- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166608966
感想・レビュー・書評
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編集手帳の書き手である竹内氏の文章術。文章へのこだわりが強いと感じた。限られた文字数内に伝えるためにはどうするのか。マクラと下げをどうすれば効果的かなど、目から鱗の文章術が公開されている。参考に文章を書いていきたい。
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私は新聞一面のコラムを読むのが好き。
この本は言わずと知れた読売新聞の一面コラム「編集手帳」を執筆している方による書である。
限られた短い文字数の中で、どうのような構成で、どのようなセンテンスで、どのような単語を選び出して文章にするのか……。
ネタの集積とその探し方、そしてことば選び、伝わりやすいだけでなく、そのコラムを読んだ後も読者の心の中に余韻を残すその術が垣間見れたような気がする
内容もわかりやすく、「文章を書いて伝える」上で、とても役にたつ一冊だ。 -
【当代随一の文章家が全てを明かした!】出版界にもファンの多い名コラム読売新聞「編集手帳」の筆者が名文の生まれる舞台裏を初公開! 掛け値なしに空前絶後の面白さです。
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現在もっとも評価の高い新聞コラムの著者があかす文章術。天声人語も見習って。
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・読売新聞のコラム・編集手帳は,同種の記事のなかでもっとも短い=458字.(削るのはタイヘンと)
・之の字運動のように:あまり早い段階で,どんな内容かわかってしまわないように.
・3部構成にしている:マクラ=魅力を意識,アンコ(=主要部分)=簡潔を意識,サゲ=余韻を意識 だと
・避けたい陳腐表現:”~する機会があった”,”ちょっと待ってほしい”,”ここに一枚の○○がある”など
・耳で聞いて,耳触りのよい文章が良い.美しい日本語が良い.漢字がやたらと多いのはダメ.漢語より和語優先.
※毎日,一人のひとが書いているとは思わなかった.→休みなしでたいへんだと思う.”数百万人~一千万人”くらいが読むわけだから,変なことは書けないし.タイムリーな題材でなくてはならないし,..
※さいきん自分もこの編集手帳を書き写している. -
読売新聞の朝刊1面コラム「編集手帳」の執筆流儀をまとめた一冊だ。結論をできるだけ先に出したり、適度にキーワードを散りばめるようなネット用の書き方とは明らかに違う手法だが、文章の編集とは実に丁寧で細かい仕事なのだということがうかがえる。
筆者は1955年生まれ。「朝刊」「切り抜き」「紙幅」「筆をとる」「何行目」「ワープロ」といった表現が散見される内容は、昭和の書籍かと思うほどで所々戸惑う。新聞社の論説委員ならではの幅広い知見とはいえ、悲しいかな登場人物の多くが故人であったり、比喩や引用が古めかしいのは否めない。日頃、刺激的だったり甘すぎる表現に慣れていると、文語調の表現も、随筆や短歌、歌詞、詩も、咀嚼して理解するのに疲れ切ってしまうだろう。自分の無知は棚に上げるとして、あくまでも新聞という紙媒体のベテランという視点は、常に意識させられる。
語尾や文節を意識して編集するプロとしての姿勢は、大いに共感する。安易にカタカナや略語に流れないとか、「絆」「勇気をもらう」という手垢の付いた表現を使わない、漢字とかなの交ぜ書きを避けるが、それでいて言葉狩りには与しないという方針なども、うなずくところが多い。接続詞や形容詞の使い方や、音(呼吸)の切れ目を意識して読点を入れているというのは、ちょっと意外だった。
新聞コラムとはいえ、限られた目立つ場所の中で、情報と物語という2つの内容をどのように組み立てて伝えるかというテーマは、文章表現に通じる。言い換えの表現ばかりをまとめたノートも、最後に添えられている。幅広いテーマの知見を広げていつでも引用できるような文章を貯めて整理しておくのは、注釈マーカーで線を引いたり、Evernoteでタグ付けすること、Tumblrのリブログのようだ。キーワード検索広告の文字数×行数の箱庭で苦しむことや、140文字の中にアカウントやハッシュタグ、URLまで意識して文章を組み立てたり、スクロールやスワイプしなくて済むスペースを意識した表現の工夫と何ら変わりない。
今や、新聞そのものがある限られた層への媒体になりつつあり、報道姿勢にもいろいろな角度から厳しい視線が注がれている。そんな背景も合わせて考えると、この編集ノウハウも古典芸能化していく過程のような印象も受ける。
ただ、文章を書いて出すメディアもツールも増えた分、編集できるかできないかの力量の差は大きく広がった。新聞コラムが読者に考えさせる余韻を残す文章表現である一方、現代の身の回りに溢れるテキストは、スピードと影響力ばかりが目に付く、鼻につく。何らかの立場で文章の編集に携わる人は、『シェアされやすい文章の書き方7つのTips』のような手軽なエントリーを読むだけでなく、歯ごたえ十分なこの本も合わせて読んでみてもいいだろう。 -
「嫌なことば」
何という嫌なことばだ、「生きざま」とは、言い出した奴の息の根をとめてやりたい、知らないのか、これは「ひどい死にざま」という風に、悪い意味にしか使わないのだ、ざまあ見ろ!
これにはビックリしました。なるほど。 -
いささか自画自賛というか、自慢話ではないのかという気がしなくもないけれど、いくらか参考になる部分もある本であった。
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編集手帳の筆者の心意気。とくと拝見しました。「耳で書く」の章が特に楽しく読めた。
奥さん、どうか一度だけ、させてください。は、秀逸なこぼれ話だ。