- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163942063
作品紹介・あらすじ
赤道直下の熱帯雨林、地上四十メートルの林冠部が〈カナピウム〉と名付けられた未来。豊かなる生態系を誇る樹上には、多彩な生物が集まっていた。生命の坩堝たるこの場所で生きる少女たちは、枝から枝へしなやかに跳ぶ――。やがて〈巡りの者〉と出会った少女たちは恋を知り、ともに森を襲う試練と闘っていく。日本SF大賞を受賞したSF巨編『華竜の宮』で人類滅亡の危機と闘いもがく人々を描き話題を呼んだ著者が初めて紡ぐ、たおやかなる少女のビルドゥングスロマン。イラストレーション:鈴木康士
感想・レビュー・書評
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命の匂い。死の匂い。どれほど高度な技術を獲得しても、この香りだけは絶対に作り出せないだろう。似たものは作れるかもしれない。だが、本物は作れない
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主人公・愛瑠の成長を描いた青春小説。
ある程度遠い未来。舞台は地球の森。
序盤はファンタジー。中盤からSF。
特に難しい要素もなく、ストーリーも分かりやすい。
とにかく世界観が好きなので、とても楽しめました。 -
今から数百年後の未来。樹上で暮らす少女たち。
と、異世界ファンタジー要素は充分なんだけど、ストーリーはちょっとつまらない。
その世界の中でのドラマティックな展開を期待していたんだけど、なんか、失敗した過去のことばかり。
終わり方もイマイチ。 -
南国で暮らすことへの憧れは常にあるんだけど、やっぱ虫が!蚊とか!なんか得体のしれない痒くなったり痛くなったりするあいつらときたら!あれがなければあんなに楽し気なとこはないのになぁ。
そんな虫どもの脅威を全て取り払った素晴らしい世界を作ってくれたら、と思うのに、いざ作ってもらったら、こんな世界は偽りの世界だ!とか生きている気がしないんだとか、まぁ言っちゃうんだよね、これが。ホント、この人間の面倒くさい感が、また。そんな展開にはやや飽き飽きなものの、なんか展開されている暮らしが妙に良いなー、と、想像してて楽し気だった。
てか蚊はホント絶滅したって良いじゃんよ。 -
未来の地球を舞台に、森の中で樹上生活している人類が主人公のSF。メカ的なものはほとんど登場しない。ちょっとナウシカっぽい印象。「香路」とか「巡りを合わせる」みたいな、知っているようで知らない言葉の使い方が上手いなあといつも思います。設定が複雑すぎず読みやすかった。
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わかりやすく、読みやすかった。
世界観とか愛琉たち種族の成り立ちとか、最初から何となく匂わせていたので、設定の納得感はあった。
ただ、いまひとつ没入感がなく、読者としての視点は、映画の観客といった感じだった。 -
森に生きる少女たちのお話。
分からないことがたくさんあって知りたくて、一気読みしました。
森に生きる人々、宇宙に生きる人々、その他の地球に生きていく人々。
自分だったらどれを選択するんだろう?
色々知りたくて読んだけど、最終的には知らない方が良かったのかもしれない。そんな風に思える本には初めて出会いました。 -
「地球の長い午後」のような世界だな…と思っていたら、樹が世界を覆ったのではなく主人公たちが小さいのだった。上田さんの作品は技術の進歩による生物の改造を是としているものが多かったけれど、今回はその是非を正面から問うている。ただ世界観を理解するまででほぼ全編が終わってしまうので、主人公といっしょに悩むほどに世界にのめりこめなかったのが残念。
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今までとはちょっと毛色の変わった、未来の地球が舞台の少女成長物語。適度に残された謎からも、続きがありそうな予感。