- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166600496
感想・レビュー・書評
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反フェミニズムの私としては、なかなか具体的、且つ明確な分析は評価すべきものだと思う。
此の本は、性欲について、性的価値観の相互の誤解等を幅広く指摘している。彼はどちらかと云うと、女性保護の立場に立って居る様に想うが、何れにせよ、文化意識からも見据えた性差の違和を、巧く訴えて居る様に想った。
共感できる部分は非常に多い。彼は幾分か、女性に対する未知を素直に打ち明け過ぎて居る・根拠なしの攻撃は避ける、と謂う点から、ぎこちなさを感じたりもするが、
考え方としてはとても面白く、的を居て居ると思う。
「本能の壊れた動物」という形容、「女性は男性に嬲られている自身の姿に魅了される」(本文との差異はあるものの、私としての捉え方から云えば、こういった表現に成る。)等の言葉は、事実に過ぎない。
故に女性が性差に悲観する理由など無く、寧ろ男性より性について究極を求めている存在であると謂える。
フェティシズム(倒錯傾向)は、案外、幻想を意識し易い「女性」の方が強いのかもしれない、と想ったり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男性の生物学的本能をして男性を浮気に走らせているわけではない、と。ふむふむ。
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人間は本能の壊れた動物であり、男は幻想を抱くことでしか性交できない
・・・ すべての人間は不能である。 この本の核心部分
自分を再構築しながら読まなければならない、本当に読むのがつらい本 -
人類みな変態。
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フロイトの本を読んだときと同じくらい面白い本だ、と思いました。概念を定義せずに、あるいは定義していると感じさせずに論理的にかけるなんてすごいと思います。
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岸田秀さんの文章は本当におもしろい。具体性にも富んでいますから説得力もありますし。多少の無理な論証でも、この方にゴリ押しされると、私は参ってしまいます。ただ、「人間は本能が壊れた動物である」という前提については、同じ著者の「ものぐさ精神分析」をご覧になった方がいいでしょう。
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人間は本能が壊れた動物である、というところから拡大していくこの理論は本当に面白い。そして読みやすい。
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確か大学時代に文学史の教授が薦めたので読んだ。<br>面白かった。<br>でも何故これを薦めたんだ教授www
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人間には明確な発情期は無い。
女性への幻想、性器への幻想、その他フェチティッシュな幻想等が性交時に男性が勃起するためには必要であり、その幻想は先天的(本能的に)に刷り込まれたものではなく、時代・文化に大きく左右されるものであるから性交は決して本能で行うものではない。「人間は性的に不能である。」ということを前提に西欧と、西欧文化に影響を受けている日本における性交・性的幻想・性差別についての本。
江戸〜明治政府以降〜戦後〜現代の間で、キリスト教的な性交・性欲の排除による性的タブーの発生、政策による男女差別発生、はては資本主義も性的なエネルギーの変換により発生をしたのだということを論じている。
タイトルが面白そうだと思って購入したので、著者については良く知りませんが、精神科医ではない様子、フロイト的な分析を用いたフェミニストなのかな?
フロイトは人間の歪みやら行動原理やらが性的要因に集約されすぎているのと、人間解釈が病的すぎて読めずに挫折したので、フロイトの理論がでてくるとなんのことやらわからんところもありましたが。これはなんとか読めました。
とても興味深い内容だとは思う。けれど、「性交したいという欲求はまず己のもっとも身近にいる母親に向かう。同様の願望は男児・女児共に持っており、それは母親の腹の中に戻りたいという胎内復帰願望であり、種の保存目的ではない。しかし、女児はやがてその”母の胎内に入れることができる部分”が己には無いことに気がつき女性としての自覚を持ち、女性の役割を引き受けるようになる。」っていうのはオェーと思った。そんな風に”母親との性交・性対象にすることへ嫌悪感を抱いてしまう”ことこそが、性的なタブーの刷り込みって奴なのかもしれませんが。なにも息子(性器)で胎内復帰しなくってもいいじゃない。性的なもの無しでは人間は他者と接触できないのか?と思いました。 -
「人間の本能は壊れている」
「すべての人間は不能である」