- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167105068
感想・レビュー・書評
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Kodama's review
「広い世界にちょうし(長州)が無くば、やがて世界は闇となる」
「動ケバ雷電ノゴトク、発スレバ風雨ノ如シ」
(06.10.17)
お勧め度
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めまぐるしく変化する時勢の荒波に翻弄されることなく凛と生きる高杉は気高い。
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十一番目の志士を読む前に世に棲む日日を読み終えておくべきだったな…。
聞多やら狂介やらが出て来て楽しい。癇癪起こすと論理的ってなんだよ(笑) -
1995.9.17
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2007.5.22 読了
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長州大ピンチ。
おもわず晋作がんばれ!と叫んでしまいそうになりました。 -
すっかり吉田松陰の物語はなくなって、高杉晋作、井上聞多(のちの井上馨)、伊藤俊輔(のちの伊藤博文)が中心というか、裏方というか、各自奔走したり、留まっていたりと、三様なわけですけども、物語としては、非常に見所ありどころなストーリーだったりします。
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高杉晋作がついに歴史の舞台に踊り出る
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痛快!(爽快、快感に続く)
司馬さんの描く、高杉という人が格好よくてなりません。
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明治維新の功績者といふと誰を思ひ出すだらうか。<BR>
私の場合は、薩摩の西郷隆盛、土佐の坂本龍馬、長州の桂小五郎、そして幕府では勝海舟といつたところか。<BR>
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この作品では、吉田松陰とその弟子の一人高杉晉作の人生が描かれてゐる。<BR>
吉田松陰は「松下村塾」で維新の志士を育てた人物だし、高杉晉作は長州で奇兵隊といふ身分を問はぬ軍隊を作つた人物だ。<BR>
私はその程度の認識しか持つてゐなかつた。<BR>
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吉田松陰は思想家である。<BR>
その思想とは、簡單に云つてしまへば、日本の國は天皇が治めるべきだといふことだ。<BR>
つまり倒幕派の思想的バックボーンである。<BR>
この當時、勤皇派はすなはち攘夷派であつた。<BR>
これは當然のことながら幕府の方針とは相いれない。<BR>
それゆゑ吉田松陰はいはゆる「安政の大獄」で處刑された。<BR>
そして、大老・井伊直弼は、幕府が天皇の意向に逆つてまで開國した爲に、攘夷派の志士達に殺されたのである。<BR>
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その弟子はたくさんゐる。<BR>
そのなかで、最も思想的に松陰を受け繼いだのが久坂玄瑞であり、それを行動に昇華させたのが高杉晉作であつた。<BR>
長州はその當時、急進派と穩健派との間で搖れ動いてゐた。<BR>
高杉晉作の功績は、その長州に革命を起こしたことだ。<BR>
世界の中における日本といふ視點からものを考へ、日本を變革させる手段として長州を變革させた。<BR>
彼がいなければ長州は倒幕に團結することもなく、したがつて明治維新が實現したかどうかもわからない。<BR>
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彼は、時代がその存在を求めた、一世一代の風雲兒であつた。<BR>
もし彼が結核で亡くなることがなく、明治政府のなかで重要な位置を占めてゐたら、日本はどのやうになつたのだらう。<BR>
そんなことを想像させられた。<BR>
高杉晉作に較べれば、桂小五郎(のちの木戸孝允)や伊藤博文は人物がひとまわり小さい。<BR>
山縣有朋にしても高杉のカリスマ性に較べれば小さい、小さい。<BR>
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でも、もしかすると西郷隆盛のやうに政治からは彈き出されてゐたかもしれない。<BR>
さういふことまで想像すると、高杉晉作とは時代が與へた役割を果して、そのまま舞臺から退いたのだと云へるだらう。<BR>
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辭世は、<BR>
「おもしろき こともなき世を おもしろく」で、
わづかに27歳8ヶ月の生涯であつた。<BR>
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2004年12月21日讀了