風車祭

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (539ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166401406

感想・レビュー・書評

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  • 沖縄ってやはり別の国だよね〜。習慣や祭りが独特だもの。そこがすごく魅力的。昔ながらの行事などは無くならずこれからも残って欲しい。
    しかし、オバアが何人も一緒に暮らしているというのは大変な環境だろうな。ブジは長寿に関しては一歩も譲れないみたいだし。あれほど長寿に執着していれば長生きできるハズよ。何事にも動じずデーンと構えているふてぶてしさが魅力だね。自分の祖母だと面倒だけど(笑)。

  • 和製ファンタジー。
    まずすごいのはフジオバァですな。
    彼女はまるで妖怪です(笑)
    生きる妖怪。

    ふとしたきっかけで
    マブイを落としてしまった武志。
    しかしそれがきっかけでさまざまな
    見えぬものとの出会いが…

    途中生々しい表現がありますが
    軽く読み飛ばせばよいでしょう。
    沖縄の言葉が所々出てきて
    どこかほのぼのとしている作品でした。

  • 「〜。男なら、たとえみえなくても、声が聞こえなくても、好きでいつづけろ」

    あぁーー、凄く良かった!!!
    読んでいる時はもうこの長さと意味不明さに、ついていけなくなりそうなことがあったのだけれど、読み終わって、その後漫画まで読んじゃったりしたら、もうするめのように、噛めば噛むほど味が出てくる感じなのだ。

    泣けるシーンは、何度読んでも泣けてくるし、再読破したくないけどどこかまた読みたい、、、なんて思わせてくれる1冊。
    沖縄行きたくなったさー。

    【2/14読了・初読・市立図書館】

  • 図書館でふとタイトルが目に入って、借りたという偶然の出逢い。
    沖縄好きなのでアンテナがキャッチしたんでしょう、きっと。

    石垣島を舞台にした笑えるファンタジー?小説。
    八重山の言葉も響きが面白くて読んでいて楽しい。

    とにかく老人力がすごいんです(笑)
    生きるためなら何だってするオバァ、読んでいるうちにすっかり虜になって
    しまいました。
    島が浸水した後に、子ども用のビニールプールを船にして、スーパーまで
    強盗に行くようなオバァですよ!(結局沈没するんですけど)

    もっと色々面白い話があるんだけど、ネタばらしちゃいけないからこの辺で。




  • 石垣島を舞台にしたあの世とこの世とそして歴史を土台にした壮大なファンタジー。登場する場所場所は実際に石垣島にあるので、旅行の際には是非!探索を!!でも、十八番街(びっちんやまに行こうとした)だけは、市場のおばあに怒られてしまいました。。。(笑)

  • 071030読了。長かった!!!石垣島を舞台にし、八重山諸島の伝承を交えた不思議なお話。でも、池上さんの書き口なので、とても読みやすく、おもしろい。マンガ化されているようなので、それも読みたい。

  • 長生きに異常な執念を燃やす島のオバァ、フジは、九十七歳の生年祝い
    「風車祭」を無事に迎えようと、家族や島人を混乱の渦に巻き込む。一方、
    神事を怠り危機に瀕した島の運命は?島の祭や呪術を背景に、オバァや巫女、
    六本足の妖怪豚が大活躍する、生命力とユーモア溢れる壮大な物語。

  • うちなーぱわー全開!な話

  • 沖縄の八重山の島が舞台のファンタジー。
    嫁入り行列の最中に神の力でマブイ(魂)だけの存在になって226年も島をさまよって存在する娘ピシャーマ。
    高校生の武史は偶然ピシャーマと出会い、恋に落ちる。しかしマブイとの恋は成就するのか?
    島一番の大嘘つきで命根性の汚い中村梁フジオバア(96歳)の陰謀や、妖怪豚のギーギー、武史のことが好きな同級生の睦子などがおこす騒動によって話はどんどんややこしくなっていく・・・

    笑いあり笑いあり、という感じでこの長さでも最後まで勢いが衰えない。
    そんな中、島の伝統的な祭礼や御嶽の由来、魂とマブイの概念など、「沖縄ごころ」みたいなのがたっぷりと語られていて読んでる間中心はもう島人である。
    もちろん本当は、島人は島人でも試される北の大地なのだが。

  • 二度目の正直で中身を開きました。<br>
    この人の文章は読みやすいので、本の厚さの割りに読み始めるとあっという間でした。<br>
    前に読んだ「夏化粧」はオンラインか何かの連載だったそうで、そのときそのときでこっちに飛び、あっちに飛び、という感じが非常に不安定で読みにくい感じがしたのですが。カジマヤーは一本調子で貫かれていて、非常に読みやすい話だった。<br>
    私は物語というのは一本の大きな川で、作者はその川で川くだりをする船の船頭さん、読者というのは船頭の操る船に乗る人々、だと思っています。<br>
    船頭は川を下る楽しさの全てを乗っている人に伝えなくてはならない。<br>
    静けさも急流も、間間にある奇岩、景勝地、全てのポイントを下流に着くまでに回らなくてはならない。船はスピードがなくっちゃつまらない。けれどもスピードが速すぎると景勝地を全て回るために船を操るのが難しくなってしまう。<br>
    そのバランスをとりつつ、面白い景勝地を上手く回っているのが「風車祭」だと思う。<br>
    「夏化粧」はね、操ろうとしてはスピードが落ちすぎて、スピードを上げてしまうと景勝地が全然回れなくって、みたいなところがあったかな、と。<br>
    この話は、読んでみて「白き魔女/Falcom/PCゲーム」だな、と思った。<br>
    物語の持つ基本構造、いいたいテーマなんかが同じなのだと思う。
    「白き魔女」の持つ基本構造がやはり、RPGの元祖「指輪物語」からきているのだとすれば、物語の種類、というのは実のところとても数が限られたものなのかもしれない、とも思う。<br>
    でも。<br>
    じゃあ、「カジマヤー」と「白き魔女」が似ているのかというとほとんど似ていない。<br>
    「カジマヤー」に流れる極彩色の奔流は「白き魔女」にはないし、逆に「白き魔女」がもつ月の光のような繊細な物悲しさは「カジマヤー」にはない。<br>
    同じ物語の軸を使っていたとしても、まったく同じ物語というのはありえないんだなあ……としみじみと思いました。<br>
    最後の方は感動を一気に感じたくて夜更かしして読んじゃったけど、つらつらとこの色彩の川流れる世界に身を浸してみると、世界が色鮮やかに見えてくるような気がします。<br>
    モノクロームの世界に飽きてしまったら一読をお薦めします。<br>
    (20040426)

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著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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