秘密 (文春文庫 ひ 13-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110062

感想・レビュー・書評

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  • さきに映画を観てしまったから、どうだろうか…と、おもいつつ手に取ったが、裏切らない
    ラストはむねがきゅーとなった

  • 事故によって人が入れ替わる話は
    よくある設定だけど
    最後まで 繊細で複雑で
    なんとも言えない話だった。
    とてもおもしろかった。

  • 題名の意味を知った時、涙が止まらなくなった。
    愛ってこういう事なのかな。。。

    • ゆーしろーさん
      分かるわー(≧∀≦) 相手の事を思うってそういうことだよねー!
      分かるわー(≧∀≦) 相手の事を思うってそういうことだよねー!
      2019/01/09
  • とにかく、ラストがショックだった。
    自分の希望とは違ったというだけの話なのだが、直子と平介は夫婦であってほしかったと願う。
    身体は藻奈美でも、心が直子な以上、やはり、直子なんだと私は思う。
    だからこそ、彼女が藻奈美として生きる結論を出したのは悲しかった。
    ずっと夫婦であるだけの愛情あふれたストーリーを無意識に期待していた節があるのかも。
    とにかく、哀しかった。

    文体は読みやすく、展開が追いやすい。
    また、背景描写も適度で、いちいち注視して追っていかなくてはならないほどではない。

    設定なのだが。
    これは、妻の体に娘、ではなし得なかった雰囲気づくりだと思う。
    娘の身体に妻、だからある大人の苦悩や恐怖や哀しみなのだろうと思う。
    そのへんの選びようというか、持って行き方がすばらしいと思った。

  • 東野圭吾に何とも言えない抵抗があったが、読むと面白く、エンターテイメントとしても非常に上手。もう少し、他のものも読んでみようか。

  •  最後まで読んで本当に平介は直子のことがスキなんだなぁと思いました。それは語りの部分では常に「藻奈美」という表記じゃなくて「直子」だった事から、平介は直子を見ていたんだと思います

     直子の事を想っていたからこそ、再婚という選択肢を消し、盗聴器まで仕掛け、ソーマという直子のテニス部の先輩にも、クリスマスの日に注意を促した。ラストシーンでは娘の藻奈美を、妻・直子を取られるという二重の苦しみに悲しんだ
    だってそれは、直子自身が考え選んだ選択だからだ。自分の愛する妻が藻奈美として生きること、平介を騙して直子という人格を直子自身が消したという事、そして指輪を加工して結婚した事

     直子が指輪を加工した理由は、やはり「平介の妻である証」を消したかったからだと推測する。例え目に見えなくても、実際にどこかに実在してあることが嫌なのだろう。でも証を消したかったなら、海にでも投げ捨てる事だって出来たはず。
     それをしないのは、直子の心のどこかで「平介の妻」である事を想いたかった。と、かなり矛盾する中での苦肉の策だったのではないか。山下公園のシーンでこんな直子のセリフがある「引き延ばせたのはあなたのおかげよ」

     もう少し早くに「直子」を終わらせるつもりでいたのかもしれない。それは藻奈美が出てきた日(直子が藻奈美として生きようと決心した日)まで、平介との生活に嫌気がさしてきたのかもしれない

     藻奈美が出てきてからは、平介が好きな明るい直子が戻ってきて、いままでの卑劣な平介ではなくなっていた。そんないつも通りの平介(直子にとってスキな平介)を見ると、どうしても気持ちが揺らいでしまう
     「もうこのまま平介といていたい」という気持ちと「いや、自分の決めた設定(徐々に直子がいなくなって、藻奈美がその人格を支配する)を貫き通す」という気持ちが交差して、計画が遅れてしまった=引き延ばせた、という結果になった

     でももう後戻りは出来ない。「直子」をいつか消さなくてはならない。「直子」がいなくなれば直子は平介と会話する事が出来なくなる。藻奈美として会話する事はできる。しかし「直子」として平介との会話を楽しむ事が出来なくなる

     山下公園で「直子」を消した後、彼女は泣いた。彼女としては藻奈美として泣いていたように見せたかったのだろうけど、実際我慢できずに直子として泣いていたのかもしれない。いっぱい涙を流した。ボク等からは想像もつかないような悲しみのこもった涙を・・・

