聞く力―心をひらく35のヒント ((文春新書))

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608416

感想・レビュー・書評

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  • 紹介されているエピソードに、ウルっときたり、クスっと笑ったりしながら、あっという間に読めた。

  • 私はどうもおしゃべりでいけない。
    文章ならば、ここは違う言い方の方がいい、別の表現に変えよう、とすることもできるが、会話となると余計な一言を言って失敗することが度々ある。
    また、自分ばかりべらべらとしゃべっている気もする。
    家に帰ってから、自分のことばっかり喋っていなかったかな、と反省することもよくある。
    だからその度に直そうと努力をしている。
    相手の話をきちんと聞くためにはどうしたらよいか、その助けになることを期待して本書を読んでみた。

    「相槌は適当に打ってはならない」
    適当に相槌を打っているのは、思った以上に相手に伝わっているものだ。
    へー、あそう、ふーん
    目を見て言われるならまだしも、明後日の方向を向いていたり、スマホを見ながらやられたらたまったものではない。
    その場で私は激怒して帰るかもしれない。
    ただの返事ではない。
    それも大事なコミュニケーションの一つだ。

    「相手のテンポを大事にする」
    これはなかなか難しい。
    おしゃべりな人というのはよく例えられるように弾丸そのもので、打ってそれだけで満足していることが多い。
    それを途中で止められるとムッとしてしまうのだ。
    ではゆっくりした人ならばどうだろう?
    相手に急かされているように感じたら、やはり不快な気分になってしまうだろう。
    人はそれぞれ持っているテンポが違う。
    波長が合えばこれほど楽しいことはないだろうが、そうでない人と話すことの方が圧倒的に多い。
    そのときどれだけテンポを合わせられるかが会話の要となろう。

    大切なことは何か?
    それは自分と同じくらい相手のことも大事にするということだ。
    もちろん自分自身の意見、主張は大事だ。
    しかしそれのみでは会話は成り立たない。
    もし自分の意見だけを聞きたいのならば、一人でやればいい。

    相手に興味を持って、自分にも興味を持ってもらう、それが「聞く力」だ。
    これができれば、自分一人では見えなかった人生のあり方、世界の広さや見方、そしてなにより自分自身が見えてくるのではないだろうか。

  • インタビュアーとして多数の実績がある著者が、今までの自分の経験を通して感じたことや体験談をわかりやすく面白おかしく語った一冊だ。
    35のヒント、とあるわりには、第一番目のコツはなんとかで・・・と箇条書きにされるようなよくある実用書っぽい内容ではなく、エッセイのような気楽なかたちでコミュニケーションの基本について丁寧に書かれている。
    結局人間対人間のことだから正解などなく大切なのは心構え、という極めてまっとうな話だった。

  • 職業柄たくさんの人と話をする機会があるが、気づくと自分の独壇場になり、話をしてしまっていることがある。
    相手にどうやったら分かりやすく説明できるか、伝える上で大切なことは何かと考えることも多くあるが、この本を読み、「聞くこと」も「話すこと」と同じくらい大切な力だと学んだ。
    特に相手が相談に来ている時など解決を急いでアドバイスをするのではなく、まずは相手の話をよく聞くことが重要となる。

    「ただ聞くことが相手の心を開く鍵」

    話す力を付けることも必要だが、聞く力を付けることは相手との関係をさらに良くしていく上で話す力よりも重要なものだと感じた。

  • 新書だがハウツー本ではなく、阿川さんのエッセイ。

    ミリオンセラーになったのは
    皆が聞く力を持ちたいと思ったというよりは
    阿川さんの素敵なところが詰まった内容を評価した
    というところでしょう。

    私のツボは鶴瓶師匠の
    「ま、ええやないですか。トークは生ものやさかいに」

    最近、コロナ禍で外にあまり出られないので
    鶴瓶師匠とざこば師匠の
    「らくごのご」をYouTubeで見ているのですが
    そこで行われる即興落語がまさにそれ。
    すごく面白いので皆さんも是非どうぞ。(笑)

  • 心構えになるほどーと頷きながら読んでた。失敗談なんて励まされる。(笑)

    阿川さんとはだいぶタイプが違うから、タメになるとは別の意味で、「そんなふうに思ってるのか…」なんてところも。

    私は断然、話す方が苦手。
    受け身だし、女だけど無口なほう。
    声をかけられたり、聞く方が多い。
    「ねえ聞いて!」とよく言われるので、もっとちゃんと聞いた方がいいのかなとこの本を読んでみた。

    無口な人に関する部分、嬉しかった。(笑)

    無口な人って、聞き役に回ることが多い。
    じっくり考えて話すから間があるし、遅い。テンポが悪い。
    回転の速い元気なおしゃべりさんには勝てない。(笑)
    私は聞くのも嫌いじゃないし、無口を押して話そうとするほうが疲れるから、まぁいっかと聞いている。
    話したいことがなくはないけど、まぁいいか。

    でも阿川さんみたいに、興味を持ってくれる人がいると思うと恥ずかしいけどうれしい。

    自分がそうなのだけど、感受性が強い人や人見知りなんかは、相手の顔色や声色、仕草、雰囲気なんかを気にして相手を優先してしまう。
    会話は受け取る情報量が多くて苦手。
    どんな人だろうって内心警戒してるし、口下手故にうまく答えられるか自信がない。

    (それに変に間をもたせようとか気を遣われてるとわかってしまうので、こっちも気を遣ってどうしていいかわからない…)

