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- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166606122
感想・レビュー・書評
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「食育のススメ」とあるので、現代のことを取り上げているのかと思ったら、何と村井弦斎の「食道楽」を紹介する本だったとは!
岩波文庫に入っている「食道楽」は、ずいぶん前に買って、いまだに積読状態。
これを「しょくどうらく」と読むのだということも、本書から知った。
「食道楽」を紹介しつつ、弦斎の実人生や、当時の時代状況にも解説が加えられていく。
大隈重信邸の台所の様子などは、興味深い。
筆者の関心は、「食道楽」が現代社会にも通用する先進性を持っていたことを解き明かすことにあるようだ。
先進性はともかく、家庭小説的な道徳主義に私は若干食傷気味になるのだけれど…。
一世を風靡したこの小説があっという間に廃れた事情を、黒岩さんは日露戦争の開戦による世の中の空気が一変したことに見ている。
平成の私たちも、震災で空気が一変したことを覚えている。
なにかちょっと切ない気分になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示