新装版 坂の上の雲 (7) (文春文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (1999年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105822

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新装版 坂の上の雲 (7) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 2017.04.22読了。

  • 奉天会戦~日本海海戦直前

  • 奉天会戦、そして日露講和の模索へ。
    辛勝というか、偶然に勝ちを拾っただけ……。それが奉天会戦か。

  • この巻では奉天会戦がメイン。正直、なぜ勝てたのか一読してもいまいち釈然としない。ロシア側優勢だったにも関わらず、クロパトキンの愚かしい退却指示のせいで日本側の追撃戦になったためか。おそらくそうなのだろうが、戦力にして1.5倍、しかも陣地にこもって温存型の戦いを進めていたロシア軍が、ここまで総崩れになるという想像がつかない。

    さていよいよ次巻は最終巻、バルチック艦隊との日本海海戦。楽しみである。

  • いよいよ日本海開戦。

  • 奉天付近で陣を構えるロシア軍に対し、日本陸軍が大攻勢をかける。しかし、兵力・火力・装備においてロシアが圧倒的に勝り、日本は大苦戦を強いられる。

    ロシア軍の不可解な作戦によって、辛くも奉天会戦で勝利をおさめた日本軍。「事実は小説より奇なり」ということわざがぴったりの展開だ。

  • ロジェンスキーが如何にダメな提督であるかを延々と語っている。
    負けた将軍に同情的な国は日本ぐらいしかないというのが理由のような気もする

  • 奉天会戦。そして日本海海戦へ。

    「日本の新聞はいつの時代にも外交問題には冷静を欠く刊行物であり、そのことは日本の国民性の濃厚な反射でもあるが、つねに一方に片寄ることのすきな日本の新聞とその国民性が、その後も日本をつねに危機に追い込んだ。」(219頁)
    …肝に銘ずベき。新聞に限った話ではないが。

  • 奉天会戦はクロパトキンの弱気の退却により日本軍の薄氷の勝利
    これ以上、戦う戦力を持たない日本軍は一刻も早く講和締結へ辿り着きたかったが、講和の締結はバルチック艦隊との決戦後となった

    陸軍にしろ海軍にしろロシアが負けた理由は、全て現場の最高指揮権者の采配によるところが大きかった。そして、そういう風にしたのは皇帝制度が一番の要因だった。


    自分のみが天才だと信じ、他の者は全て愚人だと考えている自己肥大的性格

    不安のエーテルの中で思考の振り子が戦慄し続けている、

  • 戦争を終わらせるのもまたひと仕事なのだということを知りました。

    どの時点で「終わり」にするのか。
    誰に間に入ってもらうのか。
    どの条件に「同意」するのか。

    その向こう側にある、情報戦、差別意識、過去の歴史などから受ける影響。

    そして、延々と航海し続けるバルチック艦隊。

    戦争というのは、戦闘場面だけではなく、その周辺でいろんな動きがあるのだということ。
    次はいよいよ最終巻。どのようにして日露戦争が終結に向かうのか、目が離せません。

  • 相手指揮官の無能ぶりのおかげで、相変わらず奇跡的に勝ち進み続けてます。でも、陸海ともにいよいよクライマックスの一大決戦、ってところまできたのでしょうか。それにしても、ホントあとひとふんばりされていたら、歴史は大きく変わっていたんでしょうね。ここでも"歴史のif"についてしみじみと考えさせられます。

  • 司馬史観が冴えてます。

  • 明治の産業遺跡が世界遺産登録へ、のニュースがちょうど発表された。まさに明治日本の集大成が日露戦争の勝利であったのだろう。しかし、この奉天会戦のように悲惨で無残な犠牲の上での勝利であり、この勝利が後の帝国主義日本を生むのもまた然り。日本人の特異性を感じ留意しながらも明治日本と明治人に敬意を表したいと心から思う。

  • 第7巻は奉天の会戦が中心。圧倒的に有利であったはずのロシアが、官僚的なリーダーの保身や、柔軟性を欠く組織的欠陥んから敗れるに至る。
    一方、バルチック艦隊は長い航海を経て日本に近づきつつあるが、そこでもロシア軍の同様な体質を原因としたトラブルが発生する。
    日露戦争が開始されてからの展開はスリリングで読み応えたっぷり。さすがに名作と言われる作品です。

  • ついに最終話。なかなか始まらない海戦にドギマギ

  • ロシア側には常に将校という頭脳を必要としたが、日本側には下士官や兵というレベルにおいてすでに状況判断能力というものを持っていた。この理由は日本側が国民の識字能力において圧倒的に高いということもあるかもしれないが、あるいは社会の性格によるかもしれなかった。日本の庶民階級は江戸時代からすでに相互意識がつよく、ある程度利発でなければやってけないという本然の状態が存在してきたが、一方、ロシアの庶民はなおも上代以来の農奴制の気分をつよく残していて、いわば人間は一個の労働力でしかないという環境が生んだ一個の痴呆性ーー素質としてではなくーーが存在した。このため戦場に出ても、みずから物事を判断することには馴れず、そのことがロシア陸軍の欠陥にさえなっていた。

    日本においては新聞は必ずしも叡智と良心を代表しない。むしろ流行を代表するものであり、新聞は満州における戦勝を野放図に報道しつづけて国民を煽っているうちに、煽った国民から逆に煽られるはめになり、日本が無敵であるという悲惨な錯覚をいだくようになった。日本をめぐる国際環境や日本の国力などについて論ずることがまれにあっても、いちじるしく内省力を欠く論調になっていた。新聞がつくりあげたこのときのこの気分がのちには太平洋戦争まで持ち込んでゆくことになり、さらには持ち込んでゆくための原体質を、この戦勝報道のなかで新聞自身がつくりあげ、しかも新聞は自体の体質変化に少しも気づかなかった。