    でも阿川さんのような、人懐こく素直でサッパリしたお人柄の方には安心感がある。
    裏表のなさそうな感じにホッとする。

    阿川さんの『聞きたいから聞いてる』『話したいから話しかけてる』っていう感じ、
    テクニックよりこれだよ!って叫びたい。

    「喋ることが得意ではないけれど、こいつには、喋ってみてもいいかな」
    そう!まさしくそう…!(笑)
    そんな偉そうな感じでは思ってないけど、すごくありがたい。
    渡部さんが非常に話しやすいもんって言ったのもこういうところじゃないかしら…。
    (渡部篤郎さんに親近感を覚える…)

    反応が薄いのは申し訳ないのだけど、「ああ、いい人だなぁ楽しいなぁ…この人気持ちいいなぁ…」って思ってるんですよ…。

    でも、「目は合わせる」は、人や話したい内容によってはどうだろうと思う。
    絶対なのかな…っていつも思う。
    自分が苦手なせいかもしれないけど。

    私は話しているときにジッと見られると萎縮する。
    聞く時は耳に神経を集中したいから、目じゃなく耳を相手に向けている。
    目は明後日の方向。
    頑張って目を見てみると、途端に変に緊張して萎縮する。

    話すも聞くも、たまにチラッと顔を見るだけで、耳だけ貸してるほうが多い。
    目より耳の方が私は敏感に感じ取れるから。
    だからこそ相槌はしっかりしますよ!

    寂しいと思わせてしまっているなんて本当に申し訳ないのだけど、クセというか習性というか…。気づいてないこともある。
    悪気はほんとにない…。
    特性として受け止めてくれたらもっといいなぁ…。

    それに、耳だけ貸してるほうが言えることもあるように思う。

    この本は対談やインタビューだから向かい合ったり90°で話すのがベースだと思うけど、
    横に並んで横顔同士のやりとりも私はフラットで好きだなぁ。

  • 先日、近くの図書館で借りました。
    初版が2012年の1月20日となっていますので、約5年くらい前に話題となった本ですね。

    土曜日の朝やっておられるTV番組「サワコの朝」で、爽やかでありながら自然体でゲストの方と話をされているシーンは、なんとなーく記憶にあります(あまり真剣に見たことないんですが・・・)。ゲストをお迎えする形式のトーク番組としては、徹子かサワコかというイメージが私の中では定着しています。

    阿川さんは最後の「あとがきに代えて」のところで、この本を「インタビューのしかたについて、本を出すなんて…」と言われているので、そういうスタンスで書かれたのかもしれませんが、インタービューのノウハウ本として読むよりも、これはゲストとの出会いのエピソード集というか、あるいはこれまでに出会われた印象的なゲストの面白エピソード集として読むのが楽しいです。「サワコの朝」エピソード特集というような感じでしょうか。

    登場されるゲスト、一人ひとりが興味深く感じられ、もっと掘り下げてその人の事知りたいなと思えます。そういう意味で、サワコさんのインタビュー能力は、やはりスゴイんだろうなと思います。

    また、TV画面には見えない裏側の部分で悪戦苦闘されたり、努力されている姿や、数々の失敗談を自然体で語られている阿川さんの魅力も感じられる本ですね。

    この本では、お見合い30回以上、結婚しない女性としての自分を表現されていますが、今年ご結婚されましたようで、著者のおめでたい年にこの本を読めてよかったです。

  • 仕事の一環で、読む必要があり、久しぶりにノンフィクションを読んだ。やはり、テレビに出ている人が書いているだけあって、非常に読みやすい。ただ、具体例が多く、肝心の知りたい「聞く力」のポイントがまとまっていなかったのが、残念。

  • 誰かにインタビューすること、話をすることは仕事上だと、つい自分が描いたストーリーに持っていきがち。注意しようと思った。この本に出会って、あらかじめ用意する質問の数を減らした。
    まずは人と人としてのコミュニケーションが大切ね。

  • 図書館に本を予約してから6ヶ月待って読んだ。
    話題性で時流に乗った本という印象である。標題の通り(インタビュアーにとって)聞くことは重要ですよ、という内容である。面白かった。さらっと読んでしまった。印象に残ったのは、黒柳徹子、三輪明宏、岸田今日子の話かな。中でも、「おしゃべりは、スパイになれない」というのは良かった。
    全体的なイメージとして池上彰の新書本と同じイメージがある。読者に対して、平易に説明を試みている。そして、自分の体験から裏打ちしている。苦労話なのか?と思われるところもある。著者を通して、見たことであり、著者を通して聞いたことではない。また、阿川さんの周りの人々の協力と鋭い洞察力が感じられる。
    インタビュー術の本ではない。
    エチケット?品格?適切な言葉が見つからず。

    • びあしん慶次郎さん
      あ、この本書店で見て気になっていました。どうしても相性が出ちゃうので、インタビュアーって簡単そうで、難しいです。
      あ、この本書店で見て気になっていました。どうしても相性が出ちゃうので、インタビュアーって簡単そうで、難しいです。
      2013/12/30
    • だいさん
      びあしん慶次郎さん
      こんにちは

      相性が悪いのを、逆手にとって、予期せぬ結果。なんていうのも、ありですかね?
      びあしん慶次郎さん
      こんにちは

      相性が悪いのを、逆手にとって、予期せぬ結果。なんていうのも、ありですかね?
      2014/01/06
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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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