新装版 翔ぶが如く (6) (文春文庫) (文春文庫 し 1-99)
- 文藝春秋 (2002年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167105990
作品紹介・あらすじ
台湾撤兵以後、全国的に慢性化している士族の反乱気分を、政府は抑えかねていた。鹿児島の私学校の潰滅を狙う政府は、その戦略として前原一誠を頭目とする長州人集団を潰そうとする。川路利良が放つ密偵は萩において前原を牽制した。しかし、士族の蜂起は熊本の方が早かった。明治九年、神風連ノ乱である。
感想・レビュー・書評
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熊本を見る目が変わった気がする。
神風連の一人一人は教養もあって礼節もあってまともそうなのに。
世の中を変えたければ、これくらいの覚悟と行動が必要なのだろうが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明治9年、西南前夜の不穏な政情。神風連の乱の描写は、司馬遼太郎の立体的描写が躍動し、まるで現場に居合わせたかのように一気に時間が過ぎて行く。これまでの愚直なまでの政治の駆け引きの重苦しさから一気に軽快へと転じた感がある。この勢いで西南戦争の描写へと突き進んでほしい。司馬遼太郎作品の醍醐味がそこにあると思うから。
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※2008.7.12購入
2008.7.14読書開始
2008.8.25読了
2017.5.6売却@Book Off -
飽きて来た
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本筋を見失うほどの、余談のオンパレード(しかも重複多い)。
もちろんスピード感などまったくなく、唯一神風連の乱の描写だけは多少なりともスリリングだった。
変わらない構造に辟易。
しかし、これは、それぞれが独立したコラムなのだ、と思うようになってから、遅滞がなくなった。
また、もともと西郷の人格に興味があり手に取ったが、読み進むに連れて、本当にえらいのは大久保だったのではないか、と思うようになってきた。
彼の沈黙と実行、忍耐はなみではない。 -
静かなる西郷。
明治に入り、様々な思想が沸騰直前のようだ。
まるで富士山が噴火しそうでしない感じの日本の状態が書かれている。
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前半は地方官会議や島津久光について書かれている。
このあたりから、地方士族が同盟して、太政官政府に対する一大勢力を築こうとする動きが出てくる。しかし、まだ勢力が大きくなる前に神風連が暴発してしまった。占いで行動を決めるというのはどうなんだろうね。 -
歴史小説の大家による主役不在の明治政府史第6弾。
いよいよ西南戦争への足音が聞こえてきたものの矢張クソ遅い展開。
乱の首謀者である前原一誠の小物臭が出ててくるが故人にとっても気の毒である。