世に棲む日日 3 (文春文庫 し 1-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105068

感想・レビュー・書評

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  • 十一番目の志士を読む前に世に棲む日日を読み終えておくべきだったな…。
    聞多やら狂介やらが出て来て楽しい。癇癪起こすと論理的ってなんだよ(笑)

  • 2019.8.2(金)¥150(-20%)+税。
    2019.8.13(火)。

  • 司馬遼太郎の名作の一つ。
    幕末の長州に生まれた短命の天才高杉晋作。
    「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し…。」
    「おもしろき こともなき世を おもしろく」
    魅力に取りつかれむさぼり読んでしまいました。

  • 「わしは一生、困ったと思ったことがなく、口に出したこともない」ーーその晩年、高杉晋作は述懐した。
    まわりの仲間たちも、晋作が困ったという言葉を吐いたのを見たことがないという。

    仲間を糾合し、異国の代表と堂々と渡り合い、あらゆる敵から変幻自在にその身を隠し、次の時を待ち、時を作る。

    明治維新の出発点ともいえる奇兵隊を創設しながら、そのリーダーの座におさまることなく、あっさりと人手に渡してしまう権力への淡白さ。
    しかし、誰よりも長州武士であることに誇りを持って行動していた晋作。

    その立ち振る舞いや胆力は、奇想天外にして縦横無尽。そして、激動の時代の本質を見極めながら、舵取りをしていく。

    謹厳実直な師匠・松陰に、自由闊達な弟子・晋作。対照的なこの師弟に共通するのは、汲めども尽きない圧倒的な人間力。ヒューマニズムだ。

    師が志半ばで見ることができなかった日本の夜明けまであとわずか。
    時代の申し子・晋作はいかに行動するのか。

  • ちょっと飽きてきたな、、、
    この作家特有のリズム感はやはり肌に合わないんだなぁ、当方には。くどくて綺麗でない文章、実は同じことを違った角度で繰り返し語っているだけのような気がするんですが。
    まぁあと1冊、読み切りましょう。
    ところで結局吉田松陰の扱いは何だったんでしょう?このなおざり感もこの作家の特徴ですか。

  • 革命だと言いながらダラダラ集まって藩のお金で酒を飲み芸妓と遊び。なにやってんだ!やってることはヤンキーと変わらないじゃないか!
    と思えた前半。晋作自身も自分 をゴロツキと呼んでいる。

    そして後半になって目まぐるしく自体が進行する。結局世の中の流れが変わるのは、一部の有識者がああだこうだと声高に叫んでいる時じゃなく、ひとりでに沸き起こるものなのかもしれない。

    後半から伊藤博文と井上馨がグッとクローズアップされる。特に井上馨が面白い!この人を取り上げた本があったら是非読んでみたい。

  • 高杉晋作台頭!

  • どの時代でもどの国でも、お役所というのはこういう姿だからこそ安定した。
    そしてそれを屁とも思わない人間が「革命家」と呼ばれた、まぁ後の時代になってみればだが。
    成功したから「革命家」だけど、
    何かがひとつ間違って失敗に終わってたらただの「アタマおかしいヤツ」だ。
    間違わずにどうにかやり遂げた、という時点でそういう運を味方にするチカラも込みで「革命家」なのかもしれないが。 

  • 萩、下関などを舞台とした作品です。

  • 幕末の長州藩の物語。いよいよ長州藩が歴史の舞台に飛び出し、攘夷戦争を開始する。幕府の動きに日本の役人体質はこのころから変わらないのかと感じる一方、晋作の英国との講話でのやりとりは晴れ晴れとする。

  • 3巻は急に井上馨から始まりますw やっぱり高杉は激動期になってから自分が何をすべきか知ってて、それでも激情家だから時々松陰のお兄さんとかにこっそり弱音吐いてる辺りがきゅんとします。

  • Kodama's review
    「広い世界にちょうし(長州)が無くば、やがて世界は闇となる」
    「動ケバ雷電ノゴトク、発スレバ風雨ノ如シ」
    (06.10.17)
    お勧め度
    ★★★★★

  • めまぐるしく変化する時勢の荒波に翻弄されることなく凛と生きる高杉は気高い。

  • 1995.9.17

  • 2007.5.22 読了

  • 長州大ピンチ。
    おもわず晋作がんばれ!と叫んでしまいそうになりました。

  • すっかり吉田松陰の物語はなくなって、高杉晋作、井上聞多(のちの井上馨)、伊藤俊輔(のちの伊藤博文)が中心というか、裏方というか、各自奔走したり、留まっていたりと、三様なわけですけども、物語としては、非常に見所ありどころなストーリーだったりします。

  • 高杉晋作がついに歴史の舞台に踊り出る

  • 痛快!(爽快、快感に続く)
    司馬さんの描く、高杉という人が格好よくてなりません。

  • 明治維新の功績者といふと誰を思ひ出すだらうか。<BR>
    私の場合は、薩摩の西郷隆盛、土佐の坂本龍馬、長州の桂小五郎、そして幕府では勝海舟といつたところか。<BR>
    <BR>
    この作品では、吉田松陰とその弟子の一人高杉晉作の人生が描かれてゐる。<BR>
    吉田松陰は「松下村塾」で維新の志士を育てた人物だし、高杉晉作は長州で奇兵隊といふ身分を問はぬ軍隊を作つた人物だ。<BR>
    私はその程度の認識しか持つてゐなかつた。<BR>
    <BR>
    吉田松陰は思想家である。<BR>
    その思想とは、簡單に云つてしまへば、日本の國は天皇が治めるべきだといふことだ。<BR>
    つまり倒幕派の思想的バックボーンである。<BR>
    この當時、勤皇派はすなはち攘夷派であつた。<BR>
    これは當然のことながら幕府の方針とは相いれない。<BR>
    それゆゑ吉田松陰はいはゆる「安政の大獄」で處刑された。<BR>
    そして、大老・井伊直弼は、幕府が天皇の意向に逆つてまで開國した爲に、攘夷派の志士達に殺されたのである。<BR>
    <BR>
    その弟子はたくさんゐる。<BR>
    そのなかで、最も思想的に松陰を受け繼いだのが久坂玄瑞であり、それを行動に昇華させたのが高杉晉作であつた。<BR>
    長州はその當時、急進派と穩健派との間で搖れ動いてゐた。<BR>
    高杉晉作の功績は、その長州に革命を起こしたことだ。<BR>
    世界の中における日本といふ視點からものを考へ、日本を變革させる手段として長州を變革させた。<BR>
    彼がいなければ長州は倒幕に團結することもなく、したがつて明治維新が實現したかどうかもわからない。<BR>
    <BR>
    彼は、時代がその存在を求めた、一世一代の風雲兒であつた。<BR>
    もし彼が結核で亡くなることがなく、明治政府のなかで重要な位置を占めてゐたら、日本はどのやうになつたのだらう。<BR>
    そんなことを想像させられた。<BR>
    高杉晉作に較べれば、桂小五郎(のちの木戸孝允)や伊藤博文は人物がひとまわり小さい。<BR>
    山縣有朋にしても高杉のカリスマ性に較べれば小さい、小さい。<BR>
    <BR>
    でも、もしかすると西郷隆盛のやうに政治からは彈き出されてゐたかもしれない。<BR>
    さういふことまで想像すると、高杉晉作とは時代が與へた役割を果して、そのまま舞臺から退いたのだと云へるだらう。<BR>
    <BR>
    辭世は、<BR>
    「おもしろき こともなき世を おもしろく」で、
    わづかに27歳8ヶ月の生涯であつた。<BR>
    <BR>

    2004年12月21日讀了

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

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