)やっていたんだなあということ。特に第二次政権にあっては驕った部分もあったが、北朝鮮の拉致問題への対応とか、地球儀を俯瞰する外交だとかには安倍くんなりの信念があったのではないか。
政治家に大切なのは思い、信念ともされる。そういう意味では安倍にそれなりの思いがあったようであり、その思いに対して真摯に活動したようにも思える。ただし、思い込みが信念を導いている感もなきにしもあらずか。
また、安倍政権には第1期と2期があり、そこは分けてとらえるべきだとも思った。第二次政権では第一次とは打って変わった強靭さがあった。ダメダメくんが克服して生まれ変わった好事例ともいえそう。
昭恵さんとの仲も政略的・戦略的なものなのかしらんと思っていたけど、家族にはやさしく、身内や関係者を遇する人だったようなので、ポーズでなく本当に晋三・昭恵カップルなりの絆があったのかも。
書中で「強か(したたか)」という言葉がよく出てくるんだけど、まあ、確かに安倍政権はこの言葉がしっくりきている感がある。 -
安倍元総理に最も食い込んでいたという、元NHK記者による、思い出し語り。
雑誌連載をまとめたものらしい。
回顧録と、そう変わらないのだろうが、なぜか、一歩引いて読んでいた。
なぜだろう。
生前のリアルな動き、発信をぼくが知らないせいもあるだろうが、なんか、こう言ってたのを私だけは聞いたみたいな。
回顧録ほどの、そうだったの感とか、やっぱりね感を感じなかったかもしれない。
しかし、さりげなく、女性天皇と、女系天皇を誤解させるのはいただけない。
安倍元総理が、本心でどう思っておられたかはわからない故に、「利用」としか思わない。 -
東2法経図・6F開架:312.1A/I97a//K
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安倍氏に最も食い込んだと言われている元NHKの岩田記者。これだけ親密に日々会話を交わしていたとは驚いた。
折々の安倍氏の肉声・苦悩が聞こえるのは本書の良さだが、既に安倍氏の回顧録が出た後では、新しいものには乏しかった印象を受けた。それでも回顧録のモリカケ問題に対する安倍氏の発言には違和感があったが、あれは安倍氏の奢りが招いたものだという著者の分析は得心できた。
安倍氏の発言に「知識の深みなき保守政治家、というのは成り立たない。他方で知性による観念だけの政治も意味をなさない。真の保守政治家は常に勉強や研究を重ね・・・」というのがある。自らの信条・信念を大切にしながら現実的。第一次政権の屈辱の退陣から、自らを律し、研鑽を重ねてきた安倍晋三という政治家が全てが表れているように思えた。 -
【安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版!】20年にわたり安倍氏を取材してきた元NHK記者が「回顧録」にも書かれていない肉声を記録した膨大な取材メモからその実像を描く。