「編集手帳」の文章術 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608966

感想・レビュー・書評

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  • 文章術のテキストとしては余り役に立つとは思えなかった。
    多分、こうしたコラムを書くような状況が想像出来なかったからかと思うけども。
    ただ、流石に上手な文章を読むだけで気持ち良く、当然ながらコツには納得。
    良い本だと思った。

  • ヤヴァい。上期トップが乱打戦に。

    日経の春秋、朝日の天声人語、読売の編集手帳。新聞のコラムって何なんだろう? オーケストラの指揮者?フルコースの食前酒? 本書の作者は、ちとシャイで、人の顔の皺のようなものと示されています。

    北大の文学部を出られて読売コラムの六代目。ちょっと慇懃な位でバッチリ尖ってくれている。毎朝顔を会わせるコラムの著者として、こん位イイ人を探すの、難しいんじゃないか。

    僕は日本人は箸を使うから器用で、島国根性で四季と仮名交じり文を使うからセクシーなんだと心の底から信じてますw。

    演歌のマナーでいきゃ「態度」じゃなくて「しぐさ」や「そぶり」。そんな言葉の選び方、こんだけSNSの拡がった今だからこそ出来る様になってみたいと感じました。

  • 率先して学びたい内容は特になかった。でも、年配の人が読みたい、読んで面白いと思う文章の感覚を少し知ることができたのはよかったかな。引用は簡単に真似できるものじゃないってこともよくわかった。

  • 自分の文章が情けなくなる本でした。
    文章、言葉というのは、ただ書けば良いというものではない
    ことを実感しました。
    ひらがな、カタカナ、漢字、漢字と送り仮名の関係、
    耳で聴いたときの聴き取れ方など、私の文章には
    全く無いものについて書いてありました。

    改めて、美しい心に残る文章を書きたいと思うのでした。

  • 第一感に従うなかれ むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいこもをゆかいに ゆかいなことをまじめに 書くこと 文章は、魅力ある導入、主張は簡潔に、締めくくりは余韻を残して。 われを去る。ゆえに、我あり

  • 讀賣新聞の看板コラムを十年以上執筆して来た、筆者の文章術。

    自身が綴った、または引用されて来た文章・言葉の数々は美しく、
    誰もが自分の感性に合う一文に出会える。
    大衆紙で万人を相手に綴って来るとはそう言う事なのだろう。

    “自分を大きくみせたがる人…うさん臭いや” (杉本深由起 「臭」)
    この詩にもハッとさせられる。

    振り返って、自らの文章を見直す機会としたい。

    心地よい読みコトバを、書きコトバとして
    使いこなすことを目指して。

  • この本の「はじめに」を読んでから編集手帳の執筆法を知ったうえで「おわりに」を読むと感激します。

  • 新聞コラムの中でも人気が高いと言われる「読売新聞/編集手帳」の筆者が語る、自身の文章術。

    『「編集手帳」の文章術』 (竹内政明 著) | 自著を語る - 本の話WEB http://hon.bunshun.jp/articles/-/1310

    文章術についてまとめた本でありつつも、その術について語る場面では随時そのテーマに沿った内容の「過去の編集手帳コラム」を引用し、読み物としても楽しく読めるようになっている。漫才をやらなくなったダウンタウンのフリートークを聞いていると、それが実は自然に漫才になっているような雰囲気に似ている。私自身はもうダウンタウンを見なくなって久しいけれども。


    以下、印象深い内容についてのまとめ
    ・氏の語るコラムの理想形(P52)
    戦争中、海軍の艦艇は航行にあたって「之字運動(のじうんどう)」というのをやっていたそう。敵軍の攻撃をさけるために「之」の字に似たジグザグ航法をとる。
    コラムを書くときも「之字運動」を意識している。書き出しの部分を読んだだけでは本題が何であるのか検討がつかない。その日の本題に興味のない読者にも、読んで損をさせない。拾い物があったと満足してもらう。コラムを本題一色に染め上げず、無駄話の寄り道をしながら「之字運動」で書き進めていく。
    魅力ある雑学の「マクラ」、本題や自身の主張などの「アンコ」、本題に関係があってもなくても良いが余韻を残したい「サゲ」を意識。

    ・編集手帳では体言止めをあまりみかけないが、意識して使わないのか?との読者の質問に対して(P154)
    日本語は文末の処理が難しくて「だった」「だった」「だった」の機関銃型や「した」「した」「した」の足音型では文章が単調になる。「-である」や「-した」「(美・楽・悲)しい」「-ない」「-だろう」「-する」など限られた役者をどうちりばめて起伏をつけるか、書き手はいつも神経を使う。
    体言止めは一種の思考停止というか、役者をちりばめる努力の放棄を意味するから、そうたびたびは使えません。

    ・うまい引用とは(P184)
    いわゆる「うまい引用」とは次の3つが満たされている場合です。
     1)コラムの本題に合っていて、こじつけではなく自然に本題につながっていくこと
     2)読者の興味をひく内容であること
     3)書き手がどうしてその引用を思いついたのか、読者にとって謎であること
    1)と2)はそのままの意味であるので、ポイントは3)。
    「インターネットを駆使したり、図書館に足を運んだりすれば、このくらいの引用は自分にもできる」と読者に思われたら、引用者の負けです。
    例えば「キス」という本題に対して、啄木の歌が引用されているとするならば「ネットで<啄木>と<キス>を入力して検索したんだろうな」と思われてしまう。ところが「キッス-ジョーク辞典は定義をして『一階のご都合を二階の人に尋ねる習慣』という(阿刀田高 -ジョークなしでは行きられない<新潮社>)」がでてきた場合には、書き手がどのようにしてこの引用文を探り当てたか、読者は恐らく見当がつかないでしょう。
    「コラムのテーマにぴったりのエピソードや詩歌がたちどころに現れる。手品みたいだな。」と読者を不思議がられるところに引用のささやかな楽しみがある。

    ・引用の工夫(P193)
    「之字運動」でコラムを書くといったが、ひとつ間違うと、まとまりない印象を与える危険を秘めている。
    そこでひとつの工夫として「尾頭付き」の引用を心がけている。書き出しに何か引用したならば、締めくくりにもその引用に関連した一節を配する。

    ・2004年12月3日づけの編集手帳より(P194)
    「時間がなかったので長文になりました」と書簡に書いたのは哲学者のパスカルだが…
    (短くてもぐっとくる手紙がテーマ)

    ・筆者の引用にいたる作業手順
    「読書」「コピー」「ノート」「バインダー」「カード」
    読書して、面白いエピソードはコピーし、必要に応じてノートにとり、コピーはバインダーに整理しカードでタグ付けする。
    カードなどは、忘却のための装置。

  • 素敵な言葉にたくさん出会えました。

    ただ、これ本人が書かない方が良かったんじゃないかなぁ。

  • 一気に読み切った。
    謙虚さと向上心を持とうと思い改まった。

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著者プロフィール

コラムニスト。1955年神奈川県生まれ。79年北海道大学卒業後読売新聞社入社。経済部等を経て、98年に論説委員。2001年より読売新聞朝刊一面コラム「編集手帳」を執筆。著書に『名文どろぼう』『名セリフどろぼう』『「編集手帳」の文章術』(いずれも文春新書)等がある。2015年度日本記者クラブ賞受賞。

「2018年 『竹内政明の「編集手帳」傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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