  • 周りの人に言われたとおり、
    最後の最後で あああーとなりました。

    直子という女性の愛の深さが…

    女性の目線で読んでるので、

    直子に対して感情移入してしまい、

    いいようのない、表現しきれない気持ちです。

    物語的に仕方ないのですが、
    ◯◯屋さんは口滑らすぎですわ。笑

    秘密を抱えた女性の美しさたるや。
    感無量です。。

  • 【断念】
    東野圭吾は…特に好きでもないが、嫌いなわけでもない、という位置付けの作家。

    文章全体から滲み出る“作り物っぽさ”が気に入らないけれどストーリーは面白いので、なんだかんだで10冊近くは読んでいるはず…。


    だけど、本作は……無理。断念。中断。


    設定も、あらすじや色々なブロガーのレビューから見たストーリー展開も、非常に面白そうだと興味を惹かれて読み始めたのだが……。


    説明的過ぎて意味を感じられない挙動の描写…

    くどい位に繰り返される“藻奈美は…いや、直子は”という類の捕捉…

    白々しくリアリティに欠ける、会話表現での台詞まわし…





    生理的に受け付けなかった(苦笑)。
    “小説家志望の高校生が書いたかのような、作文的な文体”が鼻について、物語に感情移入しきれない…。




    期待が大きかった分、落胆も大きいので、読み進めるのを諦めることにした。



    しかし、これまでに読んできた、彼が考え出した“ストーリー”自体は、わりと好きだったので、まだ辛うじて“嫌いな作家”とまではなっていない。 気が向いたらまた別な作品を読んでみようとは思う。



    さて、『秘密』……。それでも、とても興味のあるストーリーであることには変わりはない。


    だから…実写映画版を観てみることにしよう。
    2013.01.30.断。




    【追記】
    皆のレビューを読むと、どれも高評価。
    やっぱり、しばらく我慢してでも読むべきか………。ソレが効を奏してとても感動できた前例(『手紙』)もあることだし…。

    もしかしたら、2~3日後にまた読み始めるかも(笑)。


    映画やドラマに“リメイク”というのがあるように、小説にもリメイクってのがあれば面白い、とか思ってみたりした(笑)。

    同じストーリーを、他の作家も書く…とか。もしあったならば、絶対に全種類読み比べるなぁ。

    例えば、誉田哲也
    例えば、佐々木譲
    例えば、宮部みゆき
    ………毛色の違ったところで……
    例えば、三浦しをん
    例えば、村上春樹(好きな作家なわけではないけど)
    例えば、重松清

    …などなど。


    【読了】
    ……やっぱり気になって、続きを読んでしまった。クライマックスに向かう流れでは、(レビュー読んだために)結末の予想はついていたにもかかわらず……いや“仕掛け”を知っていたからこそ、より切なさを感じた。

    ラストシーンの演出はチープだったけれど(苦笑)。

    東野圭吾………やっぱり、そのストーリーテリングには目を見張るものがある。“嫌いな作家”には、まだならなかった…

    ある方のレビューで、【東野圭吾は、発想は良いけれど、文章は下手だ】的な一文があったが、共感。

    自分なりに訳すると、【文体は気に入らないが、物語の創造力にだけは脱帽】といった感じ。


    結末や細かい設定がアレンジされているはずの映画版『秘密』も、やっぱり観てみたい。


    ★は、修正。

    “断念”時
    ★2つ、4ポイント
    ↓↓↓↓
    “読了”後
    ★3つ、6ポイント

    2013.02.02.了。

  • 読後、何となく開いた手のひらを、じっ…と見つめてしまった。

    (持っているものと、
    私のものだ、と信じていたけれど。)

    その手の中には何も無かった。


    妻と娘を乗せたバスが崖から転落。
    奇跡的に娘は助かったが、妻は死んだ。

    「行ってきまーす♪」
    笑顔で出かけて行った彼女達は
    数日後には
    「ただいまぁ~♪」と、
    元気に帰ってくるはずだったのに。

    何て不確かな明日。
    握りしめていた、と信じていたモノは
    いとも容易くするり、と抜けて無くなってしまう…。

    元々、無いものだったのだろうか?
    仏教でいう『本来無一物』と言う言葉が示すように。

    が、
    東野さんは『死』から再び妻を取り戻してくれた。
    それも、娘の肉体に。

    (…ファンタジー?)
    現実を突きつけられて絶望している身に、
    寓話の類は浸透しにくいかな…と、一瞬感じた警戒心であったが、それも
    あっという間に消滅してしまった。

    妻の魂が宿った娘と共に生きる、父親の複雑かつ深い心情には、ほんと涙が溢れて止まらなかった。

    『死』なんかには絶対わからない。
    この手の中には元々何も無い、
    何一つ、自分のものじゃない、なんて嘘。

    妻も夫も子供も家族も、そりゃ自分の体でさえ
    自分のものでは無い…かも知れないけれど、

    大事な人達への愛だけは
    この手の中から溢れ出す。

    手のひらのなかに温かさが戻った気がして、
    もう一度、硬くぎゅっと握り締めてみた。

  • 「秘密」の意味を知った時、無性に泣けてきた。
    妻と娘の関係、そして夫と父親。

    この関係の複雑な思いがたまらなかった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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