- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167142353
感想・レビュー・書評
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こちらの巻は長編です。
短期間の間に二名の同心が襲われ殺害される。その数日前、鬼平も「大鴉」のような男に襲いかかられていたのだ。火消し盗賊改、鬼の長谷川平蔵と知って襲いかかる大鴉、恐ろしく腕が立つ。
鬼平はその「大鴉」の構えに覚えがあった。剣の師匠であった亡高杉銀平を訪ねてきた医師ではないか?だがその医師であるならもう70歳を超えているはずだ。
そのころ鬼平の密偵からもたらされた情報は、近々大きな盗みが行われることを示唆している。
物語は、同心殺しと盗賊団は同じ一味なのか?鬼平は伝説的剣豪と相まみえるのか?ということを中心に進む。
※※※以下ちょっとネタバレ※※※
この70歳を超えた流れの医師兼剣豪は、堀本伯道という名前で人々からは慕われている。そして実は「昔気質の盗賊団」のお頭でもある。しかしこの盗みはすべて貧しい人々のためだった。堀本伯道は、あちらこちらに報謝宿を作り援助している。「剣客としては金はいらないが、医師としては金が必要」というなんとも難しい世の中をなんとかするための盗みだった。いままで盗みに入った商家も未だに繁盛している(誰も傷つけていない、盗みすぎない)という「古き良き」大盗賊の大親分だ。
この人道的親分と、鬼平に襲いかかった「大鴉」が同じ構えでありながらも印象は全然違う。はて、大鴉は何者だ?ということが謎の一つ。
長編だけあって、江戸と地方を行ったり来たり、同心や密偵たちもいつもと違う人たちが出てきて、相手が大物なので気合と緊張感も強い。
青二才同心だった木村忠吾はどんどん頼れるようになり、鬼平の不肖の息子辰蔵は…ちょっとは頑張ったかな、もうちょっと頑張ろうね、というか 笑 終盤の見せ場では、「才能ある父と、その才能を悪く受け継いだ息子の因習」、「才能ある父と、その才能を受け継がなかった息子の努力」の対比となってます。
すっきりした長編でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
安定した面白さ。
平蔵・辰蔵親子と堀本伯道・虎太郎親子が対極で描かれているのと、辰蔵が少しずつ成長してるのが面白く読めました -
※読了2回目と思われる
売却済み -
めずらしく長編で、力量のある剣との戦いが盛り上がる。
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剣の型を思い出す記憶力もすげえな。
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読了
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おもしろい。
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初の長編。牛込の若松町の由来は江戸城に若松を納めたことからきているそうな・・・。丸子と書いて「まりこ」と読んでいた・・・へえ