美しい国へ (文春新書 524)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166605248

感想・レビュー・書評

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  • 韓国に対する楽観的姿勢だけは評価出来ない。
    今現在、中韓えらいことになっとるで〜。尖閣は安倍さんなら解決出来る。ただ韓国に対しては、強硬姿勢を摂るべきでは?あとはものすごく共感。

  • 自虐的教育を廃し、愛国心を育てる教育を行い、自国に誇りを持てる国民を育てていく。

    アメリカと共に、世界の安全保障を担い、アジア諸国と経済協定を結び、経済を発展していく。

    極めてもっともな理論である。

    重要なのは、教育の変革だろう。
    今の教育のように自虐的史観では、自国に誇りを持てるはずもない。
    独立国として当然に愛国心を育てる教育を行うべきである。
    その上で、アジアとの協力は考える問題であろう。

    少なくとも、未だに過去の大戦の責任を追及する中韓と協力関係を結ぶことは不可能である。

    自国に誇りを持ち、胸を張って諸外国と連携していく、そんな日本を目指していかなくてはならない。
    自国に誇りを持てる国民の育成、これは我が国にとって急務の課題である。

  • 第90代内閣総理大臣安倍晋三の著書。出版は、総理大臣選出直前の2006年7月。彼の国づくりのコンセプト「美しい国」がタイトルの一部となっている。

    政治家が自分の言葉で自分の考え方を記し、一般の書籍として発売したものだが、こういう事は良いのではないだろうか。その政治信条が果たして受け入れられるものか否かは、何とも言えないが、その考え方を知ることが出来るという観点では、非常に意味のあることである。また、一般の書籍ということなので、内容も一般の市民国民にわかりやすい言葉で書く必要があり、その政治家の説明能力の有無も測ることが出来るというのは、副産物。

    読んで見ての感想だが、頷ける部分、頷けない部分、双方あった。でも総じて感じたのが、彼が戦争経験の無い若い政治家であり、そう言うところが魅力であると共に、非常に危うい部分であるということも良く判った。内閣支持率が下がる一方だが、「美しい国」を実現できるよう、がんばってほしいものである。

  •  自分の考え方に対して反対となる事例を参照し、それを否定することで相対的に自分の考えの正しさを主張している感が否めない。加えて、対比される事例が正しい事実に基づいているのかも疑わしい。例えば、エジプトのピラミッドが強制労働で作られた、という趣旨のことにふれている部分がある。しかし、ピラミッド建設は公共事業だったという学説もあり、未だ評価が定まっていない事柄を比較対照にするのは問題があると思う。

     また、年金問題の部分にも不思議な記述がある。国賠訴訟について本書の前半で、マスコミは国が敗訴したと喜ぶがその支払は税金でまかなわれる、という意味のことが書かれている。それにもかかわらず、年金は半分が税金で負担されるローリスクハイリターンの商品だ、ということを主張している。その半分を負担しているのも国民なのに。そもそも、ローリスクハイリターンの金融商品などというものはない。

     靖国問題では、A級戦犯は内国法では犯罪者ではなく講和条約にはA級戦犯を祀ってはいけないとは書かれていないのだから問題ない、と主張しているが、ルールがないからやっても良い、という考え方は、散々批判していた、グレーゾーンで商売をしている人たちと同じなのではないだろうか。
     良くも悪くも著者の思想が出ている本であると思う。むやみに戦いを仕掛けるのではなく、みんなが納得できる戦いをして欲しい。

  • 小泉さんは長く首相をされていましたが、その後をついだ安倍氏・福田氏はあっと言う間にやめてしまいました。両氏の親御さんが首相や大臣をしていた頃を子供心に覚えていたので応援したいと思っていたのに短期間で辞められて残念に思います。

    この本は、安倍さんが首相になられた頃に発売されたものですが、日本をどう改造すれば美しい国になるのかということが書かれているかと思って読みましたが、そうではなく、年金や拉致問題に対する彼の思いが書かれていたように思います。

    年金が私の両親が貰っているようには貰えないにしても、年金は破綻しない(支給額や支給開始時期が遅れるが)ことは理解できました。

    彼はお父さん譲りで美しい心を持っていたと思いますが、自分が行いたかった改革は反対勢力や官僚につぶされてしまったようで残念に思います。何年かしたらそこらの真相も出てくることでしょうか。

    以下は気になったポイントです。

    ・アメリカで「リベラル」とは、ニューディール政策を唱えた人たちが自らを呼び始めたことに起因する、社会主義・革命主義・左翼もこの範疇に入る、従って欧州とは対立する概念(p17)

    ・元祖日米安全保障条約は、日本に内乱起きた場合は米軍出動可能、アメリカ人の犯罪者を日本で裁けない、無期限、であった(p23)

    ・ふたつの保守党が合併した理由は、1)保守勢力が力をあわせて経済力を回復する、2)本当の意味での独立を取り戻すため(p28)

