ウイスキー粋人列伝 (文春新書 918)

著者 :
  • 文藝春秋
3.44
  • (3)
  • (10)
  • (8)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 103
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609185

作品紹介・あらすじ

この国でウイスキーづくりが始まって90年。その間、日本人は、それぞれの飲み方で、この酒を愛してきました。例えば江戸川乱歩は、ウイスキーを置かない小料理屋に、ポケット瓶を忍ばせて通っていたとか。あるいは白洲次郎は、友人である英国の伯爵から樽を送ってもらい、ぬるい水割りで飲んだといいます。秋山好古から池波正太郎、黒澤明、リリー・フランキー、村治佳織まで古今90人の逸話で紐解くウイスキー愛飲史。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 素晴らしいお酒に絡んだ作家の本。

    酒というよりも、人生の生き方か。
    一日の締めくくりは、ウイスキーと水を交互に飲む。
    酔いで心を透明にしながら「お前は本当に今日という一日を
    精一杯生きたか」と自問自答しながら過ごす(佐藤隆介)。

    「私の酒はお茶と同じだから4升でも5升でも変わらない。
    五升を越したら少し酔ってくる」(立原立秋)

    読者のためにバーでサービスをする北方謙三など
    ほんと内容盛りだくさんでお勧めの一冊。

  • ウィスキーがスーパで手に入るようになった瞬間、本書に描かれた酒客のアウラは消えた。

  • 秋山好古・白洲次郎・江戸川乱歩・坂口安吾・太宰治・向田邦子・志ん生・田中角栄・黒澤明赤塚不二夫ら、古今90人の愛飲家の逸話満載。昼間は封印し夜半にグビリグビリしながら玩読。国産ウイスキーが誕生して90年。その歴史を独占してるのは、ご存知サントリー。ここに登場する粋人たちも若かりし頃は飲み代も不如意。財布が厚くになるにつれて、レッド→ホワイト→角→オールドと出世魚の如く酒のグレードもUPしていく。でも、酒は歴とした嗜好品。飲む店が変わろうが、魚が自分が育った川に戻るかのように、ウイスキーが最も甘美な液体としみじみ感じた頃のグレードの酒に落ち着くのが面白い。読みながら、ニンマリしてしまったのは、ウイスキーにまつわる薀蓄やアフォリズムに溢れていること。ウイスキーは詩人にならしめるのか。そもそも食中酒ではなく、リラックス時に飲まれる酒だからかもしれない。もっと想像を膨らませるなら、ウイスキーはスピリッツ。その語源からして弱った時には人を励まし、躊躇してる時には勇気づける力を備えているのかもしれない、とハイボール2杯で、それも薄〜い琥珀色を胃の腑に落としながら、そう読み取りましたの巻。

  • ウイスキーを愛した人たちの系譜.
    よく調べてあるなとも思うが,文献からの引用と著者の感想めいたものに終始していて,踏み込みが浅いとも感じる.

  • 【国産ウイスキー90年。それぞれの愛し方】秋山好古、江戸川乱歩から白洲次郎、黒澤明、池波正太郎、リリー・フランキー、村治佳織まで。古今九十人のお酒にまつわる逸話満載。

  • ウイスキーは奥が深すぎてよくわかりません。ただ、この本で紹介されている人物は例外がほとんどなくカッコいい。まずは、真似してみることから始めていこうと思う。

  • 日本でウイスキーづくりが始まって90年。古今90人のウイスキー愛飲家のエピソードを紹介する。村治佳織、リリー・フランキー、北方謙三へのインタビュー、輿水精一の解説も収録。。

    太宰治、坂口安吾、黒澤明などから道尾秀介、JUJUまで、まさに多士済々のウイスキーエピソードは楽しい。ただサントリーの創始者鳥井信次郎の記述はあるのに、国産ウイスキーの父であるニッカの創業者竹鶴政孝に関する記述が無いのは不自然、というより公正さに欠けるような気がするが…。
    (C)

  •  いろいろと酒を呑んで来たけど、歳のせいか、最近は蒸留酒が体に合う。ここ数年で何人かの“ウイスキー呑みの達人”から、作法、おいしい呑み方、うんちくまで、いろいろと伝授してもらったおかげで、興味もわいていろんな本も読みあさった。そんな中、愛飲家90人とウイスキーの世界を綴った本書にも自然と手が伸びた。
     吉田茂や田中角栄といった政治家や桑田真澄などのスポーツ選手も含めて、最先端で新しいものを創りだす人とウイスキーは不可分の関係なんだなとあらためて実感。
     つらつらとレジェンド系作家などクリエーターとウイスキーの関わりが綴られた本書を最後にピリっと占めるのが、サントリーのチーフブレンダー輿水精一氏。<ブレンドして新製品をつくっていくようなとき私自身は「100+1=200」という面白さを感じてきました。単独では優等生とはいえない、ひと癖もふた癖もある個性の強い原酒を、数十種類のブレンドの最後に少量加えると、全体の出来栄えががらりと変わって引き立つという経験を、これまで何度もしてきているのです>とは、ビジネスの世界でも通じる神髄と納得。

  • 昔の人は酒を愛していたのだなと思う。早速影響されてウイスキーのストレート用グラスを発注してしまった。
    ウイスキーを語れる大人になりたいもんだ。

  • もう少し凝った内容を期待したが、過去の文献を切り貼りしたようで、要領の良い卒論のよう。
    サントリー礼賛を否定しないが、ニッカを無視しているところに違和感を感じた。
    読んで損はしないが、新書なのにあまり得るところが無かった。
    文春では岩波のようにはいかないか。

全16件中 1 - 10件を表示

矢島裕紀彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×