    「日本政府はひどく臆病になっている。自分にはハッキリしたことを打ちあけておらないが、自分の察するところ、日本政府はバルチック艦隊の来航以前に講和を結びたい肚らしい」。ロシアのスパイならともかく、一国の外交官が他国の外政担当の長官に対してこういうことをいうべきではないであろう。しかもその発言の内容がまったくまちがっていて、日本政府の肚でもなんでもない。高平がなぜこのようなことをいったかは不可解というほかないが、日本人の気質の一典型として存在する。おべっかを含めた狎れなれしさーーというより相手に仔猫のようにじゃれたいために、つまりは相手の心をこのようなかたちでとりたいためにーー自分の属する上部構造の無知、臆病というものを卑屈な笑顔でぶちまけてしまうといった心理から出ているようであった。

  •  日本とロシアの陸軍の戦いとなる奉天の会戦、講和の
    落としどころを探り始める日本の上層部、そして日本海戦へと
    向かっていく7巻。

     ここまで読んできて思うのは、保守、官僚主義の弊害の強さ。
    圧倒的戦力差がありながらロシアが奉天の会戦で日本を
    倒せなかったのは、ロシアの保守的な官僚主義による弊害で
    あることがよく分かります。

     自己保身により的確な決定ができないロシア上層部の
    失策をなんとか拾い集め、辛くも勝利を収め続ける日本。
    それが積み重なっての日露戦争の結果なのかと思うと、
    そうした弊害の毒素をほったらかしておくと、どんな
    結果がその組織に待ち受けているのか、ということがよく
    分かります。

     坂の上の雲は読み始める前は秋山兄弟であるとか、
    正岡子規であるとか、そうした明治時代の若者たちの
    熱さや努力を楽しむものなのかな、と勝手に思っていた
    のですが、いざ読んでみると、そうした個人の話ではなく、
    組織論の話として、とても教訓になることが書かれて
    いたんだな、という印象です。

     次で最終巻、日本軍の活躍を楽しみつつロシア軍の
    失策を反面教師としつつ、読み進めることができれば、
    と思います。

  • 戦争の勝ち負けって、いつもぎりぎりやなって。
    完全勝利!!!100%勝てます!!!とか、ないんだなって。

  • 東郷平八郎、クロパトキン、ロジェストウィンスキーなど色んな個性の指揮官がいるものだな、と思った。
    一人の性格で、軍全体の動きとか未来とかが変わってしまうというのは、不思議な気がする。

    秋山好古は、もっと大勝したのかなと思っていたら、耐え抜いたという感じで少し意外だった。
    はじめて騎兵を指揮して善戦したことが大きな功績なんだと思う。

  • 奉天会戦から、バルチック艦隊回航の日本近辺まで。
    中には、著者らしい埋もれた歴史の記述もあり。
    日本国民を戦争へ駆り立てていく様子もこの時期から顕著になってききたのか。

  • バルチック艦隊の内情の話にいよいよお腹いっぱいの感を興ずる7巻。

    ◇ロシア軍の敗因は、ただ一人の人間に起因している。クロパトキンの個性と能力である。113

    ◇ロシアは奉天までの陸戦の失敗を外交面ではあくまでも認めず、このため、日露両国の運命はきたるべき海戦に掛けられることになった。戦争というものが劇的構成をもっていた時代における最後の、そして最大の例としてこの戦争は歴史的位置を占めるが、そのなかでも最も大きな劇的展開へ自体は向かいつつあるようであった。237

    ◇艦隊運動のためには足手まといになるにすぎないばかげたその老朽艦隊を、なぜ長期漂白という大犠牲をはらってまでして待たなければならないのか。259

    ◇哨戒計画(中略)日本海軍が生みだした独創の栄誉(中略)朝鮮の済州島と佐世保に線をひき、それを一辺として大きな正方形をつくる。その正方形を碁盤の目のように小さく区画し281

    ◇第二戦艦戦隊司令官フェリケルザム少将が病死したのである。291

    ◇七段構えの戦法317

    ◇ロジェストウェンスキーは二兎を追った(中略)二兎とは「ウラジオストックへ遁走し、それによってたとえ残存兵力が二十隻になったとしても極東の戦局に対して重大な影響をあたえうる」という目的が一兎である。他の一兎は、「東郷と対馬付近で遭遇するであろう。これと当然ながら戦闘を交える」という目的であった。330

    ◇日露戦争は日本人のこのような、つまり国家の重さに対する無邪気な随順心をもった時代におこなわれ、その随順心の上にのみ成立した戦争であったともいえる。345苦労してロシア戦艦見ゆの伝を垣花善が電報設備のある石垣島まで運んだ逸話に関して

  • 秋山お兄さんの騎兵とクロパトキン撤退のお話。ついに陸戦が終わった!完璧主義というか、絶対に勝てる勝負しかしようとしないクロパトキンの逃げ腰に、日本軍が食らいついて打ち破った。あと1冊でついに完結。ゆっくり読もう。

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新装版 坂の上の雲 (7) (文春文庫)の作品紹介

各地の会戦できわどい勝利を得はしたものの、日本の戦闘能力は目にみえて衰えていった。補充すべき兵は底をついている。そのとぼしい兵力をかき集めて、ロシア軍が腰をすえる奉天を包囲撃滅しようと、日本軍は捨て身の大攻勢に転じた。だが、果然、逆襲されて日本軍は処々で寸断され、時には敗走するという苦況に陥った。

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