    ・明治以降の日本は、西欧列強がアフリカ・アジアの植民地分割をはじめていて、日本は統治するかされるかの二者選択を迫られた(p61)

    ・A級戦犯が靖国神社に合祀されたのは、中曽根参拝の7年前の1978年(福田内閣)である、大平・鈴木総理が参拝したときには中国はクレームをつけていない(p68)

    ・A級戦犯とは、東京裁判で「平和に対する罪」「人道に対する罪」という戦後につくられた概念によって裁かれたもの、国際法上は事後法による裁判は無効である(p69)

    ・1951年(昭和26年)において、A級戦犯は国内法にて犯罪者と扱わないことを決めた(p70)

    ・天皇は他の国王と異なって、金銀財宝を集めて華美な生活を送ったわけではない、歌集の編纂等、文化的水準の高さを誇っている(p104)

    ・戦争に負けたドイツは4カ国分割統治(米、英、仏、ソ連)となったが、1949年には自由主義国(米英仏)の占領地が西ドイツとして再出発した(p126)

    ・北大西洋条約機構で集団的自衛権が行使されたのは、911米国同時テロ後のアフガン攻撃が初めて(p132)

    ・日本は、終戦直後に周辺海域の機雷1万個を掃海した実績があり、世界でも一級の実績がある(p137)

    ・2006年にオーストラリアは、インドと日米豪閣僚級戦略対話を開催して、成功させていて、自由・民主主義・基本的人権・法の支配といった価値を共有した(p160)

    ・国民年金制度と最低賃金制度という福祉の基礎となる制度ができたのは、1959年(岸内閣)である(p167)

    ・2009年度からは、自分が払う国民年金の保険料は、3分の2から、半分だけになった、残りは国が補填する(p181)

    ・年金は必ずもらえるし、破綻しないように組み立てられている、2004年の年金改革がこれまでの見直しと違うとすれば、「マクロ経済スライド」を導入したこと(p185)

    ・2004年の年金改革で導入した「マクロ経済スライド」は、スライド調整率:0.9%である、物価が1%上がった場合、調整率を差し引いて0.1%の年金調整とすること(p185)

    ・それまでなかった年金制度が新しく作られるときには、その時点で中高年に達している人達をどうあつかうかが最大の問題になる(p189)

    ・新しい年金制度を「積み立て方式」にすると、若い人たちは自分の親と、本来の支払いの二重の負担がかかることになる(p190)

    ・公務員の共済年金は、厚生年金よりも保険料率が低い上に、職域加算がある、2006年になって2010年の職域加算廃止、2018年に保険料を厚生年金と同水準にする方針を固めた(p193)

    ・社内福祉(住宅、家族手当、財形貯蓄、住宅貸付金)をすべてやめても、健康保険・厚生年金・雇用保険を払う必要がある(p197)

    ・一般的に言って、健康寿命は平均寿命よりも6~8歳若い、男性で70歳程度(p198)

    ・当初所得(税金差し引き前)で見た場合のジニ係数は0.49で高いが、租税・年金を考慮すると、0.38でありそれほどの格差は見られない(p223)

    2010/09/25作成

  • 今さら読んだよシリーズ。

    結局安倍さんって誰なんだろう?って思いで読んだよ。

    今知ったんだけど、この本は政策提言の本ではなく、安倍氏の思いを若者に向けて書いた本らしい。

    それゆえひどく理想的であり、読みやすく、でも説得力あまりなし。

    この本で日本の将来が明るいと思う人がいるのかなぁ。うーむ。

    ↓以下個人的ツッコミ

    ・安保賛成が祖父への思慕からきているようにしか感じられない。理由はっきり述べなよー。

    ・金正日に1回会ったからって彼が合理的人間って何で分かるの?

    ・この人結構右だねぇ。日本に誇りが持てない人が多いとかナショナリズムの記述とかは好きだけど。

    ・イラク攻撃の是非を問わずして自衛隊の派遣を正当化するのはおかしいぜ!

    ・日本人の政治的無関心をあまり危惧してない。

    ・えらい社会保障の話してるけど財源は?政策提言本じゃないにしてもコワい。

    ・長いスパンで年金運用を見ればいいって言うけどグリーンピアは?

    ・学力低下楽観視しすぎ。インターネットとかゲームとか外因を考慮しなきゃ。


    てなわけで俺でもツッコミ入れる内容がこれだけある。

    持論が展開できる人は好きだけど、やっぱり感覚ズレてる気がしないでもないし、説得力がとにかくないなぁと思った。

    1年間お疲れ様でした、さらば晋三!

  • 遅れ馳せながら、今更感はぬぐえないですが(笑)読んでみました。
    全体として何も印象に残らない本でした。
    著者の国策の根幹を全7章に分けて、
    『わたしの原点』『自立する国家』
    『ナショナリズムとはなにか』
    『日米同盟の構図』
    『日本とアジアそして中国』
    『少子国家の未来』
    『教育の再生』
    と、今でも注目する政治動向が列挙されていますが、今一つパッとしない。
    色々噛み付きたい箇所はありました。例えば『公害訴訟など、過去の国の失策を追求する国家賠償請求訴訟において、原告が勝訴すると、マスコミは「国に勝った」と喝采することが多い。しかし、その賠償費用は国民の税金から支払われるのであって、国家という別の財布から出てくるわけではない。だからこそ、その責任者は被害者への責任だけでなく、納税者である国民にたいする責任が厳しく問われるのである。国家と国民は対立関係にあるのではなく、相関関係にある、というべきだろう。』
    という下りは、なんか責任転嫁している印象があり反発しました。もうすこし謙虚になるべきではないのかな~、と。
    『賠償費用は税金から支払われるため、我々政治家は失策を最小限に抑えなくてはならないし、国民の生命を脅かす公害等の失策では、金銭では量れないものだってある。悪いことは早急に改め、このような失態が二度と繰り返されないように細心の注意を払いたい』
    と言えばすんなり通るのになぁ~(笑)
    他にも、戦争で特攻を命じられた若者たちの心情を「国を守るために自らの命を捧げるんだ!」みたいな事が書いてありましたが、明らかに美化しすぎでしょ!死を眼前に、国がどうたらなんて言ってる日本人がいたかどうか…
    本音は死にたくない、戦争したくない、日本よふざけるな!
    なんて憤りの方が強かったのではないか。
    あまりにもご都合主義なところがある。
    一般人の心情からすれば、『国のために死んで役に立つなんてごめん。やりたい人がやってくれ』でしょう。
    また日米同盟の章ではその大切さをうたい、自立国家の章では北朝鮮問題等の脅威アメリカに任せると言い、では何をもって自立国家とするか?は未だよく分かりません。『北朝鮮は日本を攻撃すればアメリカが北朝鮮を破壊しにかかる。私は金総書記に会ってきた。彼はそれをよく理解しているから、日本にミサイルを撃ってくることはない』と人柄を述べている個所があります。しかしそれは国民は知らないわけで、しかも人柄だけで判断するのは危険だから自衛云々の議論が活発化しているんでしょ?
    ……

    とまぁ、色々思うところはありますが。
    別に読まなくても良かったと思える本でした~(笑)

  • 古本屋の105円コーナーにズラリと。
    今更ながら読んでみた。やっぱり今更読むってのも酷な話だ。
    年金問題や少子化対策などいいこと書いているんだけど、安倍内閣の結末を知る今だからこそ評価も難しい。
    ただ、世間の評価は古本屋の棚にズラリと・・・。

  • 当時のご時世に乗っかって買ったのですが、今になると何が書いてあったのか思い出せない

  •  ずいぶん前に買ってたんだけどそのまま本棚行きになってました。総理を辞任した安倍さんを見て、彼は一体何を考えてたんだろうなーと思い、読んでみた。

     私は安倍さんけっこう好きです。一国のリーダーとしての資質があったかは微妙だけれけど、お坊っちゃんでまっすぐで、純粋な正義感と使命感で政治家をやってる気がする。

     でもいかんせん育ちのいいエリートなだけに、なんかぬるい。この本なんだか生ぬるいよ安倍さん!

     「こうだったらいいなぁ~」「こんな日本ってステキだなぁ~」みたい感じ。いや、それは私もそう思いますけど・・・。で、具体的に何するのあなた。気持ちは伝わってきたけど、なんだか夢物語ちっく。
     そんな安倍ちゃんですが、最後の教育問題についての章はとても強気。そうそう、それぐらいガンガンいっちゃっていいと思いますよ!その調子で!

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著者プロフィール

安倍晋三(あべ・しんぞう)
1954年、東京生まれ。成蹊大学法学部政治学科卒業後、神戸製鋼所勤務、父・安倍晋太郎外相の秘書官を経て、1993年衆議院議員初当選。2003年自由民主党幹事長、2005年 内閣官房長官などを歴任。2006年第90代内閣総理大臣に就任し、翌年9月に潰瘍性大腸炎を理由に退陣。2012年12月に第96代内閣総理大臣に就任し、再登板を果たした。その後の国政選挙で勝利を重ね、「安倍1強」と呼ばれる長期政権を築いた。20年9月に持病の悪化で首相を退くまでの連続在職2822日と、第1次内閣を含めた通算在職3188日は、いずれも戦前を含めて歴代最長。第2次内閣以降はデフレ脱却を訴え経済政策「アベノミクス」を推進。憲法解釈を変更し、15年9月に限定的な集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法を成立させた。対外関係では、「地球儀 俯瞰外交」や「自由で開かれたインド太平洋」などを掲げ、首脳外交に尽力。日米豪印4か国の枠組みなど、日本の安全保障に欠かせない米欧諸国との連携の礎を築いた。2022年7月8日奈良市で参院選の街頭演説中に銃撃され死去。享年67。

「2023年 『安倍晋三 回顧録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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